おぬしがワシのツノを折ったんか!?

ゆーしゃエホーマキ

読切(脚本)

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〇ビルの裏
ウツノ(ない・・・どこにもない・・・ なんでじゃ・・・?)
ウツノ(おかしいのぅ・・・ どこに行ってしまったんじゃ? ワシの『角』・・・・・・)
ウツノ「むっ? 何やら気配が・・・・・・」
ウツノ「いや、この気配は・・・ よぉく知っておるな」
ウツノ「おおっ! やはり! 人間様じゃないか!」
  このやたら老人くさい物言いをする幼女の名は『ウツノ』──。
  少し前から俺の家に住み着いている奴で、自称『鬼人族』の頭のおかしい幼女だ。
  こう見えて実年齢は数千歳。
  いわゆる──ロリババアと言うやつだ。
「あー・・・どうしたんだ? こんな人気のない場所で・・・」
「悪い男を引っ掛けて遊んでるのか? そんなことしてるとお父さん泣いちゃうぞ」
ウツノ「やっとらんわそんなこと!」
「散歩をするのはいいけど あんまり遠くには行かないでよ? おばあちゃん」
ウツノ「誰がおばあちゃんじゃ!!」
ウツノ「まったくおぬしは・・・ 人が困ってるという時に!」
「困ってたのか なんだ、言ってみろ」
ウツノ「まるで人助けをしようとする人間のセリフとは思えんな・・・」
「じゃあ帰るわ」
ウツノ「待て待て、ちょっと待てぇぇい!! ワシが悪かったから!!」
ウツノ「その、なくなってしまったんじゃ・・・」
「なくなった? 何が?」
ウツノ「・・・・・・角じゃ」
「え?」
ウツノ「ワシの『鬼の角』が! なくなってしもうたんじゃ!」
ウツノ「今朝起きたら妙に寝返りが打ちやすいなぁとは思ってたんじゃ・・・」
ウツノ「『頭軽いなぁ、でもなんかイマイチ気分が上がらないなぁ』とな?」
ウツノ「そしたら、見よ! ワシの姿を!」
ウツノ「鬼の角は失われ! ワシの美しい桜色の髪は! なんと漆黒に染まりおった!」
「そうだね 黒髪ロリだね」
ウツノ「うん・・・ まぁしかし、お主が来てくれた」
ウツノ「ここはワシに協力し 鬼の角を見つけようではないか!」
ウツノ「見つかったら・・・今夜抱いても良いぞ?」
「うん」
「俺が折ったんだよ」
ウツノ「・・・・・・」
ウツノ「・・・・・・!?」
「俺が、君の、角を、折りもうした」
ウツノ「なにやってくれとんじゃワレェ!!!!」
ウツノ「人の力でよく折れたな!? 角ってそんな簡単に折れるもんなんか!? ワシ、骨粗しょう症なんか!!?」
ウツノ「い、いや、それより──」
ウツノ「寸刻前までの乙女だったワシを返せ! ジュンジュンに濡らしてしもうたわ!」
「すまない・・・ロリは抱けない 俺は紳士だ」
ウツノ「じゃから、ワシはお主より歳上で・・・」
ウツノ「ん・・・?」
ウツノ「その場合、ワシがショタ食いの罪で お縄になるのか!?」
ウツノ「いやその前になんでワシがフラれなきゃ ならんのじゃ! 流されるところだったわ! 角返せ!」
「そうしたいのは山々だが、実は無理なんだ」
ウツノ「え・・・? むり・・・無理・・・? 無理と申したのか・・・いま・・・?」
「あぁ・・・」
「なにせ────」
「角娘なんて作れないからな」
ウツノ「・・・おぬし」
ウツノ「言っていいことと悪いことがあるじゃろ メタいぞ・・・?」
「『角娘とのイチャラブ書くぞ~!』って 意気揚々としてた俺の純情が砕けるより 悪いことがこの世にあるのか・・・?」
ウツノ「それは・・・まぁ・・・ ご愁傷さまじゃ」
ウツノ「しかし、するとワシの角は永遠に戻らないということになるのか?」
「そういうことになるな だって存在しないもん・・・」
ウツノ「ワシ、鬼人じゃなかった?」
「いや・・・ 心さえ鬼なら、立派な鬼人さ・・・」
ウツノ「ふぅむ、しかし困ったのう・・・ いま読んでる読者様はオチを待っておるぞ」
「オチが無いなら作るしかないな・・・」
ウツノ「ほう、何か妙案がありそうじゃの!」
「まかせロリ」
「おばあも聞いたことくらいあるだろう 古来より伝わる、伝統的なオチを・・・」
ウツノ「おばあ言うな」
ウツノ「まぁそれはさておき・・・」
ウツノ「で、でっ!? その伝統的なオチとやらはなんじゃ!?」
「そりゃおめぇ・・・」
「『 爆 発 オ チ 』に決まってんだろ」
ウツノ「・・・・・・は?」
ウツノ「たっ、たわけ! いくらなんでも雑すぎるじゃろ!」
「そうかもしれない・・・ だが、そうするしかない・・・」
「だって、『角』がないのだから──」
ウツノ「救いようのないバカじゃの、おぬし・・・」
「あぁ・・・」
「だからもう爆発するしかねェーーッ!!!!!!!!!!」
  こうして、全ては炎に包まれた。
  爆 発 オ チ な ん て サ イ テ ー !

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