君と石と夜空の星よ

ざとういち

読切(脚本)

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〇レンガ造りの家

〇西洋風の部屋
父「メドゥ、誕生日おめでとう!」
父「これ、お母さんと選んだんだ」
母「宝石店で勧められてね」
母「メドゥにピッタリだと思って」
メドゥ「嬉しい・・・着けてみても良い?」
父「あぁ、もちろんだ!」
メドゥ「どう、かな・・・」
メドゥ「え・・・?」

〇西洋風の部屋
メドゥ「お父さん!? お母さん!?」
メドゥ「2人が、石に・・・!?」
メドゥ「だ、誰か・・・!!」

〇レンガ造りの家
メドゥ「え・・・!?」
メドゥ「わ、私と目が合った生き物が・・・」
メドゥ「みんな・・・みんな、石に・・・!!」
メドゥ「い、嫌・・・」
メドゥ「嫌あああああああッ!!」

〇草原

〇山道
アゲート「ふぅ・・・」
アゲート「今日はこんなもんか・・・」

〇森の中
メドゥ「こ、ここ・・・」
メドゥ「どこ、なの・・・」
アゲート「おい! 大丈夫か!?」

〇草原の一軒家

〇簡素な部屋
メドゥ「ここは・・・?」
アゲート「気が付いたか?」
メドゥ「あ、あなたが・・・」
メドゥ「助けてくれたんですか・・・?」
アゲート「・・・・・・」
アゲート「その目はどうした?」
メドゥ「こ、これは・・・」
アゲート「さっきブレスレットを見せてもらった」
アゲート「それは呪いの腕輪だ」
アゲート「目が合った者を石化させる」
アゲート「そんな悪趣味な呪いがかけられている」
アゲート「二度と外せないというオマケ付きでな」
メドゥ「呪い・・・」
アゲート「そのままじゃ、不便じゃないか?」
メドゥ「私が目を開けると・・・」
メドゥ「誰かを石化させてしまいますから」
アゲート「・・・・・・」
メドゥ「助けてくれたことには、お礼を言います」
メドゥ「ですが、私には構わないでください」
メドゥ「このまま、誰もいない場所で・・・」
メドゥ「生涯を終えますから・・・」
アゲート「はぁ・・・」
アゲート「それなら気にするな」
メドゥ「え・・・?」
アゲート「ここは“俺以外”誰もいない場所だ」
アゲート「このままここで、生涯を終えれば良いさ」
メドゥ「・・・・・・」
メドゥ「はぁ・・・!?」

〇草原

〇森の中

〇山中の川

〇菜の花畑

〇山道
アゲート「あいつ、全然目を開けてくれない・・・」
アゲート「・・・・・・とは言え」
アゲート「目を開けたら、嫌われるかな」
アゲート「メドゥの悲鳴!?」

〇草原の一軒家
メドゥ「な、なんなの!?」
アゲート「モンスター!?」
アゲート「メドゥ! 目を開けるんだ!」
メドゥ「アゲート!」
メドゥ「で、でも、それじゃ、あなたまで・・・」
アゲート「俺なら大丈夫だ・・・」
アゲート「俺を、信じろ!」
メドゥ「う、うぅ・・・」
メドゥ「アゲートを、信じる!」
オーク「ウガアアアアアッ!?」
アゲート「メドゥ! 大丈夫か!?」
メドゥ「う、うん・・・」
メドゥ「アゲート・・・」
メドゥ「どうして、あなたは・・・」
メドゥ「石に、ならないの・・・?」
アゲート「・・・・・・」
アゲート「メドゥ・・・」
アゲート「君に見せたい物があるんだ」
メドゥ「・・・・・・」

〇草原の一軒家
メドゥ「あぁ・・・」
メドゥ「こんなに綺麗な星空、久しぶり・・・」
アゲート「それは良かった」
メドゥ「見せたかった物って、これ・・・?」
アゲート「それもあるが・・・」
アゲート「もうひとつ・・・」

〇白

〇草原の一軒家
アゲート「すまない・・・」
アゲート「これが俺の、本当の姿だ」
メドゥ「・・・・・・」
メドゥ「ぷっ・・・」
メドゥ「あははっ!」
アゲート「な、なんで笑うんだよ!?」
メドゥ「だって、元々石だったなんて・・・」
メドゥ「なんだか、おかしくて・・・」
アゲート「おいおい・・・」
アゲート「それで、ガッカリしたか?」
アゲート「・・・嫌いになったか?」
メドゥ「・・・ごめんなさい」
メドゥ「ちっとも!」

〇草原

〇森の中

〇山中の川

〇菜の花畑
メドゥ「綺麗ね・・・」
アゲート「綺麗だな・・・」
アゲート「メドゥが・・・」
メドゥ「あっ・・・」
メドゥ「アゲート、あなたもよ?」
メドゥ「とっても、綺麗・・・」

〇草原の一軒家
  これからも、ずっと一緒にいてね?
  もちろんだ

コメント

  • 先ほどコメントしようかと思ったのですが、バタバタしていて出来てなかったので、もういちどきました!(結構あるあるですよね…)

    相手を石にさせてしまうことが心配で目を閉じたまま過ごそうとするヒロインと、ヒーローが実は正体が…というところを隠しながら過ごしていて、最後に打ち明けてくれて、、、という流れが素敵でした✨👏☺️

    これからも仲良く過ごしてほしいですね✨☺️

  • 設定がとても面白いですね!!
    メドゥーサ側の心情って考えたことなかったです。
    相手を石にしないため、目をずっと瞑ってるの、
    優しさが沁みてきて素敵ですね☆
    両親は戻らなかったけど、2人には新しい道が開いて美しい話でした😃

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