ソング・フォー・リプレイ(脚本)
〇学校の体育館
シンノスケ「監督!」
シンノスケ「何で試合に出られないんすか!?」
バスケ部監督「バスケはチームプレイだ」
バスケ部監督「和を乱す奴は試合に出せん」
シンノスケ「勝ちたくないんすか!?」
シンノスケ「痛ッ!」
バスケ部部長「お前がいねぇと試合に勝てねぇ、か?」
バスケ部部長「一年坊主が調子に乗るなよ!」
シンノスケ「だって俺が一番点取れるじゃないっすか!」
バスケ部部長「お前ッ!!」
バスケ部部長「気に食わねぇなら辞めろ」
バスケ部部長「お前がいても誰のためにもならねぇよ」
〇黒
誰のためにもならねぇ?
ンなわけねーだろ
俺が決めれば試合に勝てる
そうすりゃ誰も──
〇学校の屋上
〇空
シンノスケ(唄?)
シンノスケ(誰かいるのか?)
〇学校の屋上
シンノスケ(泣いてる?)
シンノスケ(しまっ──!)
???「誰だッ!」
シンノスケ「わ、ワリぃ」
シンノスケ「盗み聞きする気はなかったんだけど」
???「もしかして・・・今の、見た?」
シンノスケ「『見た』っつうか『聴いた』っつうか」
シンノスケ「えー」
シンノスケ「すげぇイイ唄だった」
???「秘密だ」
シンノスケ「は?」
???「ここで見聞きしたことは二人だけの秘密」
???「代わりにキミのサボりにも目をつむろう」
シンノスケ「何様だよ」
シンノスケ「いや、誰にも言う気はねぇけど」
???「えっ?」
???「そうか、知らないのか」
シンノスケ「何だよ、ジロジロ見やがって」
???「いや、キミに興味が湧いてね」
???「何様、か」
???「すぐにわかるよ」
シンノスケ「お、おい!」
シンノスケ(何だったんだ)
シンノスケ(にしても)
〇空
シンノスケ(あの声どこかで──)
〇学校の校舎
〇体育館の舞台
司会の声「生徒総会を始めます」
司会の声「まずは生徒会長の挨拶です」
「来るわよ・・・!」
〇体育館の舞台
「キャー!! 会長ぉー!!」
シンノスケ「うぉっ! 何だ事件か!?」
「撃ち抜いてぇー!!」
男子生徒「・・・けっ」
男子生徒「何が【青高の王子】だ」
男子生徒「いけ好かねぇ」
男子生徒「お前もそう思うだろ?」
男子生徒「まったくだ」
男子生徒「キタ!」
生徒会長「皆さん、こんにちは」
男子生徒「生の会長ぉ!」
男子生徒「こ、腰が抜け──」
男子生徒「お、おい!」
男子生徒「クソ! あの野郎!」
シンノスケ(この声・・・まさか!)
生徒会長「生徒会長の──」
トオル「結城透(ゆうきとおる)です」
〇空
シンノスケ「お前、生徒会長だったのかよぉぉッ!!」
〇学校の校舎
〇体育館裏
〇学校の体育館
トオル「ナイッシュー」
シンノスケ「また来たのかよ」
トオル「サボり魔がいるって聞いてね」
トオル「う〜、さむ」
トオル「早く戻ろ?」
シンノスケ「あと一本」
トオル「そう」
トオル「なら見学させてもらおうか」
シンノスケ(ったく)
シンノスケ(気持ち良さそうに唄いやがって)
シンノスケ(けど、なんか落ち着く)
シンノスケ(・・・何で)
〇学校の屋上
何であの時──
〇空
〇教室
男子生徒「何が【青高の王子】だ!」
男子生徒「今度はもっと入れてやろうぜ!」
シンノスケ「よっ、帰ろう──」
シンノスケ「って、アレお前の飲みモンじゃねぇか!」
シンノスケ「テメェら!」
トオル「待て、揉め事は避けたい」
シンノスケ「だけど!」
トオル「好きにさせればいい」
トオル「ボクは平気だから」
〇学校の屋上
平気?
ンなわけねーだろ
だってお前、泣いてたじゃねぇか
〇教室
シンノスケ「そういうの気に食わねェんだよッ!!」
〇通学路
シンノスケ「ワリぃ、やっちまった」
シンノスケ「でも俺、泣いてる奴を見るのは嫌なんだ!」
シンノスケ「悔しくて泣いてる姿なんて、もう・・・!」
シンノスケ「お、おかしいかよ!?」
トオル「大丈夫」
トオル「ちゃんと伝わってる」
トオル「バスケ部の仲間にもきっと伝わるよ」
トオル「キミは少し、口下手なだけだから」
トオル「あっ!」
〇空
トオル「綺麗だ・・・」
シンノスケ「ああ・・・すごく綺麗だ」
シンノスケ「ずっとこのまま──」
トオル「ん?」
シンノスケ「あ、いや、何つうか」
シンノスケ「俺、もう一度頑張ってみっから」
シンノスケ「先輩にもちゃんと伝えてみっから!」
シンノスケ「だから・・・」
シンノスケ「応援・・・してくれ」
〇空
〇学校の校舎
〇学校の体育館
不器用だけどまっすぐな主人公が魅力的な、爽やかなストーリーでした^^
ドリブル、ジャンプシュート、ゴールに入るなどエフェクトをうまく駆使したバスケシーンは臨場感たっぷりで、アニメを見てるようでした!