〇近未来の開発室
91番「・・・さて」
91番「お前たち、ちょっといいか？」
21番「・・・なんスか？」
91番「大体準備が出来た。 今から、『魔獣封印作戦』を実行する」
97番「魔獣、封印・・・？」
91番「そうだ。簡単に言うとだな・・・」
91番「まず、ここ数ヶ月の間、 『一般隊員が危険区域に出入りしていた』んだ」
21番「・・・はぁ」
97番「それって・・・！」
91番「そうだ、97番。 ソイツがやろうとしてる事は、唯一つ」
97番「・・・魔獣の・・・解放・・・！」
91番「そうだ。本来、一般隊員が危険区域に行く必要はない」
91番「『危険区域に出入りしている』って事実だけでも、 ソイツは十分クロだと言える」
21番「・・・・・・・・・はぁ」
91番「・・・まるでわかってないような顔だな」
97番「21番。要は、『魔獣を解放しようとしている、悪い人を、倒しましょう』って事だよ」
21番「・・・マジュウを、解・・・ 悪い奴を、倒す・・・？」
21番「ああ！そういう事か！ 悪い奴がいるんだな!?なるほどな！ 腕が鳴ってきたぜ！」
「・・・・・・・・・」
21番「よし！そうと決まれば、早速戦いに行くぞ！」
97番「・・・・・・どこに行ったんでしょう」
91番「・・・さあな」
91番「ったく・・・96番以上じゃねぇか」
97番「何がです？」
91番「筋金入りのバカって事だよ！ まぁ、悪くはねぇさ」
91番「その方が、色々なものを相手にしやすいからな──」

〇化学研究室
21番「この辺にいるか・・・？」
21番「・・・・・・お前か──!?」
96番「そう、俺だ」
21番「・・・・・・・・・」
21番「は？」
96番「「は？」は、こっちのセリフだ。 なんでテメェがここにいる・・・」
21番「い、いや・・・ 飛び出してったはいいけど、 どこに魔獣を解放しようとしてる奴がいるのか、わからなくて・・・」
96番「ったく・・・。 91番から何も聞いてねぇのか・・・？」
21番「いや、聞いたんだけど・・・」
96番「・・・こっから戻って、地下の２階── そこに、元凶はいる」
96番「俺も一回91番の下に行くが、必ず後で合流する。 魔獣が解放さえされなかったら、相手はただの人間だ」
96番「・・・死ぬ気で勝て。出来なきゃ俺が殺す」
21番「・・・・・・うす」

〇地下に続く階段
21番（ここが階段か・・・よし）
？？？「ヒャハハハハ！オレの天下だ！」
21番（今のは・・・？）

〇地下倉庫
21番「ここが・・・地下２階か？ 電気付けるぞ？」

〇地下倉庫
21番「・・・」
21番「コイツが、魔獣を──？」
49番「ククク・・・お前の事は知っている。 試験機を壊す異端児・・・21番だろう？」
21番「・・・そうだ。お前も──隊員なのか？」
49番「そうだ。オレは49番。 B隊の、しがない老いぼれ隊員さ」
21番「ただの老いぼれには、見えねぇけどな」
49番「ククククク・・・・・・」
49番「それも正解だ。オレは、ただの老いぼれではない」
49番「何処が違うか・・・わかるか？」
21番「・・・・・・いや・・・」
49番「教えてやろう！ オレはな、魔獣と『契約』を交わしたんだ！」
49番「魔獣の解放を手伝う代わりに、 オレはヤツが強くなった最大の秘訣である、『ある物』を投与した──」
49番「するとどうだ！みるみるうちに力が漲ってくるではないか！ 試験機壊し？T隊最強？そんな奴、最早敵ではない！」
49番「このオレこそが、魔獣を従え、 そしてこのAlphaBetをも統治する男なのだ！」
49番「ククク・・・ヒャハ・・・ ヒャハハハハハハハ!!!」
21番「・・・フン」
49番「何が可笑しい？」
21番「お前・・・Z隊って、知ってるか？」
49番「・・・は？Z隊・・・？────！」