夜空の星を(脚本)
〇黒
私の記憶
〇空
日の光──
覚えてる
〇通学路
街並み──
うっすらと覚えてる
⋯⋯気がする
〇綺麗なキッチン
母の顔──
覚えてるよ! もちろん
──たぶん
きっと⋯⋯
〇土手
夜の月──
ぼんやりとだけど
覚えてる
〇黒
でも
夜の星は──
思い出せない
〇黒
〇黒
〇開けた交差点
夜空「いつになっても怖いな」
夜空「初めての道は⋯」
〇黒
白杖や点字ブロックがあっても、人通りの多い道は緊張する
でも、早く慣れなきゃ
これからここで暮らしていくんだから──
夜空「⋯?」
夜空「何、この臭い⋯?」
夜空「ケホッ」
夜空「え?」
〇開けた交差点
夜空「キャッ」
夜空「痛っ」
〇黒
何か起きてる?
早くここを離れなきゃ──
通行人「邪魔だ!」
夜空「す、すみませ──」
通行人「どけ」
夜空「あっ」
夜空「は、白杖が⋯!」
どうしよう
またお母さんに迷惑かけちゃう──
「あの、大丈夫ですか!?」
〇開けた交差点
「目、見えないの?」
夜空「は、はい」
星児「そっちは危ない、こっち!」
〇公園のベンチ
星児「もう大丈夫」
夜空「あ、あの⋯」
星児「火事だよ」
星児「住宅から火が出てて」
星児「君、そっちに行くから焦ったよ」
夜空「あ、ありがとうございます」
夜空「越してきたばかりで」
夜空「この辺まだ慣れてなくて、助かりました」
星児「そっか」
星児「俺、めちゃくちゃに走って来ちゃったけど⋯」
星児「帰り道わかる?」
夜空「あ⋯」
星児「住所教えて」
星児「送るよ」
〇住宅地の坂道
夜空「本当にありがとうございました」
星児「あのさ」
星児「良かったら、また一緒に歩かない?」
星児「この町、案内するよ」
夜空「⋯はいっ!」
〇黒
〇住宅地の坂道
〇駅前ロータリー(駅名無し)
〇原宿の通り(看板無し)
〇コンビニ
〇丘の上
星児「ここが一番見晴らしがいい場所」
星児「ここからは、この町全部が見渡せ⋯」
星児「見渡せ⋯」
夜空「もしかして⋯」
夜空「私が景色見えないの気にしてる?」
星児「いや、そんな⋯」
星児「⋯ごめん」
夜空「優しいんだね」
夜空「物心つく前に事故で見えなくなっちゃったけど」
夜空「少しだけ景色覚えてるんだ」
夜空「だから、教えてくれれば何となく伝わるよ」
星児「そっか⋯」
夜空「でも思い出せない物もあって」
夜空「例えば、星」
夜空「どんなだったか思い出せないんだ」
星児「⋯」
夜空「月は覚えてるのに、不思議だよね」
夜空「結構都会に住んでたから」
夜空「そもそもちゃんと見た事なかったのかも」
夜空「もっと見ておけばよかったな⋯」
星児「⋯」
夜空「あ、ごめん!別に気にしてる訳じゃないの」
夜空「だから」
夜空「色々教えてね」
〇銀杏並木道
〇屋根の上
〇住宅地の坂道
〇ゆるやかな坂道
夜空「夜に出かけるのって久しぶり」
夜空「どこに行くの?」
星児「ちょっとあの公園に」
〇丘の上
星児「なぁ夜空」
星児「前に星を思い出せないって言ってたよな」
夜空「⋯うん」
星児「俺さ」
星児「今から星、取ってくるよ」
夜空「え?」
夜空「星児?」
〇黒
星児「手、出して」
星児「ほら」
夜空「⋯⋯!?」
〇黒
〇丘の上
夜空「小さくて、丸くて、少し暖かい⋯」
夜空「これが星⋯?」
星児「今、空にはこれが数え切れないほど散らばってるんだ」
星児「俺はさ」
星児「お前のためなら空だって飛べるし」
星児「星だって取って来れるんだ」
夜空「星児⋯」
星児「だから」
星児「これからも俺と色んな物に触れていこう」
夜空「⋯うん」
夜空「うん!」
〇宇宙空間
ずっとずっと私の隣にいてね
〇桜並木
〇空
〇丘の上
夜空「ねぇ星児」
夜空「あの時くれた星って⋯」
星児「ただのビー玉」
星児「ポケットの中で握って温めてたんだ」
夜空「すぐ気付いたよ」
星児「なんだ」
〇星
でもあの日からずっと
私の心の星空は
丸くて小さくて暖かいものでいっぱいになったよ
〇宇宙空間
ありがとう、わたしの一等星
星児くん✨🥰
真っ直ぐで優しくて好青年ですね✨☺️
素敵です✨👏
ストレートに歌詞が映像化された感じがありました✨😆
ビー玉っていうのもまた良いですね✨大事な思い出andお守りになりそうです✨
『夜空の星を取って君にあげる』、ここのフレーズがとても印象に残っていたので、ストレートにその歌詞を生かした描写が光っていました…!星児くんという存在が、かけがえのない星となって輝いている。温かい気持ちになるお話でした…!
星児くん心身ともにイケメンすぎる🤤
初々しくて不思議とキザな感じがないのがいいですね😚
ほっこり素敵なお話でした✨