読切(脚本)
〇アパートの前
〇女性の部屋
ひこ「これってあれかい!? 運命の赤・・・」
様々な色の糸が
指という指に絡まっていた
ひこ「多!?」
〇電車の中
ひこ「どこに繋がってんだい・・・?」
〇渋谷の雑踏
ひこ「やっぱ人さスゲ~・・・」
ひこ「これ・・・ 全部渋谷さ繋がってんのかい?」
〇モヤイ像
ひこ「これがあの・・・」
ひこ「やめれやめれ!見惚れてねぇぞ! 都会なんかはんかくせぇ!」
ひこ「そんな事より今は糸! 一つ目は・・・」
ひこ「ブサ!?」
ひこ「私の運命の人って こったらみったくねぇのかい?」
男「ブッサ不動産で~す」
〇東京全景
元カレ「渋谷に引っ越さないの? そう・・・」
〇モヤイ像
ひこ「嫌な事思い出したべよ!」
糸は目的を果たすと消えた
〇電気屋
〇女性の部屋
ヒロイン「付き合って!」
主人公「自分の気持ちが追いつくかもしれないし 追いつかないかも・・・」
〇電気屋
〇SHIBUYA109
ひこ「これが いぢまるぎゅ~」
ひこ「おしゃれな私に もっとおしゃれすれって事だべな!」
〇銀杏並木道
ダサ
元カレ2「僕よりも君にはもっと ふさわしい人がいるよ」
〇SHIBUYA109
〇デパ地下
ひこ「うんまそうなもんばっか」
店員「こちらカロリー控えめの食品に なっています!」
〇結婚式場のレストラン
〇デパ地下
ひこ「カロリーバンザイ!」
〇Bunkamura
ひこ「映画観れって事かい?」
〇映画館の入場口
元カレ4「意味わからない? 残念だよ・・・」
〇映画館の座席
主人公「そこにある それが愛 どこにもない それは恋 わかるね?」
ヒロイン「わかるわ!」
ひこ「わかるか!」
〇黒背景
元カレ5「大人になれよ」
〇道玄坂
〇パールグレー
元カレ6「しつこいな!」
〇宮益坂
元カレ7「重いんだよ!」
元カレ8「だから田舎育ちは」
〇事務所
上司「だから田舎者は!!」
ひこ「けっぱったけどわかんねくて もうしわげありません!」
上司「次はちゃんとしてよ」
〇テーブル席
ひこ「なしたのよ こったらしゃれたとこさ連れて」
武彦「けっぱる がんばるって意味だろ?」
武彦「はんかくさいはバカらしい」
みったくないは見た目が悪い
だろ?
ひこ「・・・調べたのかい?」
武彦「ひこは何一つ悪くない」
武彦「社長の息子として俺から謝る」
武彦「すまなかった」
もしまた同じ事があったら
武彦「俺が真っ先に怒ってやる」
ひこ「ビールくださ~い」
武彦「ここで?」
ひこ「これで手を打ってやるべよ」
〇スペイン坂
〇事務所
ひこ「終わらん」
武彦「親父のやり方納得できねぇ!」
武彦「わからずや!」
武彦「残業?」
ひこ「んだ」
ひこ「デートなのに・・・」
武彦「別れたんじゃねぇの?」
ひこ「あいつとは」
武彦「こりねぇやつ」
ひこ「あの・・・」
ひこ「社長とケンカし・・・」
武彦「手伝ってやるよ」
ひこ「全部やって」
武彦「甘えんな」
武彦「俺もひこと同じ仕事やってんの」
遅いんだよ
〇公園通り
ひこ「武彦・・・」
ひこ「ちがうちがう今のなし!」
ひこ「誰に言い訳してんだ・・・」
ひこ「残り二本・・・」
ひこ「私に何させてぇんだべよ・・・ てっきり白馬の王子様と赤い糸さ 結ばさってると思ったのに」
ひこ「もしかしたら最後にとっておきの・・・」
〇ハチ公前
ひこ「なしてこったら所に糸さ繋がってんのよ」
ひこ「他人の恋愛はでぇっ嫌って言ってるべよ!」
ひこ?
