episode15「守りたいもの」(脚本)
〇謎の施設の中枢
ネメシススター中枢部にて
カイト・シュナイダー「まずい!! よけられない・・・」
カイト・シュナイダー「えっ!? これって・・・」
O/D「危ないぞ、カイト!!」
カイト・シュナイダー「O/D!!」
O/D「私のアシストがなければ死んでいたぞ」
カイト・シュナイダー「なんか、ごめん・・・」
O/D「それより、どうする??」
O/D「このままでは、やつに倒されるのも時間の問題だぞ」
カイト・シュナイダー「僕に、1つ考えがあるよ・・・」
O/D「どんな作戦なのだ??」
カイト・シュナイダー「それは──」
〇ニューヨーク・タイムズスクエア
〇塔のある都市外観
〇超高層ビル
〇個人の仕事部屋
クロード・ラフランシーズ「被害状況はどうなのじゃ??」
電子通信の声「はい、現在アメリカの方で負傷者が70%上昇してます」
電子通信の声「他の国ですと、ヨーロッパが負傷率20%、アジアが50%と報告が上がっています」
電子通信の声「救助活動は進んでいるのですが・・・」
電子通信の声「ロシア、中国、アメリカの3カ国だけ暴動がなかなか収まりません・・・」
クロード・ラフランシーズ「・・・」
クロード・ラフランシーズ「仕方ない・・・」
クロード・ラフランシーズ「我らのMU部隊を発進させるのじゃ」
クロード・ラフランシーズ「決して、人を傷つけてはならんぞ!!!!」
電子通信の声「承知しました!!」
クロード・ラフランシーズ(どうか、頼む・・・)
クロード・ラフランシーズ(ここで、争うべきではないのじゃ)
クロード・ラフランシーズ(メサイアのみんなも無事でいてくれ・・・)
〇宇宙空間
デビン・スウィフト「なあ、これってまずいんじゃ??」
マイク・スティンガー「諦めるな!!」
マイク・スティンガー「俺たちがここで食い止めないと」
マイク・スティンガー「カイトを送り出した意味がない!!」
デビン・スウィフト「──っ、そうだったな・・・」
デビン・スウィフト「なら、まだまだ踏ん張らねぇとなぁ!!」
マイク・スティンガー「ああ、やるぞ!!」
デビン・スウィフト「おうよ!!」
〇コックピット
陳莉安(ジン・リアン)「艦長!!」
陳莉安(ジン・リアン)「戦車クラスの敵が接近中です!!」
キャシア・フレシェット「もうピンチじゃない!? どうすんのよ~!!」
キャシア・フレシェット「きゃあ!!!!」
陳莉安(ジン・リアン)「メサイアの右翼へ被弾!! 損傷率は40%です!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「ここまでってところなのかしら・・・」
ナディア・ヴィレナーヴ「──!?」
〇宇宙空間
〇コックピット
陳莉安(ジン・リアン)「──!?」
キャシア・フレシェット「撃たれる!?」
ナディア・ヴィレナーヴ「──!? ここまで・・・なの・・・」
〇宇宙空間
〇コックピット
ナディア・ヴィレナーヴ「これは一体・・・」
G.A.F.TのMUパイロット「こちらG.A.F.TのMU部隊の者だ、援護する!!」
G.A.F.TのMUパイロット「状況はどうだ?」
ナディア・ヴィレナーヴ「え・・・えぇ、私たちは大丈夫だわ・・・」
ナディア・ヴィレナーヴ「でも、どうしてここに??」
G.A.F.TのMUパイロット「理事長の命令により、秘密裏にここまでたどり着いた」
G.A.F.TのMUパイロット「あなたたちの仲間も保護した」
デビン・スウィフト「いやぁ、無事で良かった~」
デビン・スウィフト「手遅れだったらどうしようって思ってたわ」
マイク・スティンガー「MU部隊の援護もあり、敵の排除が完了した」
ナディア・ヴィレナーヴ「よかったわ、無事で」
ナディア・ヴィレナーヴ「ただ・・・」
ナディア・ヴィレナーヴ「あの子、カイトは大丈夫かしら・・・」
デビン・スウィフト「艦長、何言ってんだ!!」
デビン・スウィフト「艦長まで不安がっていたら、俺たちのかっこつけた見送りが無駄になっちまうぜ」
マイク・スティンガー「艦長、ここまで来たら信じるしかない」
マイク・スティンガー「あなたから、教わったものだ」
ナディア・ヴィレナーヴ「そうよね」
ナディア・ヴィレナーヴ「あたしたち、メサイアの一員になったからには」
