星今宵(脚本)
〇宇宙空間
〇モヤモヤ
歌うことの意味が、わからなくなった
全ての人に届けたいと──
優しく包み込みたいと考えていたのに・・・
〇モヤモヤ
雨が止んでる
一つ賭けをしてみようか
〇林道
七夕である今夜に──
天の川をこの目で・・・
もしも見ることが出来たなら・・・
〇湖畔の自然公園
先客がいる!?
永織 姫夏(ながおり ひめか)「天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)くんよね!?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「びっ・・・くりした」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「ここで何やってるの?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「同じ言葉を返すよ」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「・・・って誰だっけ?」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「・・・永織 姫夏(ながおり ひめか)」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「同じクラスなんだけど?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「・・・ごめん」
〇霧の中
永織 姫夏(ながおり ひめか)「何しにここに来たの?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「理由一緒でしょ?」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「天の川?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「やっぱり一緒だ」
〇湖畔の自然公園
永織 姫夏(ながおり ひめか)「曇ってて全然見えないね」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「僕もそう思ってたんだけど──」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「湖の方を見てみて」
〇湖畔
永織 姫夏(ながおり ひめか)「蛍の光が水面に反射して、キラキラしてる」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「風で水面が揺れて、光が細かくなってるのが星に見えて──」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「天の川みたいだって思ったんだ」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「実際は見たことがないから、僕の想像でしかないんだけど」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「凄く綺麗・・・」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「あぁ・・・綺麗だ」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「永織さんは、なんで天の川を見たかったの?」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「賭けをしていたの」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「七夕の夜に、天の川を見ることが出来たら、歌を続ける──」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「見ることが出来なかったら、歌は辞めるって」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「ふぅん」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「永織さんは変なことに賭けをするんだね」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「変なこと?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「賭けるくらい歌が好きなんだろ?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「天の川ってさ──」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「嵐であろうとも、宇宙には存在してるんだ」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「宇宙?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「宇宙!だから君が歌を諦める理由は、最初からないんだよ」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「天彦くんって・・・」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「ふふふ!」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「何笑ってるんだよ!」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「だって!宇宙って!規模が大きすぎて!」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「ありがとう・・・天彦くん」
〇走る列車
〇豪華な客間
紅帝 杏 (こうてい あん)「入りな」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「先生・・・」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「私!やっぱり歌を続けたいです!」
紅帝 杏 (こうてい あん)「・・・迷いが晴れた目をしているね」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「えっ?」
紅帝 杏 (こうてい あん)「早くレッスンやるよ」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「はい!」
紅帝 杏 (こうてい あん)「本気で教えるから覚悟しな」
〇教室
永織 姫夏(ながおり ひめか)「何やってるの?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「小説書いてる」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「読ませて!」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「うわっ!」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「・・・なにこれ」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「なんだよ・・・どうせ僕の書くやつは──」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「好き」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「はぁ!?」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「宇宙を巡る二人のお話なんだね!!」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「面白くてロマンがあって・・・私、このお話凄く好き!!」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「あぁ、話が好きって事・・・って!!」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「本気で言ってる!?」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「小説家になれるよ!結惺くんなら!」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「・・・ありがと」
〇銀杏並木道
〇おしゃれな通り
〇豪華な客間
〇クリスマス仕様の教室
〇教室
〇桜並木
〇並木道
〇古い図書室
永織 姫夏(ながおり ひめか)「もう!」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「わっ!」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「探したよ!何してるの!?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「貸出禁止の資料を読んでた」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「僕の完成させたい小説に、必要なんだ」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「もしかして宇宙の?」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「そうだよ」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「完成したら、私が一番に読みたいな」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「ねぇ、これ」
天彦 結惺(あまひこ ゆうせい)「チケット?」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「七夕の夜に歌うの」
永織 姫夏(ながおり ひめか)「絶対きて」
〇大型ホール
〇黒背景
〇劇場の舞台
〇宇宙空間
大丈夫・・・私は歌う意味を見つけたから
全ての人じゃなくていいんだよね
”あなた”だけに・・・
結惺くんに伝えたいの
〇コンサート会場
〇湖畔の自然公園
〇湖畔
〇宇宙空間
二人一緒にいると──
天の川を感じることができるの
いつか・・・絶対に伝えたい
愛しています
執筆お疲れ様でした!
きらきらな世界観と七夕の雰囲気がマッチしていて幻想的でした。キャラの優しさ溢れる感じが浄化されました🌟
姫夏と結惺。2人がお互いにプレゼントを渡すシーン。
そして姫夏が「夜空の星を」を歌うシーンが好きです。🥰
来年の七夕が待ち遠しくなってしまいました。🎋✨️
違う夢を追いかけてる2人でも想いは1つ。寒いこの時期にぴったりの心が温かくなる物語でした! 特に、地上に広がる天の川で2人が出会うシーンが幻想的で好きです^^
そして「星今宵」が七夕の別称であることを初めて知りました。情緒溢れる言い回しでいいですね。