Lv2の異世界転生者は冒険者になる。(脚本)
〇ヨーロッパの街並み
小鳥遊蒼汰「っ....」
アベル「えへっ」
彼女はいつもどおり笑っている。いやいつも通りっていうのも変か。今日会ったんだし。
よく見たら手の甲に小さい魔法陣のようなものが光っている。
小鳥遊蒼汰「なんだ...これ...?」
よく見たらアベルの手の甲にも同じ魔法陣のようなものが光っている。
アベル「それはね、契約の魔法陣」
小鳥遊蒼汰「契約の魔法陣?」
アベル「うん。これはお互いの了承で成立する契約なの」
小鳥遊蒼汰「お、お互いの了承って、俺了承した記憶ないんだけど?!」
おかしいだろ!こんなの!!
アベル「てへっ☆」
小鳥遊蒼汰(アベルって笑うと可愛いんだよなぁ...)
アベル「そうだ、蒼汰。ギルドって知ってる?」
小鳥遊蒼汰「あぁ、ギルドなら知ってるよ」
小鳥遊蒼汰(なんたって俺は引きこもり&ニート&ゲーマ。名付けてヒキニートゲーマーって訳だ)
小鳥遊蒼汰(まさかこんなところでヒキニートゲーマーの称号が役に立つとはな。ヒキニートゲーマーの称号っつーのは、まぁいわゆる....)
アベル「ねぇソウタ」
小鳥遊蒼汰「?」
アベル「なにそんなに考え込んでるの?」
小鳥遊蒼汰「あー、いや、なんでもない。それよりギルドだろ?」
アベル「そ、そうだったわ...」
小鳥遊蒼汰「あ、ははは....w」
アベル「そうそう!ギルド。ギルドっていうのはね____」
〇ヨーロッパの街並み
アベル「ってなわけで、ギルドっていうのはまぁ職業を登録したりする所な訳」
アベル「ソウタの言うここ異世界で生きていくには、ギルドで職業を登録しなきゃいけないワケなの」
彼女は説明を終えるとにっこり笑った。
小鳥遊蒼汰「ほーっ、じゃあそのギルドに行って職業を登録しに行くか」
小鳥遊蒼汰「アベル?」
アベル「まっまさかソウタ、ギルド知ってるとかカッコつけといて実は言葉しか知らなくて説明してくれてありがてぇーって思ってたりする?」
小鳥遊蒼汰「なっ....」
アベル「あれ、ソウタ図星だったりする?ww」
小鳥遊蒼汰「そっ、そんなわけ....」
アベル「あははっwソウタっておーもっしろいww」
小鳥遊蒼汰「ぐぬぬぬぬ.....」
小鳥遊蒼汰「アベル....」
アベル「なに?」
小鳥遊蒼汰「許さんぞー!!!!!」
アベル「きゃあああああっ!!!www」
〇草原
アベル「はーっ.....」
小鳥遊蒼汰「?」
アベル「私、人間と触れ合うの初めて。人間と触れ合うのって、こんなにも楽しいことなのね」
小鳥遊蒼汰「なんか、アベルお嬢様みたいだな」
アベル「お嬢様?」
小鳥遊蒼汰「ああ。前世のアニメでの話なんだがな...」
〇ファンタジーの学園
ガーナ「もう嫌よ!!!!」
メイド「お嬢様...!お待ち下さい!」
ガーナ「もう嫌なの....お屋敷の人たちじゃなくて市民ともふれあいたいわ!! こんなお飾りもよして普通の服が着たいの!!」
ガーナ「....。これでいいわ」
メイド「お嬢様...」
ガーナ「さようなら。ユーリ」
メイド「...」
〇草原
小鳥遊蒼汰「...ってな感じのシーンがあってな。そのシーンのお嬢様みたいだなって」
小鳥遊蒼汰「そのお嬢様がなかなか可愛くってなぁ~...」
アベル「ね、ねぇソウタ」
小鳥遊蒼汰「?」
アベル「わ、私がそのお嬢様に似てる...んでしょ?」
小鳥遊蒼汰「似てるっていうか...まぁ、」
アベル「で、そ、その子は可愛いのよね、?」
小鳥遊蒼汰「あ、あぁ」
アベル「に、似てるってことは、その...わ、私も、か、か、可愛いって...こと...?」
小鳥遊蒼汰「....!!」
小鳥遊蒼汰(きっ....気まずいっ....!!!)
アベル「わ、わ、私がその子に似てて...その子は可愛くて....じゃあ私も可愛いの...???ゴニョゴニョ...」
小鳥遊蒼汰(アベルがなんでそう勘違いしたかは分からんが....誤解を解かなければ....)
