読切(脚本)
〇屋上の端
君に星をあげるんだ
それが私の生まれた意味だったんだ
ノラ「見ててね、一輝」
〇通学路
1ヶ月前
???「・・・」
一輝「風邪ひくよ」
???「ひかない」
一輝「そっかぁ」
一輝「大丈夫? ひとりで帰れる?」
???「家はない」
一輝「訳アリって感じかな?」
一輝「とりあえず──」
〇一人部屋
???「一輝・・・」
一輝「そう。君の名前は?」
???「ない」
一輝「そっかぁ」
一輝「じゃあ・・・野良少女のノラで!」
一輝「採用? 嬉しいなぁ」
一輝「さてどうするか 警察か児童相談所か・・・」
一輝「どっちもダメって感じか」
一輝「何か話せることはある?」
ノラ「ない。そう・・・」
ノラ「私の居場所はどこにもない」
一輝「もうここに居る」
一輝「今日からここがノラの居場所だ」
給湯器「お風呂が沸きました」
一輝「さ、温まっておいで」
ノラ「・・・うん!」
〇一人部屋
〇一人部屋
〇一人部屋
〇一人部屋
結「ただいまー」
一輝「おかえり。出張どうだった?」
結「まずまずかな」
結「さーて、野良猫ちゃんにお土産だよ〜」
結「誰!?」
「ノラ!」
結「・・・なるほど、そういうことね」
結「しかも私の部屋着」
一輝「ダメだった?」
ノラ「ごめんなさい」
結「ううん! あなたは気にしなくていいよ」
一輝「じゃあ明日は3人で ノラの服を買いに行くか」
〇黒背景
結はとても親切だった
一輝はいつもより嬉しそうだった
そして私は・・・
そこまで鈍感ではなかった
〇一人部屋
ノラ「・・・さようなら」
〇通学路
ノラ「ひとりのやり方、思い出さなきゃな」
〇田舎の公園
〇川に架かる橋の下
〇渋谷のスクランブル交差点
〇ビルの裏
〇総合病院
〇病室
一輝「だからー」
一輝「成功率低くてもさ、 手術しないと、どのみち死ぬわけだし」
結「そうだけど・・・ 明日なんて急すぎて心の準備が」
「・・・」
一輝「あ、流星群! 今夜だったよね?」
一輝「願い事し放題じゃん! だから絶対大丈夫だって!」
結「これから大荒れになるって」
一輝「ほ、ほら! 見えなくても雲の上では流れてるからさ!」
一輝「会社からでしょ? 出なよ」
結「・・・ありがとう。すぐ戻るからね」
一輝「・・・」
一輝「ん?」
一輝「『星 見えるよ』・・・?」
〇屋上の端
ノラ(一輝は結と求め合っている)
ノラ(でも・・・ ううん、だから・・・)
ノラ「私は一輝に星をあげたい」
ノラ「ずっと空っぽだった」
ノラ「私は何なのか 何のために生まれたのか」
ノラ「でもね、一輝が光をくれたから──」
ノラ「私は永遠に幸福だよ」
〇病室
一輝「な、なんだ!?」
〇空
一輝「流星群? いや・・・」
一輝「・・・綺麗だ」
一輝「ノラの色で・・・とても、綺麗だよ」
〇ソーダ
ノラ……。君は一体何者だったんだ……。
宝石の化身だったのかな。💎
何はともあれ一輝よ、手術が成功したら結を幸せにしてあげるんだぞ。😑
ノラの正体が気になりますね!最初は叙述トリック的な感じで本当は猫!?とか思っていたら、凄く未知な存在だったのですね✨☺️
どうして1人でいたのか、記憶をなくしていたのでしょうか…とても気になるところですが、温かい心を持っていて、優しい存在であることには変わりはないですね✨
余韻が残るお話でした✨👏
ノラの正体は何だったのでしょう……? 不思議な存在だったんですね。
しかし一輝、天然罪作り男すぎる😂 結さんを大事にしておくれ~