やつくびじんじゃ ー匣入供物ー

突発的ゲーム制作部

エピソード7(脚本)

やつくびじんじゃ ー匣入供物ー

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〇教室
「ねぇ、聞いた?」
「昨日ニュースでやってたやつ?」
「そうそう!リアルヤバいよね!」
「この学校の女子なんでしょ?」
「話したことは無いけど、何度か見た事ある子」
「ってか犯人、歴史の先生だよね・・・?」
「うん・・・信じらんない」
「優しい先生だと思ってたのにねー・・・」
「夜に生徒の家に行くとかヤバすぎ」
「見た目はアテにならないね・・・」
「てか自分で通報して捕まったとか、ちょっとマヌケだよね〜」
「電話で呼ばれて家に上がったら」
「その子が死んでたって・・・」
「しかも首を切って何処かに隠したらしいよ〜!!?」
「まじサイコパスティーチャーじゃん!」
「本人はやってないって言ってるみたいだけど」
「状況が状況だから、現行犯逮捕だってー」
「最近同じ様な事件が多いから、もしかして全部やってたのかも」
「今回の子の前にも、その友達の子が亡くなっててさ〜」
「うわ〜・・・マジ怖い・・・」
「ホントだよねー」
「でも捕まったならもう大丈夫だよね!」
「そだね!」
「それじゃ! 学校終わったしカラオケいこー!」
「おけー♪」
「あ!そうだ! 例の神社行って、お願いしてみようよ!」
「あー!アタシも気になってたんだよね!」
「何お願いしようかなー?」
「とりあえずお金か彼氏か~ 欲しいモノが定番だよね~♪」
「だよね~♪」

〇刑務所の牢屋
  どうしてこうなったんだろう・・・
  ただの間違いだって伝えてるのに・・・
  自分はただ・・・
  教員として生徒の為に
  出来る限りの事をしていた・・・
  あの日だって
  教え子から電話があったから
  何か胸騒ぎを感じて急いで向かった

〇ゆるやかな坂道
「ん?」
「言い忘れた事でもあったのか?」
「もしもし?どうかしたか?」
  ツー・・・ツー・・・
「あれ?切れた・・・」
  さっき話した感じ、相当落ち込んでいたよな・・・
  無理もない・・・
  両親の行方が分からなくなってるんだから・・・
「・・・戻ってみるか」
  この時戻らなければ・・・と、後悔はしていない
  生徒が困っているのなら出来る限りの事をする
  ”教諭として”

〇シックな玄関
  玄関前に到着したがおかしい・・・
  ドアが半開きになっている・・・?
「電気も付いていない・・・?」
  胸騒ぎを感じた
「お・・おい・・・?」
「さっき電話くれたろ・・・?」
  返事は無い
「大丈夫か・・・?」
  返事は無い
「ちょっと入るぞ・・・」
  返事は無い
  不安が背筋を撫でる
「お邪魔します・・・」
  明かりの灯らない宅内を歩き回った
  一階には誰の気配もない
「二階か・・・?」
  階段前で声を掛ける
「お・・・おい・・・!いるか・・・?」
  返事は無い
  生唾を飲み込み階段に足を掛けた

〇部屋の前
  ギシ・・・
  ・・・ギシ
  床の軋む音が響く
「・・・大丈夫か・・・?」
  返事は無い
「電話してくれただろ・・・?」
「言い忘れた事でもあったのか・・・?」
  返事は無い
  生徒の名前の書かれた部屋がある
「そこに居るのか・・・?」
  物音一つしない
「あ・・開けるぞ・・・?」
  心が開ける事を制止しようとしている
  開けるな・・・
  開けて何も無ければいい・・・
「・・・」
  意を決してドアノブを捻り、部屋のドアを開けた

〇女の子の一人部屋
  電気の灯らない部屋
「・・・先生だが・・・いるか・・・?」
  真っ暗な部屋を見渡すと
  部屋の隅に、布団の塊がうっすら見えた
(あ・・・あそこにいるのか・・・?)
「お・・・おい・・・」
「そこに居るのか・・・?大丈夫か・・・?」
  少しずつ布団の塊に近づく
「・・・寝ているのか?」
「起こしたらすまんが・・・大丈夫か・・・?」
  恐る恐る布団の塊に手を伸ばして、軽く触れる
  ズルリと布団の塊が横に動いていく
  ドサ
  やや重量のある音がして
  布団がずれて、中のモノが露になる
「うわぁぁぁぁーーーー!??!」
  ソレは──
  首の無くなった人間だった──

〇刑務所の牢屋
  すぐに警察と救急に連絡をした
  到着した警察官も驚きの表情を浮かべており、状況説明を求められ、正直に話した
  だが・・・
  そのまま”容疑者”となってしまった
「何が・・・どうして・・・」
  両親や知人への連絡する事も出来ないまま、数日が経過した
「どうしたら・・・いいんだ・・・」
  目頭が熱くなり、涙が零れる
  足音が近づいて来る
「面会希望者が来ている」
「え・・・?」
  面会・・・?
  誰にも連絡していないのに・・・
「・・・心当たりはないんですが・・・」
「いいから早く出てこい」
「・・・」
  重い腰を上げ、面会場所に向かった

〇警察署の食堂
「・・・」
  部屋に入ると、そこには見覚えの無い男が座っている
「あの・・・どちら様ですか」
「面会時間は10分で時間厳守だ」
  看守はそう告げると、部屋を出て行った
「・・・」
  誰かは分からないが、とりあえず向かいの席に座る
「あ・・・あの、どちら様でしょうか・・・?」
「急にすみませんね」
「私、こういう者です」
  差し出された名刺には「私立探偵」の文字が書いてあった
「探偵さん・・・?」
「余り時間は無いので単刀直入に聞きますね」
  探偵を名乗る男が一方的に話す
「今回の女子生徒殺害に関与はしてますか?」
  その言葉を聞いた時、自分の中で沸き上がる物を感じた
「そ・・・!そんな訳ないです!」
「私は・・・生徒の為に・・・!」
「アノ時だって・・・!!」
「電話があって・・・ 急に切れたから心配でッ!」
「落ち着いてください」
「貴方を疑っている訳ではなく、潔白を示すための情報収集をしてるんですよ」
「・・・え?」
「貴方が犯人だとは思ってはいないです」
「亡くなった生徒さんの周りで変わった事があったらなら」
「どんな事でも良いので教えて頂きたいのです」
「・・・変わった事・・・?」
「はい」
「どんな事でも構いません」
「普段聞かない様な人間の話や、学校内で曰くのある場所に行ったとか」
「どんなバカバカしい事柄でも構いません」
「授業と違う事を聞いてきたり、どんな事でも結構です」
「その一つ一つが、貴方の潔白を証明する手掛かりになるかも知れません」
「変わった事と言われても・・・ 至って何かがとは・・・」
「良く思い出してください」
「えっと・・・」
「志望校の推薦をして・・・そこから良い返事を貰って・・・」

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コメント

  • 1章お疲れ様でした!
    ホラー要素だけでなく謎の真相に近づくサスペンスものとしても面白いです

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