小鳥遊蒼汰「い、いや、可愛いっていうのはな...アベル....」
アベル「いっ、いいのよ!ソウタがそういうお年頃だってことは分かってるわ!」
小鳥遊蒼汰「なっ....!!」
小鳥遊蒼汰「アベルっーーー!!!!💢」
アベル「きゃぁぁっ!!ww」
〇ヨーロッパの街並み
小鳥遊蒼汰「そういえば聞いてなかったけどここの地名とかってあるの?」
アベル「あぁ、そういえば言ってなかったわね」
彼女は目を瞑った。
アベル「ここは神聖なる地、ミストリア。管理人エルヴィンが納めている地。ようこそソウタ。貴方をこの地に留まることを許可します」
小鳥遊蒼汰(なんかアベルの体から水色の光が....それに...)
小鳥遊蒼汰「浮いてるぅぅぅ?!」
アベル「あーこれはね天空滞空って言う体を浮かせる魔法。まぁ浮遊魔術ってやつだよ」
小鳥遊蒼汰「テンクウタイクウ?」
アベル「うーん...天空滞空って言うのは、浮遊魔術。体が浮く魔術だよ」
アベルは誇らしげに説明を終えた。
小鳥遊蒼汰「よし、そろそろギルドに行って職業をゲットするか」
ポツ...ポツポツ....
小鳥遊蒼汰「ん?」
〇ヨーロッパの街並み
小鳥遊蒼汰「あ、雨...?!」
アベル「ど、どうしようソウタ!泊まるところも無いのに雨降ってきちゃった...」
小鳥遊蒼汰「ど、どうしようもこうしようも俺なんてここ初めて来たんだぞ?!アベルなんか知らないのか?!」
アベル「そ、そうね....」
〇建物の裏手
アベル「はぁ、はぁ、」
小鳥遊蒼汰「こ、ここは、、、?」
アベル「裏路地よ。ここでずっとバリアを貼っとけば野宿が出来るわ」
小鳥遊蒼汰「の、野宿?!」
アベル「えぇお金が無い今、私達は野宿するしかないのよ」
小鳥遊蒼汰「金がなければギルドに行って冒険者になれば、、、!!」
アベル「ソウタ、貴方レベルは?」
小鳥遊蒼汰「レベル、、、?レベル、、、」
小鳥遊蒼汰(そういえば王様が、、、)
〇荒廃した国会議事堂の広間
王「Lv2だ、、、勇者にしては低すぎる」
〇建物の裏手
小鳥遊蒼汰「・・・みたいなこと言ってたな」
アベル「・・・」
小鳥遊蒼汰「アベル?」
アベル「Lv2じゃあ冒険者にはなれないわ」
小鳥遊蒼汰「え?!」
アベル「ちょ、大きい声出しすぎ、、、」
村人B「・・・」
村人A「・・・」
アベル「見、見られてるわよ、、、」
小鳥遊蒼汰「くそっ....」
アベル「と、とりあえず野宿よ....」
小鳥遊蒼汰「嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!!!俺の異世界生活ーーーーー!!!」
〇西洋風の受付
結局ギルドに来た。
冒険者A「俺はしてない!そこの女がやったんだよ!」
フレム「はぁっ?!私はただ魔法職につこうとしただけです!!」
アベル「あれ?フレム?ここで何してんの?」
フレム「アベル!助けてください!この濡れ衣野郎が私に濡れ衣を着せてきたんです!」
冒険者A「はぁ?!」
セリア・ムーン「そこまでよっ!!喧嘩はやめなさい!!」
冒険者A「セ、セリア様...」
小鳥遊蒼汰「セリア様??」
アベル「ソウタ、セリアの事知らないの?」
小鳥遊蒼汰(皆んなは様付けなのにアベルだけ呼び捨てだ。また知り合いか?)
セリア・ムーン「汝、神聖なる地、ミストリアのギルドで何をしているの!」
なんか女神みたいな口調だな...。そういえば神聖なる地とかアベルも言ってた気が...。
小鳥遊蒼汰「え、お、俺?!」
小鳥遊蒼汰「っていうか誰だ....」
アベル「彼女は私の後輩女神、セリア・ムーン」
セリア・ムーン「....アベル先輩にはお世話になっている...」
小鳥遊蒼汰「なんだ...ツンデレか...って....」
小鳥遊蒼汰「女神ぃぃぃ?!っていうか今後輩女神って言ってなかったか?!」
アベル「えぇ、後輩は後輩よ。私が先輩女神ね」
小鳥遊蒼汰「いやいやいや!なんで女神が地上にいんの?!」
アベル「まぁなんつーの、女神の修行みたいなものよ」
小鳥遊蒼汰「で、でも、女神が地上に降りてきて騒ぎになんないの?」
小鳥遊蒼汰(どう考えたって騒ぎになるだろ....女神なんかが居たら)
セリア・ムーン「私達女神は地上での修行中は姿形を変えているんです」
セリア・ムーン「これが私の本当の姿です」
アベル「じゃあ私も...」
アベル・ラーナ「これが私の本当の姿」
小鳥遊蒼汰「....アベル....」
アベル・ラーナ「っ...!!」
小鳥遊蒼汰「やっぱお前はお前だな!」
アベル・ラーナ「なぁっ...」
小鳥遊蒼汰(あっ、やべぇっ....)