ひこ「うっそでないかい・・・」
誠一「知り合い?」
糸は
誠一と繋がっている
武彦「同僚のひこです」
武彦「こちら誠一さん」
武彦「休みの日に食事する約束を・・・」
誠一「食事? ああいうのは打ち合わせって言うんだよ」
武彦「ひこが渋谷? 男か?」
ひこ「か!買い物だ! ぶなぐるぞ!」
武彦「なにムキになってんの?」
誠一「よかったら三人で一杯どう?」
誠一「1日たけと一緒にいるのうんざり」
武彦「いやなら 来なくてもいいんだぞ」
何度見なおしても
糸は誠一にしっかりと繋がっていた
ひこ「・・・行く」
〇シックなバー
誠一「ひこちゃんそっちの出身か」
誠一「苦労するだろ方言?」
誠一「こっち慣れた?」
ひこ「どうだべか」
武彦「前に スカイツリー連れてってやろうとしたら 拒否られた」
武彦「そんなに嫌ならなんで東京来た?」
ひこ「そりゃ 素敵な出会いさ求めて・・・」
武彦「断れた身にもなれよ!」
誠一「仲いいね」
誠一「もしかして」
武彦「ただの同僚っす」
誠一「本当に?」
たけ御曹司だし
生活には困らないぞ?
武彦「うちなんて三流会社っす」
武彦「誠一さんと比べられたら・・・」
誠一「お似合いだけどな」
じゃあ
誠一「同僚なら たけが独立する話 知ってるよね」
誠一「失礼」
ひこ「辞めんの」
武彦「いい男だろ誠一さん!」
王子様って感じ?
誠一「すまん もう出るよ」
武彦「お休みの日に 貴重なお時間頂きありがとうございます!」
ひこちゃん
誠一「よかったら送ってく?」
アイスピックを奪い
糸に刺すと
ひこ「消えろ」
運命は消えた
誠一「ひえ~!」
武彦「飲みいく?」
〇立ち飲み屋
武彦「これこれ! やっぱ俺らはこういう・・・」
武彦「お茶・・・ がいいよな・・・」
ひこ「なんで」
ひこ「本当は伝えた方が相手にとっていいって わかってるはずなのにずるずる伸ばすの?」
ひこ「回りくどくないわかりやすい言葉 はっきり言えばいいじゃん!」
武彦「それは・・・」
毎週毎週腹立つじゃん!
ひこ「主人公が好きって言えば終わるじゃん!」
武彦「ドラマ・・・ の話かな?」
でもそれって
ひこ「成長してるからなんじゃん」
ひこ「時代も世界も変わって」
ひこ「昨日の当たり前が当たり前じゃなくて」
だから考え方が変わる
そして色んな点ができる
ひこ「昨日の正解の点が今日は全然違う点に」
その点と点を結ぼうとしても
中々繋がらないんじゃん
ひこ「だけどそれがあるから 次もまたちゃっかり観ちゃう 悔しいけど」
武彦「何のドラマ?」
赤い糸が繋がっていた指を
じっと見つめる
今日
点と点が線にならなかったら
次の週にいくだけの話なんだ
ひこ「どんな最終回になるかわかんないから 楽しみなんじゃん」
武彦「回りくどくてわかんないんだけど・・・」
私が
ひこ「東京弁使おうが ダイエット始めようが おしゃれ見直そうが笑うなよ!」
ひこ「それも私だ!」
ひこ「武彦の決断」
ひこ「誰にも笑わせない」
ひこ「笑ったやつは私が怒ってやる」
運命に逆らう武彦の事
ひこ「手伝ってやってもいいぞ」
ひこ「だから」
ひこ「明日の私が 今日の私と全然違っても 笑わないでよじゃんww」
武彦「東京弁ヘッタくそだなぁ」
〇渋谷のスクランブル交差点
ひこ「渋谷ってこんなにきれいだった?」
そっか
ひこ「ここは成長させてくれる街って事か!」
武彦
ひこ「欲しいものがあるから ショッピング付き合って」
武彦「今から?」
ひこ「私が」
もっとレベルアップするために必要な
運命で結ばれたもんが
ひこ「まっだまだ渋谷さあるんだべよ!」
どんな人でも自分が出会った人は縁があると思います。その縁を続けるのも断ち切るのも自分次第で、またその決断から新しい縁につながるような。そういう繋がりを様々な色に例えるのはすごく情緒があります。
運命の糸が見えるのっていいですね。
ただ、運命に逆らってみるのも人生ですよね。
逆らって足掻いて、生きていくってそういったことの連続ですよ。
彼女の強さが好きです。
沢山の運命の糸がどこに繋がっているのか楽しみにしていました。運命は自分で突き進めと言われていますが、その運命がやはり糸で繋がっていると信じている自分がいます。