ナディア・ヴィレナーヴ「どんな逆境をも乗り越えるもんだったわよね??」
デビン・スウィフト「おうよ、そうでなくっちゃ!!」
マイク・スティンガー「あぁ、あいつならできる」
ナディア・ヴィレナーヴ(後は、カイト、あなただけよ)
ナディア・ヴィレナーヴ(信じているから、どうか・・・)
ナディア・ヴィレナーヴ(どうか、無事に戻ってきなさい)
〇謎の施設の中枢
レザン・バスティール「なぜ、倒れない?」
レザン・バスティール「いい加減、降伏しろ!!」
カイト・シュナイダー「いやだ!!」
カイト・シュナイダー「僕は絶対に諦めない!!」
カイト・シュナイダー「僕らだって、分かり合えるだろ?」
レザン・バスティール「いいや、そんなはず・・・!!」
レザン・バスティール「そんなはずは、ない!!!!」
カイト・シュナイダー「──っ!!」
レザン・バスティール「もういい!!!!」
レザン・バスティール「ここで、とどめを・・・刺・・・」
レザン・バスティール「があっ──!!」
レザン・バスティール「ちっ!! もう限界か・・・」
レザン・バスティール「ならいいだろう・・・」
レザン・バスティール「覚悟しろ!!!!」
Break the limit of ORDA?
OK
Checking now..................
Warning: Catch the Overflow
Continue?......
OK
Release ORDA
レザン・バスティール「うおおおおお!!!!」
カイト・シュナイダー「これって、もしかして・・・」
カイト・シュナイダー「あの時の技か・・・?」
O/D「攻撃が来るぞ、カイト!!!!」
カイト・シュナイダー(よしっ、こうなったら・・・)
〇黒背景
〇謎の施設の中枢
カイト・シュナイダー「O/D!!」
カイト・シュナイダー「僕が今から言う角度にすぐ動いて!!」
O/D「いきなり何だね?」
O/D「なぜ、そんなこと・・・?」
カイト・シュナイダー「いいから、早く!!」
O/D「分かった、いいだろう」
O/D「指示をくれ、カイト!!」
カイト・シュナイダー「うん、これで決めるよ!!」
レザン・バスティール「もらった!!!!」
カイト・シュナイダー「O/D!! 機体の前進角度を左34度に傾けて!!!!」
O/D「承知した!!」
レザン・バスティール「があああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
レザン・バスティール「バカな・・・」
レザン・バスティール「なぜ、俺は負けたのだ・・・」
レザン・バスティール「システムはこちらが完璧だったはずなのに・・・」
カイト・シュナイダー「それは、簡単だよ」
カイト・シュナイダー「最後は、自分の力でMUの腕を切ったからさ」
この瞬間、レザンは何が起きたか気づかなかった
それは一瞬の出来事だった
カイトが指示した絶妙な角度でオルダの刀をギリギリ避けた
その時、ジークのバルムンクを胸元に引き寄せながら、オルダの手首を切断するという剣技が炸裂した
レザン・バスティール「オルダの手首を切断するとは・・・」
レザン・バスティール「お前、死ぬかもしれなかったのだぞ!!」
レザン・バスティール「マヌケなのか、お前は!!」
カイト・シュナイダー「いいや、僕は信じていたんだ」
カイト・シュナイダー「O/Dならやってくれるって」
カイト・シュナイダー「最初から信じていたんだ」
レザン・バスティール「ちっ・・・もう体が・・・」
レザン・バスティール「俺の負けだ・・・」
レザン・バスティール「俺のことを始末するなり、好きにすれば・・・」
カイト・シュナイダー「どうした!? おい、返事してくれ!?」
カイト・シュナイダー「どうしたんだ、あの人・・・」
O/D「気絶しているようだな」
O/D「恐らく、システムの副作用だろう」
O/D「どうする、カイト?」
カイト・シュナイダー「決まってるよ・・・」
カイト・シュナイダー「この人を保護して、任務を続けるよ」
O/D「本気か!? 敵を保護だと!?」
カイト・シュナイダー「僕は、殺すために戦ったんじゃない!!」
カイト・シュナイダー「救える命があるなら、最後まで守りたい」
カイト・シュナイダー「守ってみせたいんだ!!」
O/D「カイト・・・」
O/D「なら急ぐぞ!!」
