魔獣と同等の力①(脚本)
〇地下倉庫
49番(──おかしい!)
21番「あ?カスった!」
49番(オレは魔獣と契約している!)
49番(この身体は・・・元々の10倍以上のパワーとスピードだ! それが──)
49番(それが──何故! このオレに追いつける!)
49番「ごふっ!」
21番「ジイさんよぉ・・・ あんた、井の中のカラスだぜ」
49番(それを言うなら『蛙』だろう!)
21番「Z隊はな。ジイさんの知らない事がたくさんある」
21番「どの位かって?しょうがねぇな・・・」
49番(聞いてない!)
21番「それは・・・たくさんだ!」
49番「アホがぁ!」
49番「連撃か?甘──」
49番「うおおおおおおおおお!!!」
49番「・・・・・・ぐふっ!」
21番「・・・フン」
21番(にしても、味気ねぇな)
21番(コイツを倒して、本当に終わりなのか・・・?)
21番「・・・なあ」
49番「・・・なんだ?」
21番「お前、『魔獣』と契約したんだろ? なら今、ソイツはどこにいるんだ?」
49番「・・・・・・・・・」
49番「・・・さあ?」
21番「・・・え?」
49番「知るか、そんなもの! オレは契約をしただけだ!後の事は知ったことではない!」
21番「・・・え?でも、91番はアンタを倒せば終わりだって──」
49番「そんな訳あるか! オレを倒したとして、それが奴になんの関係がある!」
21番「な・・・!」
49番「オレはオレの為に、魔獣に力を貰っただけだ! 最早奴とは何の関係もない!なにせ、奴は・・・」
49番「奴はもう、既に檻から出ているのだからな!」
21番「・・・・・・う、」
21番「嘘だろおおおお!?」
〇地下の避難所
同時刻・91番チーム
91番「さて、アイツらは上手くやってくれてるかな」
96番「アイツら?」
91番「21番と97番の事さ。 アイツらには、魔獣を解放させたバカの下に向かわせたからな」
96番「なんでそこに2人も寄越したんだ? 放っといてもいいだろ・・・」
91番「いや、ダメなんだ。 ソイツはソイツで、一時的に魔獣と同等の力を得るスイッチを持っている」
96番「・・・・・・・・・・・・」
96番「は?」
91番「・・・もう1回言うぞ。3度目はねぇ」
96番「おん」
91番「魔獣を解放した奴がいる・・・ここまではわかるな?」
96番「ああ・・・」
91番「そして、そこに21番と97番を向かわせた。わかるな?」
96番「ああ、わかる・・・」
91番「それでだ。お前の質問が、 「何故ソイツの所に2人も行かせたか」だったよな?」
96番「おう・・・」
91番「その理由が、とんでもない理由だったんだよ。もう1回言うぞ?」
96番「・・・・・・・・・」
91番「その魔獣を解放した奴は」
96番「うん」
91番「一時的に」
96番「ああ」
91番「魔獣と同等の力を得られる!」
96番「・・・・・・・・・マジで?」
91番「マジだ。正確には、スイッチ1つでそうなる」
96番「そりゃあやべぇな・・・ アイツら死ぬんじゃねぇか」
91番「いや、きっと大丈夫だ。 その力を解放できるのは、たった1分だからな」
96番「1分か・・・安心したぜ。 なら、いくらでもやりようはあるな」
91番「『俺たちは』、だろ?アイツらはそうじゃねぇ」
91番「無事でいられるか・・・これは賭けだ」
96番「・・・来たな」
96番「ハッ、あの見た目・・・人間じゃねぇな」
91番「・・・ちょっと前までは、見た目だけは人間だったんだがな」
96番「身体能力が人外、心も人外。 なら、見た目も人外になる。 何も不自然な事はねぇさ」
91番「そうだな・・・お喋りは終わりだ」
魔獣「★@$☆&¥△◇●■◆♀♂〆※☆・・・」
96番「来るぞ!」
91番「化け物か──」
91番「よっ!」
91番「・・・容赦ねぇな!」
魔獣「♠♥♣♦※♀♂〆★@・・・」
96番「おーい!こっちだ!」
魔獣「☆◆〆※★@$&¥△・・・」
96番「チッ・・・!」
91番「大丈夫か!」
96番「うるせぇ! テメェはテメェの心配してろ!」
96番(にしても、あれはなんだ・・・ 熱さからして炎か?)
96番(マジでクソゲーだな・・・ 自前で炎出せるなんて、いよいよ人外じゃねぇか)
魔獣「・・・・・・・・・」
96番「・・・ハ!」
91番「うまい!あの距離から避けるか!」
96番「バレバレなんだよ・・・ そんな単調な攻撃!」
魔獣「★@$☆&¥△◇●■◆・・・」
91番「・・・・・・・・・」