待ち合わせ(脚本)
〇宇宙空間
〇ハチ公前
「・・・遅い」
小夜(サヨ)「アイツ、いつまで待たせる気?」
星河(セイガ)「俺の天使、見っけ!」
小夜(サヨ)「どちら様?」
星河(セイガ)「・・・おねーさん、ヒマなら俺と遊ばない?」
小夜(サヨ)「待ち合わせなんで」
星河(セイガ)「でも、来ないんでしょ?」
星河(セイガ)「なら、いーじゃん」
星河(セイガ)「短い人生、楽しまないと損だよ」
〇水族館前
〇水族館・トンネル型水槽(魚なし)
小夜(サヨ)「何でついて来ちゃったんだろ・・・」
小夜(サヨ)(そういえば、ここ──)
〇水中トンネル
後輩「俺とつき合ってください!」
小夜(サヨ)「悪いけど、ただの後輩としか見てない」
後輩「そんな・・・」
小夜(サヨ)「ぷっ。まあ試しにつき合ってあげてもいいよ」
後輩「やったー!」
後輩「先輩のこと、絶対幸せにします!」
小夜(サヨ)「あくまでお試しだからね!」
〇水族館・トンネル型水槽(魚なし)
小夜(サヨ)(何で来ないの?)
星河(セイガ)「どうしたの?」
小夜(サヨ)「別に・・・」
星河(セイガ)「彼氏のこと、考えてた?」
小夜(サヨ)「アンタに関係ないでしょ」
星河(セイガ)「つれないなー」
星河(セイガ)「よし、次はあそこ行こう!」
〇遊園地の広場
小夜(サヨ)「水族館の次は遊園地って、どんなデートよ・・・」
星河(セイガ)「あ、デートって認めてくれた?」
小夜(サヨ)「認めてないし!」
小夜(サヨ)「あーもう、アレ乗るわよ!」
〇ジェットコースター
〇遊園地の広場
星河(セイガ)「・・・マジで?」
小夜(サヨ)「何? アンタも絶叫系ダメなの?」
星河(セイガ)「──も?」
小夜(サヨ)「あ・・・」
〇ジェットコースター
後輩「ぎゃあああ」
後輩「ひー! もうやめてー! 降ろしてー!」
小夜(サヨ)「ぷっ。アハハッ!」
〇遊園地の広場
小夜(サヨ)「・・・何でもない」
星河(セイガ)「それじゃあ、はい」
星河(セイガ)「キャラメル味、買っておいたよ」
小夜(サヨ)「よくキャラメルが好きだってわかったわね」
〇遊園地の広場
後輩「塩味のポップコーン、買ってきました!」
小夜(サヨ)「私、キャラメルの方が好き」
小夜(サヨ)「ごめんごめん、ありがとう」
後輩「つ、次は必ずキャラメル味を買ってきます、先輩!」
小夜(サヨ)「・・・アンタ、いつまで先輩って呼ぶ気?」
後輩「だって、名前で呼んでいいのは正式な彼氏だけって・・・」
小夜(サヨ)「だから、いいっていってんでしょ!」
後輩「先輩・・・! いや──」
〇遊園地の広場
”小夜さん!”
小夜(サヨ)「私、名前教えたっけ・・・?」
小夜(サヨ)「あ、この曲・・・」
星河(セイガ)「小夜さんの好きな歌だね」
星河(セイガ)「よく聴いてたでしょ」
星河(セイガ)「・・・そろそろ思い出さない?」
星河(セイガ)「小夜さんのこと、絶対幸せにします!」
星河(セイガ)「・・・って、誓ったのにな」
小夜(サヨ)「え・・・?」
小夜(サヨ)「何で、その言葉・・・」
〇水中トンネル
後輩「先輩のこと──」
星河(セイガ)「絶対幸せにします!」
〇遊園地の広場
小夜(サヨ)「アナタ、星河なの・・・?」
小夜(サヨ)「何で私、忘れて・・・?」
〇ジェットコースター
星河(セイガ)「ひー! もうやめてー! 降ろしてー!」
〇遊園地の広場
〇メリーゴーランド
〇遊園地の広場
星河(セイガ)「小夜さん・・・!」
〇観覧車の乗り場
〇観覧車のゴンドラ
〇トラックのシート
星河(セイガ)「小夜さん、俺と結婚してください!」
小夜(サヨ)「それ、人が運転中にいうこと!?」
星河(セイガ)「すみません・・・」
小夜(サヨ)「ほんと相変わらずね・・・」
小夜(サヨ)「まあいいわ」
小夜(サヨ)「結婚してあげる」
星河(セイガ)「小夜さん・・・!」
〇走行する車内
〇トラックのシート
〇遊園地の広場
小夜(サヨ)「思い出した・・・」
小夜(サヨ)「私、事故を起こして・・・それで・・・」
小夜(サヨ)「ごめんなさい、星河」
小夜(サヨ)「アナタまで巻きこんじゃって・・・」
星河(セイガ)「大丈夫」
星河(セイガ)「まだ間に合うから」
小夜(サヨ)「え?」
星河(セイガ)「小夜さんは、俺が絶対に──」
〇黒
〇病室のベッド
小夜(サヨ)「・・・生きてる?」
星河(セイガ)「よかった、小夜さん!」
小夜(サヨ)「星河! 生きてたの? 無事?」
星河(セイガ)「何ともないよ」
小夜(サヨ)「・・・夢で、星河が迎えにきてくれた」
小夜(サヨ)「だから、てっきり・・・」
星河(セイガ)「そんな簡単にくたばんないよ」
星河(セイガ)「だって俺、小夜さんのこと──」
小夜(サヨ)「絶対幸せにするって、約束してくれたもんね」
起きたら星河くんは居ないと思いました。
となると単なる夢か、それとも彼が実は特殊な存在だったか、それとも今見ているのも今際の際の夢なのか。
立ち絵の淡い雰囲気も相まってどちらにもとれてしまうお話でした。
途中のデートシーンがとても甘酸っぱくて良かったです。
「僕は常々思っているのですが…」ミステリの整君風に言うと、
ドラマタイプの人と小説家タイプの人がいて、
ドラマタイプの人は主人公の変化・成長に重きを置き、
小説家タイプの人は、こう見えていたけど本当はどういう話だったか、
という所に重きを置いてる気がするんですね。
私の勝手な偏見なんですけど。
さて久望様の場合は…内緒にしときます。最後どうなるか、色々想像できて楽しかったです😃
最初の事故は何だったのか……。
そんな疑問を持ちつつ読んでいくと、何と、小夜と星河が事故に遭っていたという事実。😰
星河は小夜に思い出して欲しかったから、思い出の場所に連れて行ったんですね。
最後は2人とも生存していて良かった。🥲
お幸せに。