〇田舎の公園
？？？「──くん」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「ヒカルくん！」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「何で‥‥今日もいないの？」
　　キアラへ
　　これをよんでるということは
　　ボクはもうこのよには──
？？？「‥‥‥‥」

〇白
　　お星さまになった僕は
　　空からキアラのことを見守っています
　　大勢の中から、君を見つけられるように
　　この目印を

〇一人部屋
　　懐かしい夢を見た
　　随分昔の
　　10年も前の

〇グラウンドのトラック
　　初めてのカレシは、小３の●●くん
　　かけっこが速くて、クラスの人気者
　　ずっと
　　ぽっかり空いていた穴が
　　満たされる感覚に
　　
　　夢中になった

〇学校の屋上
　　?人目の彼氏の〇〇くん
　　ちょいワルに憧れる中学生
　　『立入禁止』に入った、あの高揚感
　　あのドキドキが、吊り橋だとしても
　　あの時は
　　あの人を忘れられた

〇教室
　　同じ高２と思えないほど、
　　大人びてた▲▲くん
　　『優しく』『背が高く』『イケメン』
　　今まで避けていたタイプでも
　　付き合えるようになったのは
　　私も
　　あの人と同じ歳になったからかな

〇店の入口
「で？」

〇テーブル席
友人・結月（ゆづき）「また別れたの？」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「儚い恋でした」
友人・結月（ゆづき）「２週間を綺麗に言うな」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「というわけで──」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「男の子 紹介して」
友人・結月（ゆづき）「もうやめなよ」
友人・結月（ゆづき）「初恋の人が忘れられないから」
友人・結月（ゆづき）「忘れたいから、誰かと付き合うって」
友人・結月（ゆづき）「相手にも失礼だと思う」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「‥‥時間で解決できなかったから」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「私さ」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「多分今でも──」

〇電車の中
白砂 星綺（しらさご キアラ）（あ、間違えた）
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　　現代の医療はSFの域に進化！
　　嘘つき
　　この世界は

〇田舎の公園
　　忘れたい事を忘れられない
　　不治の病は治せない
　　死んだ人は蘇らない

〇電車の中
　　私さ
　　多分今でも
　　もしヒカルくんが生きてたら
　　
　　結婚したいくらい好き

〇ゆるやかな坂道

〇田舎の公園
白砂 星綺（しらさご キアラ）「もう」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「来ないと思ってたのになぁ」
　　『天野 星』
　　紹介してほしい、って相手から言ってたよ
白砂 星綺（しらさご キアラ）（ホシくん？セイくん？）
白砂 星綺（しらさご キアラ）（キラキラネームで、話題を広げよう）
　　大丈夫
　　現実を見ていれば
　　この無い物ねだりの感情も
　　いつか消えてくれる──

〇田舎の公園
白砂 星綺（しらさご キアラ）「ねぇ」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「キアラ、すっごくヒマなの」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「キアラと遊んでよ！」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「お母さん？」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「今、おばあちゃんとタバコすってる」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「かまってくれない！つまんない！」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「お兄さんのお名前は？」
「ボクは──」

〇田舎の公園
白砂 星綺（しらさご キアラ）「ヒカルくん‥‥？」
天野 星（あまの ヒカル）「よかった」
天野 星（あまの ヒカル）「僕のこと覚えてて」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「何で？手紙には病気で死んだって‥‥」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「何で、10年前と全く変わってないの!?」
天野 星（あまの ヒカル）「病気に罹ってたのは本当だよ」
天野 星（あまの ヒカル）「10年前は、治療法がなくてさ」

〇近未来の手術室
　　知ってる？
　　人工冬眠（コールドスリープ）
　　治療法が見つかるまで
　　体を冷凍保存して、病気の進行を止めるの

〇田舎の公園
天野 星（あまの ヒカル）「いつ再会できるか、わからないなら いっそ死んだ事に‥‥」
天野 星（あまの ヒカル）「いや」
天野 星（あまの ヒカル）「多分僕は──」
天野 星（あまの ヒカル）「キアラの記憶に残りたかった」

〇田舎の公園
　　幼いキアラの『傷』になってでも
　　確実に

〇田舎の公園
天野 星（あまの ヒカル）「‥‥僕のこと嫌いになった？」
天野 星（あまの ヒカル）「遠い記憶の綺麗な”ヒカルくん” じゃなくてゴメン」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「これで、おあいこね」

〇店の入口
「で？」

〇テーブル席
友人・結月（ゆづき）「何で、付き合ってないの!?」
白砂 星綺（しらさご キアラ）「だって──」

〇見晴らしのいい公園

〇宇宙空間
　　これからは
　　ずっとそばにいるから──