O/D「私の計算によれば、あと30分で高圧縮重力砲(ギガグラビティキャノン)が発射されてしまう!!」
カイト・シュナイダー「うん、分かった!!」
カイト・シュナイダー「これで、終わり・・・」
カイト・シュナイダー「そんな、ジークの動きが・・・!?」
O/D「どうやら、駆動装置が故障したようだ」
O/D「先ほどの回避運動で回路がやられたな・・・」
カイト・シュナイダー「そんな!? このままじゃ、ターゲットが破壊できない・・・」
O/D「どうすれば・・・」
O/D「これは・・・??」
O/D「そんなバカな!? MUの反応が1機!?」
O/D「これは、どういう・・・」
O/D「ぐっ!!」
カイト・シュナイダー「O/D!?」
O/D「なるほど、理解した・・・」
O/D「カイト、1つ方法があるぞ!!」
カイト・シュナイダー「それは何なの??」
O/D「レーダーが示している座標に向かって突進するのだ!!」
カイト・シュナイダー「そんなことしたら、機体が・・・」
O/D「私もサポートする!! 急ぐのだ!!」
カイト・シュナイダー「──わかった」
カイト・シュナイダー「それじゃあ、いくよ!!」
〇研究装置
ネメシス軍のリーダー兵士「閣下、もうここはもちません!!」
ネメシス軍のリーダー兵士「早く脱出しましょう!!」
ウォルフガン・ウルマン「わかっておる!! 後もう少しで終わる!!」
ウォルフガン・ウルマン「お前たちは先にいけ!!」
ネメシス軍のリーダー兵士「はっ、どうかお気をつけて!!」
ウォルフガン・ウルマン「後は、このデータのコピーで終わりだ」
ウォルフガン・ウルマン「──!?」
ウォルフガン・ウルマン「何事だ!?」
カイト・シュナイダー「──っ!!」
カイト・シュナイダー「壊れかけのMUで突進するなんて無茶だよ・・・」
カイト・シュナイダー「死ぬかと思った・・・」
O/D「だがこれで、レーダーに反応した機体にたどり着いた」
O/D「機体はどこに・・・?」
カイト・シュナイダー「O/D!? あの機体は、もしかして・・・!?」
カイト・シュナイダー「なんでジークがこんなところに!?」
カイト・シュナイダー「えっ、これどういうこと??」
???「やはり、いつかは巡り合う運命だったのだな」
カイト・シュナイダー「なっ、あなたは!?」
ウォルフガン・ウルマン「初めて会ったな、少年」
ウォルフガン・ウルマン「あと少しで、私の”計画が”順調に進むところだったが、別のプランで行くしかないな」
カイト・シュナイダー「なんでここにジークが!? 何をするつもりだったんだ!!」
ウォルフガン・ウルマン「まあ、こやつ(ジーク)のことを語りたいが、どうやら時間はないな」
ウォルフガン・ウルマン「さらばだ」
カイト・シュナイダー「──!?」
カイト・シュナイダー「──っ!! 危なかった・・・」
カイト・シュナイダー「あれっ、ウォルフガンは!?」
O/D「逃げられたな・・・」
カイト・シュナイダー「でも、このジークはどうしてここにあったんだろう・・・」
O/D「分からない・・・だが・・・」
O/D「今は、この機体でターゲット破壊と脱出を目指すぞ!!」
カイト・シュナイダー「う、うん、そうだね・・・」
カイト・シュナイダー「行かないとね・・・」
カイト・シュナイダー「・・・」
O/D「どうした!? 急ぐぞ!!」
カイト・シュナイダー「あぁ、ごめん!! すぐにいくよ!!」
カイト・シュナイダー「・・・」
カイト・シュナイダー(ありがとう、僕のMU・・・)
カイト・シュナイダー(名残惜しいけど・・・)
カイト・シュナイダー(今まで、僕の力になってくれてありがとう・・・)
カイト・シュナイダー「──!!」
〇謎の施設の中枢
カイト・シュナイダー「すごい、これが本当のジークなんだ」
O/D「ああ、以前のMUと比べて3倍スペックが上昇している」
O/D「この出力ならネメシススター中枢部を破壊できるぞ」
カイト・シュナイダー「よしっ、これで決めよう!!」
O/D「いつでもいいぞ」
カイト・シュナイダー「分かった」
カイト・シュナイダー「──!!」
Activate Balmung........
OK
Checking now.............
Found One Update Content
Continue?.....................
