真冬の花火

在ミグ

夜空の星(脚本)

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〇綺麗な病室
火玖翔(ほくと)「余命三ヶ月!?」
凛花(りんか)「18年か⋯⋯」
凛花(りんか)「短い人生だった」
火玖翔(ほくと)「諦めんなっ!」
火玖翔(ほくと)「手術すれば治るだろ!」
凛花(りんか)「どうせ助からない」
火玖翔(ほくと)「やってみなくちゃわからない!」
火玖翔(ほくと)「すぐに諦めるのは悪いクセだぞ!」
凛花(りんか)「すぐ怒鳴るのはアンタの悪いクセね」
凛花(りんか)「病院なんだから、静かにして」
火玖翔(ほくと)「ぐ⋯⋯」
凛花(りんか)「治ってもさ、私生きてる意味ないし」
火玖翔(ほくと)「あるだろ!」
火玖翔(ほくと)「俺にはあるっ!」
凛花(りんか)「どんな?」
火玖翔(ほくと)「どんなって、そりゃ⋯⋯」
火玖翔(ほくと)「ごにょごにょ⋯⋯」
凛花(りんか)「⋯⋯バカ」

〇お祭り会場
火玖翔(子供)「りんかちゃん」
火玖翔(子供)「ぼくと⋯⋯」
火玖翔(子供)「けっこんしてくだたい!」

〇花火
凛花「⋯⋯くだたい?」

〇綺麗な病室
凛花(りんか)「結婚してくだたい」
火玖翔(ほくと)「何年擦る気だよ、そのネタ」
凛花(りんか)「一生」
凛花(りんか)「あ、あと三ヶ月か」
火玖翔(ほくと)「怒るぞ」
凛花(りんか)「懐かしいね、お祭り」
凛花(りんか)「花火、綺麗だったな」
凛花(りんか)「も一回見たい」
火玖翔(ほくと)「何言ってんだ? もうすぐ冬⋯⋯」
火玖翔(ほくと)「もし⋯⋯」
火玖翔(ほくと)「もしもう一度花火が見れたら、手術を受けてくれるか?」
凛花(りんか)「何言ってんの? そんなの⋯⋯」
火玖翔(ほくと)「受けてくれるか?」
凛花(りんか)「えぇ?」
凛花(りんか)「そりゃ見れたら嬉しいけど」
火玖翔(ほくと)「よし! 約束だからな!」
火玖翔(ほくと)「俺がお前に花火を見せてやる!」
凛花(りんか)「もう、強引なんだから⋯⋯」

〇花火職人の作業場
火玖翔(ほくと)「え? ダメ?」
弟子「当たり前だ。今何月だと思ってんだ?」
火玖翔(ほくと)「お願いしますっ!」
弟子「帰れ。ガキの遊びじゃねぇ」
火玖翔(ほくと)「お願いしますっ!」
弟子「しつこいな」
職人「兄ちゃん、訳アリかい?」
火玖翔(ほくと)「はい! 実は⋯⋯」

〇花火職人の作業場
職人「なるほどねぇ」
弟子「可哀想だが、こっちも慈善事業じゃねぇ」
弟子「悪いが⋯⋯」
職人「わかった」
弟子「おやっさん!?」
職人「その代わり条件付きだ」
職人「花火ってのはカネがかかる」
職人「費用は自分で工面しろ」
職人「で、花火もお前さんが作るんだ」
職人「作り方と作業場はサービスしてやるよ」
火玖翔(ほくと)「ありがとうございます!」

〇コンビニのレジ

〇工場の中

〇遊園地の広場

〇漁船の上

〇花火職人の作業場

〇綺麗な病室

〇川のある裏庭

〇学校の校舎

〇大きな木のある校舎

〇桜並木

〇綺麗な病室

〇銀杏並木道

〇イルミネーションのある通り

〇花火職人の作業場
弟子「お前、大丈夫かよ」
弟子「ほとんど寝てないんじゃ⋯⋯」
火玖翔(ほくと)「時間がないんです」
職人「さあ、仕上げだ」
職人「願いを込めろ」
火玖翔(ほくと)「願い?」
職人「花火の火薬は『星』と呼ぶ」
職人「流れ星ってあるだろ?」
職人「人工の星だが、叶えてくれるかもしれん」
火玖翔(ほくと)「は、はい!」
職人「完成だ」
職人「打ち上げは任せとけ」
火玖翔(ほくと)「はい! ありがとうございましたっ!」
弟子「良かったんですか?」
弟子「アレ、高校生に払える金額じゃ⋯⋯」
職人「寒くて手が震えるから」
職人「間違えちまったんだよ」

〇綺麗な病室
火玖翔「凛花!」
凛花(りんか)「もう! 病院なんだから静かにしてって!」
火玖翔(ほくと)「ごめん! でも見てくれ」
凛花(りんか)「何を?」
火玖翔(ほくと)「花火だよ」
凛花(りんか)「え? ホントに?」
火玖翔(ほくと)「ほら、窓の外」

〇花火
凛花「嘘⋯⋯ だって花火なんてそんな簡単に⋯⋯」
火玖翔「手術、受けてくれるか?」
凛花「⋯⋯」

〇綺麗な病室
凛花(りんか)「怖い」
凛花(りんか)「本当は凄く怖いの」
火玖翔(ほくと)「俺がついてる」
火玖翔(ほくと)「きっと大丈夫だから」
火玖翔(ほくと)「花火だっていくらでも⋯⋯」
凛花(りんか)「違う」
凛花(りんか)「違うの。そうじゃない」
  俺はなんてバカなんだ
  何年コイツの幼馴染をやっているんだ
  今言うべき事はそんな言葉じゃない
火玖翔(ほくと)「ごめん」
  ちゃんと言わなきゃ
火玖翔(ほくと)「凛花⋯⋯」
  あの時言えなかった言葉を
火玖翔(ほくと)「俺と結婚してください」
火玖翔(ほくと)「自分の為じゃない」
火玖翔(ほくと)「俺の為に生きてくれ」
凛花(りんか)「⋯⋯はい」
火玖翔(ほくと)「凛花⋯⋯」
火玖翔「これからもずっと一緒だ」
凛花「⋯⋯ばか」

〇黒

〇黒

〇綺麗な病室
????「名前、決めてくれた?」
????「ああ。二人の名前を取って⋯⋯」

コメント

  • 小さな頃からの約束。そして、二人で乗り越える危機。
    最高です!そして、
    …おやっさんに弟子入りしたい。

  • (´;ω;`)良いお話ですねぇー!しくしく涙流れました!でも感動の涙なのでまたあたたかいですね✨
    素敵なお話でした!1000字と思えない内容でした!ありがとうございます✨😭

  • えーー『星』ってそういうことなんですね! 面白かったです😆
    2人の会話が心地良くて、可愛くて、あっという間の読了でした✨おやっさんも優しい🥹
    夜空の星=花火、堪能させていただきました。
    赤ちゃん……手術が成功してハッピーエンドってことでいいんですよね?😍良かったです😁

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