雪とピュア恋短編集❤

立坂雪花

第2話☆この光が消えても~雪とイルミネーション物語[完](脚本)

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〇イルミネーションのある通り
  今日は2026年のクリスマス
  あの日から10年。
  変わらず綺麗にイルミネーションは輝いてくれていたから
  風邪をひいて寝込んでいる同棲中の彼に写真を送った。
私(返事はやっ!!)
  『一緒にイルミネーションに入って手を繋ぎたかった』
  『ダメです。仕事休んだでしょ? 治ったら行こうね』
  『クリスマスじゃない時でも、あの仲良くなれる話のやつ、効き目あるかな?』
  『大丈夫だよ! 考えた本人が言うんだから大丈夫! まだ昔のやつも有効だし』
  『はぁ・・・。とりあえず寝るわ』
  『寝て治して! おやすみ』
  『おやすみ。高校生の時を思い出して寝ます』
私(今は彼が、当時私が作った話を信じているな)
  数分後
  『あの時のメイク、いつもより更に可愛くて実はドキってしてたんだよ。
  今思い出した。今度こそ寝ます。おやすみ』
私(あの時はツンだったのに、今はデレ)
私(いや、当時も実は彼の心の中はデレだったのかもしれない)

〇繁華な通り
  街のイルミネーションを眺めた後
  買い物をしていると100円ショップが目に入ったからなんとなく中に入った。

〇雑貨売り場
  クリスマスグッズはすでに、隅に置かれてある。
  お店に並んでるライトを眺めていると、あの日の彼を鮮明に思い出す。
私(そっか、デレになったのって)
私(私があの日、彼に、考えてる事伝えてって言ったからかも)
私(あれから変わったな・・・)
私(このトナカイ、うちのテレビ台に飾ってある、光る雪だるまの隣が似合いそう)
  それを買って店を出た。

〇イルミネーションのある通り
私(彼の風邪が治ったら、点灯している時にモニュメントイルミの中で)
私(両手を繋いで向かい合うんだ!)

〇ゆめかわ

〇繁華な通り
  想像しながらケーキを買って、家に帰った。
  クリスマスの10日後、私の想像を超えることが起こる。

〇冬
  10日後

〇イルミネーションのある通り
私「イルミネーション端から見よ」
私「綺麗だね!」
彼「そうだな」
  モニュメントに着いた
私「中にはいろ!!」
彼「予定よりも言うの10日も遅れちゃったけど・・・」
彼「愛してます」
彼「結婚してください!!」
  彼は片膝を雪につけながら
  指輪がこっちに見えるようにパカッと開いたリングケースを差し出した。
私「はい!よろしくお願いします」
  まるでドラマのような展開
  プロポーズされたのは嬉しかった。
  けれど、周りの視線と彼の膝が
  雪で濡れちゃうのが心配で
  とっさに彼の両手首を掴み
  ぐいっと持ち上げるように引っ張り、彼を立たせた。
私(違う、私の動き、こうじゃない)
私(ドラマではこんな場面の時どうしてたっけ)
私(こうかな?)
  動揺の中にほんの少しだけ冷静さが残っていて
  その部分をフルに使い考えた。
  私は薬指を強調させ、自分の左手を彼に差し出す。
  差し出す時の勢いが自分の想像以上だった。
  けれど選択は間違えていないと思う。
  彼は指輪をケースから取り出し
  そのケースをコートのポケットにぎこちなく入れると
  左手を私の左手にそっと添え
  右手で私の指に指輪をはめた。
  私たちは両手を繋ぎ、向かい合った。
  雪と綺麗な光たちに祝福されながら、ロマンチックに。
  彼の瞳は光が反射して輝きが増していた。
  きっと私の瞳も──。
  “ 愛してる ”
  あの時も、今もずっと彼から聞きたいと思っていた言葉。
  そして待っていたプロポーズ。
  今日は彼の仕事が終わってから
  街で一緒にご飯を食べた。
  それからイルミネーションを見ていたから
  もうイルミネーションが消灯する時間かな?
  ──21時5分。
  消灯する時間過ぎてる?
私(そういえば、今は22時まで輝いてくれているんだっけ)
私(もう少しだけ、このままでいいかな)

〇クリーム
  見つめあっていると
  嬉しさがいっぱい降ってきて
  心の中で積もっていった。
  しばらくその気持ちは
  降りやまなかった。

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