エピソード1(脚本)
〇砂漠の基地
魔王と同じ瞳の色のせいで
魔王の生まれ変わりと
決めつけられ
捨てられた
僕を拾ってくれたのは
ミケだった
〇砂漠の基地
ミケは優しかった
〇砂漠の基地
5年後
シロ「僕はもう大人だよ」
シロ「ミケ」
ミケ「・・・」
返事はない
立っているだけだ
〇王宮の入口
この国には
願いを叶える星という宝がある
年に一度
願いを叶えるそれを
勇者の一族が
代々守ってきた
5年前何者かに
粉々に壊されてしまうまでは
疑われたのは僕だった
勇者の一族の長「貴様がやったのだろう!!」
シロ 子ども時代「違います」
勇者の一族の長「来い」
シロ 子ども時代「う」
ミケ「待ってください」
ミケ「やったのは俺です」
〇王妃謁見の間
ミケは罰として
数年の間
銅像のように動けなくなる魔法をかけられた
〇砂漠の基地
シロ「ねぇミケ」
シロ「嘘なんでしょ」
シロ「教えてよ」
勇者の一族の長「ここに居たか」
勇者の一族の長「魔王の生まれ変わりめ」
ルート「コイツのせいですよ父上」
シロ「何?」
ルート「とぼけるな」
勇者の一族の長「あの日以来」
勇者の一族の長「星の力が戻らない」
勇者の一族の長「完璧に修復したのにだ」
シロ「え」
勇者の一族の長「5年もの間」
勇者の一族の長「誰の願いも叶えられていない」
勇者の一族の長「何故」
ルート「きっとあの男が」
ルート「コイツを庇ったからですよ」
ルート「それじゃダメなんだ」
ルート「コイツが罰を受けないと」
勇者の一族の長「おそらくな」
勇者の一族の長「来い!!」
シロ「そんな」
シロ「やめて」
シロ「僕は何も・・・」
兵士「いいから来い」
シロ「やだ」
ルート「・・・」
〇水の中
〇時計
ミケ「や」
ミケ「めろ」
〇魔法陣2
ミケ「シ・・・ロを」
ミケ「はなせ!!」
〇砂漠の基地
ミケ「シロ!!」
シロ「ミケ!!」
シロ「どうして」
ルート「やばい・・・」
ミケ「シロを離せ!!」
ミケ「大丈夫か」
シロ「うん」
勇者の一族の長「何をする」
勇者の一族の長「そいつに罪を償わせないと・・・」
ミケ「罪?」
ミケ「あんな幼い子どもだったこいつが」
ミケ「本当に犯人だと」
ミケ「本気で信じてるのか!?」
勇者の一族の長「!?」
ミケ「なぜ瞳の色だけで罪を着せられなきゃならない!!」
ミケ「5年前」
〇王宮の入口
「俺は偶然犯人をみた」
〇砂漠の基地
ミケ「アンタの息子だよ」
ミケ「だが誰も信じなかった」
ミケ「いや」
ミケ「認めようとしなかった」
ミケ「そしてシロに罪を着せようとした」
ミケ「俺が庇うしか」
ミケ「シロを守る方法がなかった」
ルート「いいがかりだ」
勇者の一族の長「そうだ何を言う」
ミケ「アンタ達だって気付いてるはずだ」
ミケ「星の力が戻るには」
ミケ「本人が認めないといけない」
ミケ「そうじゃないと」
ミケ「永遠に力は戻らない」
勇者の一族の長「く・・・」
勇者の一族の長「ルート」
ルート「ち」
ルート「違うんですよ父上」
ルート「ほんの少し触ってみただけで」
ルート「そしたら粉々に・・・」
ルート「あ・・・」
勇者の一族の長「来なさい・・・ルート」
ルート「そんな・・・父上」
ルート「父上!!」
シロ「ミケ!!」
シロ「ごめん」
シロ「ごめんね」
ミケ「お前が謝る事じゃねぇ」
ミケ「さぁ」
ミケ「帰るぞ」
シロ「うん!」
〇美しい草原
シロ「ミケ体大丈夫?」
ミケ「ああ」
シロ「ねぇ僕大きくなったんだよ」
ミケ「そうだな」
シロ「これからは僕がミケのこと護るよ」
ミケ「はは」
ミケ「そりゃ頼もしいな」
シロ「・・・」
シロ「ミケ」
ミケ「ん?」
シロ「な、なんか」
シロ「体が透けてるよ」
〇美しい草原
ミケ「え?」
〇美しい草原
ミケ「本当だ」
ミケ「ああ」
ミケ「多分」
ミケ「無理矢理魔法を解いたせいだ」
ミケ「それで──」
〇美しい草原
シロ「え」
シロ「ミケ」
シロ「ミケェ!!」
シロ「そんな」
シロ「やっと話せたのに」
〇宇宙空間
〇美しい草原
シロ「星」
シロ「お願い」
シロ「ミケを助けて」
シロ「僕の寿命をあげてもいいから」
シロ「なんでもするから」
シロ「お願い・・・」
シロ「もう一度」
〇宇宙空間
〇美しい草原
シロ「ミケ!」
ミケ「驚いた」
ミケ「泣くなよ」
〇美しい草原
ミケ「おそらく」
ミケ「星が粉々になったのは」
ミケ「あの一族が星を独占していたからだ」
ミケ「これからはきっと」
ミケ「皆んな平等に願いが叶えられるはず」
ミケ「シロの願いは?」
シロ「もう叶ったよ」
シロ「一生分の願いが」
ミケ「ならこれから」
ミケ「ずっと一緒だな」
宝石が砕けて流れ星になるシーンが素敵でした。💫
シロとミケに幸あれ。
勇者一族に憂いあれ。