OK
〇コックピット
ナディア・ヴィレナーヴ「カイトの状況はどうかしら??」
陳莉安(ジン・リアン)「レーダーの検知続けていますが、未だにキャッチできていません」
キャシア・フレシェット「結構時間が経っているのに、大丈夫かしら??」
ナディア・ヴィレナーヴ「この揺れは何!? どうしたの!?」
陳莉安(ジン・リアン)「爆発です!! 場所は・・・ネメシススターです!!」
キャシア・フレシェット「そんな、カイトがいるとこじゃない!?」
陳莉安(ジン・リアン)「しかも、ネメシス軍の小隊がいくつか脱出しているようです!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「そんな!? カイトは・・・間に合わなかったの!?」
〇宇宙空間
デビン・スウィフト「カイト!!!!」
デビン・スウィフト「そんな・・・任務失敗なのか・・・」
デビン・スウィフト「ちくしょう!!!!」
マイク・スティンガー「・・・」
デビン・スウィフト「何黙ってんだよ、マイク!! カイトが・・・カイトが!!」
マイク・スティンガー「何か見える・・・」
デビン・スウィフト「え??」
マイク・スティンガー「見ろっ、MUが来るぞ!!」
〇コックピット
???「すみません、報告遅くなりました!!」
陳莉安(ジン・リアン)「えっ!?」
キャシア・フレシェット「この声は!?」
ナディア・ヴィレナーヴ「カイト!!」
〇宇宙空間
カイト・シュナイダー「目標の殲滅完了しました」
カイト・シュナイダー「心配かけてごめんなさい」
ナディア・ヴィレナーヴ「無事で良かったわ・・・本当に・・・」
カイト・シュナイダー「えぇ、何とかやれました、艦長」
デビン・スウィフト「カイト~、ヒヤヒヤしたぜ~!!」
デビン・スウィフト「でも、無事でよかったぜ!!」
カイト・シュナイダー「ありがとうございます、デビンさん」
マイク・スティンガー「カイト」
カイト・シュナイダー「はいっ、マイクさん??」
マイク・スティンガー「よくやり遂げたな」
カイト・シュナイダー「──はいっ、ありがとうございます!!」
ナディア・ヴィレナーヴ「そういえば、どうしたのそれ??」
カイト・シュナイダー「艦長!! 実は、生存したMUとパイロットがいるんです・・・」
〇警察署の食堂
アイネ・ラハリア「おかえりなさい」
アイネ・ラハリア「カイト」
アイネ・ラハリア「・・・」
〇宇宙空間
月面基地周辺のエリア
〇研究機関の会議室
ウォルフガン・ウルマン「ただいま帰還した」
従順な青年「ウォルフガンさま!! お戻りになったのですね!!」
貫禄のある男性「閣下、任務はいかがでしたか?」
ウォルフガン・ウルマン「みんな、すまない」
ウォルフガン・ウルマン「メサイアが思ったより手ごわく、地球焦土化作戦が失敗に終わった」
従順な青年「あの愚民どもめ!! どこまで我らに歯向かう気だ!?」
狡猾な女性「まあまあ、いいじゃない」
狡猾な女性「だいたい向こうにA.P.DのMUがあるんじゃ難しいわよ」
従順な青年「貴様!! 閣下の作戦が失敗だと言いたいのか!?」
狡猾な女性「はぁ、あんた黙って聞いていれば!!」
ウォルフガン・ウルマン「そこまでにしろ!! これ以上私に恥をかかすな!!」
ウォルフガン・ウルマン「それで、お前たちの任務はどうだ??」
貫禄のある男性「はい、こちらは順調です」
貫禄のある男性「閣下の指示通り発掘したところ、月でおもしろいものを発見しました」
ウォルフガン・ウルマン「それは、いわゆる”過去の遺産”か??」
狡猾な女性「そうですわ!! まさかこんなに見つかると思いませんでしわわ!!」
従順な青年「これなら、あの愚民どもを制裁できます」
ウォルフガン・ウルマン「お前たち、感謝するぞ」
ウォルフガン・ウルマン「・・・ふふふ」
ウォルフガン・ウルマン「ははははっ!!!!」
カイトの活躍により、ウォルフガンによる地球焦土化作戦は失敗に終わった
だが、ウォルフガンを含むネメシス軍が避難した先が第2の基地でもあり
何やら、まだ彼の企みは終わってないようにみえる
これからどうなるのかは、ウォルフガンの動き次第となる
End of Scale 1