My Dearest,

タオ吉

My Dearest,(脚本)

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〇宇宙空間
私(カナ)(先輩は遠くから眺めてるだけで十分 あの星のように)
私(カナ)(遠い方が安心できる)
私(カナ)(一応、コンタクトに変えてみたけど)
私(カナ)(近寄れないし、話せない。異世界すぎて)

〇綺麗な図書館
  先輩はなぜか私を「カナブン」と呼ぶ。
先輩「カナブン」
私(カナ)(顔近っ)
先輩「何?」
私(カナ)「課題」
先輩「じゃ、お隣失礼しまーす」
私(カナ)(周りの視線、痛っ)

〇名門の学校
  合宿は長野。ウチの軽も駆り出される。
  が、カーナビもない免許取りたての軽には誰も乗らず・・・
先輩「じゃ、俺がナビるわ」
  って、後ろの席、なぜ一気にこうなる!?
  しかもメガネ君まで。もはや意味不明。
ミカ「出発~」

〇走行する車内
先輩「その先右折だから右車線によって」
先輩「後ろから車来てるからね」
私(カナ)「はい(手汗;)」
ミカ「なんか真ん中ってせまいー」
ケイ「ねぇ、Spotify使えないの?」
メガネ君「セレナはもう高速乗ったそうです」
  先輩は顔をしかめFMを入れた。
  車は高速に入り、後ろの三人は寝てしまった。
  先輩は淡々と指示を出し、私は必死でハンドルを握った。
  時速80キロ、自分史上最速。でもどんどん追い越される。
  でもいい。だって遅い方がこの時間が長くなるから。
  好きな人がずっと横にいる奇跡、自分史上初。
  横は向けないけど、話はできないけど。
  好きな人と一緒にいるって、こういうことなんだ。

〇駐車車両
  たどり着いたサービスエリア。トイレにダッシュする後ろの3人。
先輩「お疲れ。深呼吸してきたら」
私(カナ)「平気です。地図見ないと」
  ダッシュボードから地図帳を出したが、先輩はそれを取り上げて、
先輩「はい、降りて降りて。顔、怖いよ」

〇田舎駅の駐車場
ケイ「わたし、死ぬにはまだ若すぎるから」
ミカ「トイレ限界だった、もう嫌!」

〇車内
  車に戻ると、先輩が運転席に座っていた。
私(カナ)「ケイ先輩とミカはセレナに乗るそうです」
先輩「やった、うるさいのがいなくなった」
先輩「ほら、早く乗って。運転、もう限界だろ」
  先輩に直視されると泣きそう。
  助手席でシートベルトを締めると、車が走り出した。
  あ、これって二人だけ。え、マジ? 
  いや待て、何かおかしい・・・
私(カナ)「あ、メガネ君は?」
先輩「ほっとこ」
先輩「あいつ、カナブンのストーカーだから」
私(カナ)「え? うける(笑)」
先輩「わかんないかなぁ、あの視線」
私(カナ)「100パーないですけど・・・あ、LINEきた」
先輩「ほら、だろ。気付くの遅すぎだから」
  車は駐車場を一周して、メガネ君をピックアップ。
先輩「なんだよ。探してたんだぜー」
私(カナ)(先輩、それ思いっきり嘘つきです)

〇住宅街
  今度の合宿は福島。久しぶりに地図帳を開くと大学近くに謎の☆マークがついていた。
私(カナ)(何、この☆? 確か先輩の下宿がこの辺だった気もするけど)
  と、突然耳元で「カナブン」。
  振り向くと、
先輩「気付くの遅すぎだから」
先輩「ウチそこ。丁度食料買ってきたとこ」
  一人で見上げてた星が笑っていた。

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