松川さんの吉日

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松川さんの吉日(脚本)

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〇可愛い結婚式場

〇更衣室
高田「・・・そのおじさんチョー歌うまくて」
中野「マジで?」
松川「高田くん、中野くん、そろそろ時間ですよ」
「あ、ハイ!」
高田「松川さんって、 この式場に勤めて長いのかな?」
中野「どうだろ?」
高田「噂じゃ、独身らしいけど」
中野「へぇ、そうなんだ・・・」

〇結婚式場の廊下
松川(次の披露宴は、野村家と白木家)
松川(新婦、莉子・・・)
松川(白木・・・莉子・・・?)
松川「バカな・・・」

〇結婚式場のレストラン
松川「・・・」
佐藤「松川さん、体調でも悪いんですか?」
松川「・・・いや、大丈夫」
松川「さ、さぁ! 始まりますよ!」

〇結婚式場の入口
「おまたせいたしました」
「それでは」
「新郎新婦の入場です!」

〇結婚式場の入口

〇結婚式場の入口

〇結婚式場のレストラン
莉子の友人「莉子、おめでとう!」
莉子の友人「ステキよ!」
莉子「ありがとう!」
松川「莉・・・」
松川「莉子・・・」
松川「ということは」
松川「真由美もいるのか──」
松川(・・・いない)
松川(いな・・・)
松川「真由・・・美・・・?」
松川「ウソだろ・・・」

〇黒
  私は、最低な男だ──

〇ベビーベッドの置かれた部屋
松川(青年期)「莉子、よーしよし」

〇黒
  妻と子供のために頑張らなくては
  なんて思っていたのに

〇雀荘
同僚「ロン!」
松川(青年期)「うわっ」
上司「くそっ、もう半荘!」

〇黒
  職場の誘いを断りきれず

〇雨の歓楽街
上司「もう一軒!」
「おともします!」

〇黒
  気づいたら──

〇何もない部屋
松川(青年期)「真由美・・・莉子・・・」

〇黒
  大切なものを失っていた

〇結婚式場のレストラン
松川「・・・」
佐藤「松川さん、そろそろ 新郎新婦の椅子引かないと・・・」
松川「あ! ああ・・・」
松川「し、しまっ・・・」
松川「失礼しました!」
莉子「お父・・・さん?」
翔太「え?」
「え?」
松川「いえ、人違いです──」

〇黒
  今さら、父親ヅラなんてできるか──

〇結婚式場のレストラン
松川「・・・片付けるか」
松川「知らない番号──」
莉子「・・・お母さんから聞いてたの」
莉子「お父さんの連絡先」
松川「・・・莉子」
松川「15年ぶりになるか・・・」
松川「真由美は・・・お母さんは・・・」
莉子「・・・2年前」

〇病室のベッド
真由美「莉子、お母さんに 気を遣う必要なんてないからね」
真由美「お父さんに会いたければ、いつでも・・・」
莉子「・・・うん」
真由美「あの人ね、莉子が成人するまで 毎月欠かさずお金を振り込んでくれてたの」
真由美「退院したら・・・ 久しぶりに連絡してみようかな」

〇黒

〇結婚式場のレストラン
莉子「・・・でも、それは叶わなかった」
莉子「私ね」
莉子「お父さんのこと、まだ許したわけじゃない」
莉子「だから、お母さんが死んだことも 結婚のことも連絡してなくて・・・」
松川「・・・当然だ」
莉子「でもね」
莉子「今日、結婚式で偶然こうして再会したのは」
莉子「お母さんが導いてくれたのかなって──」
莉子「だから、電話かけたの」
松川「莉子・・・」
高田「おい! なにやってんだよ!」
中野「ごめん・・・」
佐藤「すいません!」
松川「き、君達・・・」
佐藤「盗み聞きするつもりはなかったんです」
高田「えーと・・・では、松川さん」
中野「そろそろ時間ですよ」
佐藤「莉子さんは私と一緒に来てください」
松川「いったい・・・どういうことですか?」

〇黒

〇教会の中
松川「これは・・・」
高田「照明を極力灯さないならってことで 許可はちゃんととってますから」
中野「さて、そろそろかな」
佐藤「おまたせしました!」
松川「・・・キレイだ」
松川「キレイだ、莉子──」

〇黒

〇教会の中
松川「・・・なぁ」
莉子「なに?」
松川「お母さんにも・・・見せたかったな」
莉子「・・・見てるよ、きっと」
松川「・・・そうだな」

〇宇宙空間

コメント

  • makihideさんこんばんは!
    りこさんにとっても松川さんにとっても特別な結婚式になったみたいで良かったです😭感動でした!

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