お父さんは心配症(脚本)
〇洋館の玄関ホール
それはまだ15世紀、ムーア人の
左利き王ムハンマド9世が
アルハンブラ宮殿のあるグレナダを治めていた時代の話
昔のヨーロッパでは左はシニスター(邪悪)の側と固く信じられており
左利きだった彼は矯正させられたりと窮屈な思いをした為
意固地な性格の王になってしまいました
更に占い師の一言──
占い師「姫様達の動向にお気を付け下さい!️」
占い師「何やら危険な匂いがするのです──」
「言わんでも分かっておるわ!️」
〇要塞の廊下
〇華やかな裏庭
さて、ここアルハンブラは
世にも美しい3本の薔薇が今を盛りと競い合うように咲き誇っておりました
長女サイーダ「あーあ、」
長女サイーダ「アタシくさくさしてるのよねー」
次女ゾライダ「え、何が?」
王の3姉妹、つまりお姫様達です
三女ゾルバイダ「わかるー、お父様の事でしょ」
次女ゾライダ「ヤツはしつこいからな」
次女ゾライダ「あちこちに見張り立ててくれちゃって」
影「ダメですよー」
次女ゾライダ「うっかり宮殿の外に散歩も出来やしない、 年頃の娘にはあんまりな仕打ちよね!️」
長女サイーダ「まあまあ、それよりさ、聞いてくれる?」
〇華やかな裏庭
長女サイーダ「私気になる人がいるんだ・・・」
次女ゾライダ(いきなりのガールズトーク!!️)
三女ゾルバイダ(閉じ込められてるのに!?️)
ゾルバイダ、そう言う問題じゃない
長女サイーダ「スペインからお父様が捕虜として連れて来た3人の騎士のうち1人ね」
長女サイーダ「あれ、アタシが頂いちゃって良いかしら!?️」
「ゾライダ、お前は2番目に若い子を──」
次女ゾライダ「お、おう・・・」
長女サイーダ「そしてゾルバイダ」
三女ゾルバイダ「ハイ・・・」
「お前は1番若い騎士を──」
〇華やかな広場
騎士1「あー、退屈」
騎士1「毎日毎日見張りばっかり」
騎士1「ここ想像したのより割と待遇良いけど、 やっぱ騎士は戦ってなくちゃなー」
騎士1「オラ、ゴルドバさ帰りてーだよ」
騎士3「ぷっ」
騎士2「文句言わないの」
騎士2「命取られ無かっただけマシじゃん」
騎士2「アレ?」
騎士1「誰か来る」
「じゃーん」
イスラムではこれやると求婚の意味なんですよね
〇華やかな広場
騎士1「へーっ、そうなんだ」
すっかり打ちとけあった3人の姫と3人の騎士ですが・・・
〇華やかな広場
長女サイーダ「騎士様にお願いがあります!!️」
長女サイーダ「私達をゴルドバまで連れて逃げて欲しいんです!️!️!️」
騎士1「・・・」
騎士1「あの、いくら何でも唐突過ぎ」
騎士3「いや、待て、」
騎士3「我々は所詮捕虜の身なのだ、これから先の情勢次第で王の気分次第でどうなるか分からん、」
騎士3「いつ首を刎ねられるやも知れん」
騎士2「そうだな」
騎士達は決意した
〇武骨な扉
夜陰に紛れて3人の姫と馬でゴルドバまで逃げる事を
三女ゾルバイダ「あの・・・」
騎士1「何だゾルバイダ」
〇武骨な扉
三女ゾルバイダ「アタシ行かない」
騎士1「な、何言ってんだバカヤロ」
騎士3「もう時間が無い」
騎士2「こうなれば我々と2人の姫だけでも」
〇黒
ゾルバイダ──
〇闇の要塞
捕虜が逃げたゾ
姫も一緒だ
追え──ッ
〇宇宙空間
姫はその後、父親である左利き王にインファントの塔に幽閉されて若い命を散らしてしまったそうです(享年は不明)
スペインアルハンブラ宮殿に今も伝わる悲劇です
三女は、なぜ一人だけ逃げなかったんでしょうね……😱
お姉さんたちは無事に逃げられたようで、安心しました!
いつもお世話になっております。
珍しい場所が舞台ですね、他にないですね!
アルハンブラ宮殿とは博識でいらっしゃる!
3人の姫の運命が気になるところで終わってしまいました😮
親が心配性だと、子は苦しみますねw
壮大な感じの物語が良かったです!
ゾルバイダは父を心配させたくない為に、城に留まるのを選んでしまったのでしょうか……。🤔
グラナダにあるという王女の塔。
いつか訪れてみたいものです。世界ふ◯ぎ発見!