アベル「そーうーたー??^^💢」
小鳥遊蒼汰「やべっ、にげろっ!!」
セリア・ムーン「お二人共...仲いいですね...ふふっ」
〇建物の裏手
チュンチュンチュン...。
小鳥遊蒼汰「一晩あけちまったぁぁぁぁっぁぁぁ!!!」
アベル「うぅーん...むにゃむにゃ...ソウタどうしたのよ...朝から...」
小鳥遊蒼汰「ちょっと俺ギルド行ってくる!!」
アベル「ちょっ、ソウタ、Lv2じゃ冒険者になれないって....!!」
〇西洋風の受付
小鳥遊蒼汰「はぁっ、はぁっ、すいません!!」
ペト「・・・」
小鳥遊蒼汰「す、すいませーん...??」
ペト「うぅーん....。もう食べれないよぉ....」
小鳥遊蒼汰「すいませーん!!!」
ペト「わぁっ!す、すいません!!あ、ね、寝てませんよ...?」
小鳥遊蒼汰(寝言ガッツリ言ってて寝てないは無理だろ...)
小鳥遊蒼汰「あっははは...w」
ペト「えっと、ご要件をお聞きします!」
小鳥遊蒼汰「要件....。冒険者になりたいです!!!」
ペト「えっとLvをお聞きしても....」
小鳥遊蒼汰「2です!!Lv2じゃあ冒険者になれないのは知ってます。でも..でも...なりたいんです!!」
ペト「・・・」
彼女はゆっくりと微笑んだ。
ペト「普通ではLv2で冒険者にはなれませんが...。 貴方は他の冒険者とは違います」
小鳥遊蒼汰「違う....?」
ペト「えぇ。今までの冒険者はぜんっぜんノリノリじゃなかったからですからね」
小鳥遊蒼汰(ノリノリじゃない?なんでだ?冒険者なんて男のロマンだろ....)
ペト「とにかくっ!こんなに意気込んで冒険者希望の方がいらっしゃるなんてギルド側としてはとてもありがたいので」
ペト「貴方様には冒険者になってほしいですっ!!」
小鳥遊蒼汰「...!!!はい!」
ペト「そうだ!冒険者になるおつもりでしたら、まずは武器集めです。貴方様のLvではなれませんが...」
ペト「けれど特別に冒険者特典をお渡ししときますね!!これでじゃんじゃん魔物を倒してLv10まであげちゃってください!」
小鳥遊蒼汰「え、ありがとうございます!!」
ペト「Lv上げ頑張ってください!」
小鳥遊蒼汰「はい!」
アベル「はぁ、はぁ、疲れたぁ...」
小鳥遊蒼汰「アベル?!」
アベル「やぱここにいた!Lv2じゃあ冒険者いなれないっt.....」
ペト「聖なる地ミストリアに留まるものよ....。冒険者を希望とす....」
ペト「ミストリアへの襲撃を防ぎ、ギルドの依頼をこなすことを約束しミストリアを守ると誓いますか....」
小鳥遊蒼汰「ち、誓います」
ペト「うふっ、硬い空気は終わりです。実は魔法陣が出た時点で契約は完了です」
小鳥遊蒼汰「っ、ふっ、あははははっ!!」
ペト「うふふふっw」
アベル「っ、は、あははははっwww」
小鳥遊蒼汰「あ、そうだ、レベル上げの方法って何があるんですか?」
ペト「レベル上げの方法はいくつかあります。一つが一番ありがちな方法、魔物討伐です」
ペト「魔物討伐と言っても、その敵の強さで上がるレベルが変わりますね...」
小鳥遊蒼汰「ほぅ...」
ペト「2つが、魔法・魔術習得です。これは大変レベルの高い方法ですが、上がるレベルはそれなりに高いので、効率は良いと言えますね」
小鳥遊蒼汰(魔物討伐ならゴブリン程度の弱い魔物をたくさん倒せばがんがんレベルも上がるってわけだ)
小鳥遊蒼汰「そういえば意気込んで冒険者希望のやつが少ないっつってたな...」
小鳥遊蒼汰「まぁ俺がいっちょこのギルドで大活躍して魔王討伐しちゃって一躍時の人になって伝説の勇者になっちゃったりして。なーんちゃって」
冒険者A「魔王討伐だって?ありえねぇ伝説の勇者様もまけたっつーのにあんなへなちょこが魔王を討伐できるわけ無いだろww」
小鳥遊蒼汰「なっ、倒して見せる!俺が魔王を討伐して見せるー!!!」
まずいことを言っちまった。まさかこの言動であんな事が起こるなんて....。