オリジナル(脚本)
〇シックなバー
男性客「すいやせ〜〜」
男性客「ビールも〜〜いっぽぉぉおん」
女性客「ええ〜1本なんて遠慮せず 焼酎ボトルで開けちゃいましょうよ〜」
男性客「おっ、開けちゃおうかな〜ボトル1本 あはははっ」
女性客「だってえ、ボーナス入ったんでしょ?」
女性客「1000万」
男性客「そうとも〜♪君と人生を歩むためにね」
女性客「うふっ♪」
女性客「うれしいわ〜〜♪」
女性客「ほらほらじゃんじゃん飲んじゃって」
女性客「一気よ一気!」
男性客「・・・ぷはあ!」
女性客「あっ!来週、建築費用の 振り込み期限だったわよね?」
男性客「あん?そうだったかな〜」
女性客「そうよそうよ!言ってたじゃない」
女性客「忘れん坊さんなんですから〜」
女性客「忘れないうちに、わたしが代わりに 振り込み済ませておくから」
女性客「お金ちょうだい?」
男性客「気が利くね〜新妻さんは、あはははっ」
男性客「待ってて、いま持ってくるから」
女性客「ちょっとあなたったら、ふらついてる」
女性客「あぶないわ、あたしも付き添う!」
男性客「おおお、ありがと」
〇シックなバー
女性客「よかったわ〜これでわたしたちの新居、 問題なく建てられるわね♪」
男性客「楽しみだな〜振り込み頼んだよ」
男性客「さあて、飲み直すか」
女性客「ごめんなさい、今日はもう帰らないと」
男性客「明日出番なのか?」
女性客「ええ、また会いましょ」
女性客「愛してるわ♪」
男性客「投げキッスとは、照れるよ またな〜」
〇シックなバー
「お姉さん」
女性客「っ?」
鬼童「帰るの?」
女性客「えっ」
女性客(なに、このミステリアスなオーラ)
鬼童「・・・どうかした?」
女性客「ああっいえ、別に・・・」
鬼童「ねえ、初対面でこんなこと言うの、 変かもしれないけど・・・」
鬼童「結構、どタイプなんだよね〜」
鬼童「今夜だけ、今夜だけでいいから 俺と遊んでくれない?いいでしょ?」
女性客(どうせ明日も休みだし、 まあ遊んであげようかしら)
女性客「ええ、いいわよ」
鬼童「やった」
〇ラブホテル
〇黒
女性客「あっ・・・ねえ、明かりは付けないの?」
鬼童「付けたくないな〜」
鬼童「だって、見られるの恥ずかしいでしょ」
女性客「あなたになら、いいわよ?」
鬼童「へえ〜そうなんだ」
鬼童「ドキドキさせるじゃん?」
女性客「え?なんの音?金属のような・・・」
鬼童「金属だものそりゃあ」
女性客「え?ちょっと、手が思うようにっ ん?これって縛られてるのかしら」
鬼童「さっすが、察しがよろしいようでえ」
鬼童「明かり、付けてほしい?」
女性客「は?」
鬼童「なら特別に見せてあげよう」
〇豪華なベッドルーム
女性客「えっ!くさり?」
女性客「SM?いや違うわよね」
女性客「くっ・・・あなた、どういうつもり?」
鬼童「ふふふ」
女性客「笑ってないで答えなさいよ!」
鬼童「話術が得意なあんたには、説明より 見てもらったほうが早いんじゃねえかって」
鬼童「まいなーー!」
まいな「は〜い!」
まいな「バッチリ撮れたよ〜」
まいな「それと、うんしょっと」
突如降りてきた真っ白な
プロジェクター用スクリーン
そこに流れた映像には、
先ほど一緒にいた男性に酒を勧める姿と
高額金額を受け取る瞬間の映像が流れた
鬼童「この映像には顔が真っ赤になった男性、 手元には空のジョッキにプラス、」
鬼童「開けかけのボトル、これらからアルコールハラスメントの度を超えた」
鬼童「アルコール強要罪に匹敵する 物的証拠が確認できる」
鬼童「つまり、これを証拠として提出したら あんたはブタバコ行き確定ってわけ」
女性客「ふんっ」
女性客「こんな脅しで、わたしが屈するとでも?」
女性客「わたしはあんたの素性を知ってるのよ?」
女性客「あなたたちこそ、務所行きになるのだからこのまま帰れるなんて思わないことね」
鬼童「・・・っ」
鬼童「それは・・・」
鬼童「どうするよ、まいな」
まいな「どうしようねぇ・・・」
女性客「うふっ」
女性客「イヤならこのデータを、今すぐ消去なさい」
鬼童「イヤっていうか・・・」
鬼童「俺ら・・・」
鬼童「これが”初”のことなんでさ」
鬼童「過去歴なんて無いんだわ」
女性客「なっ!」
女性客「うそよ!そんなデタラメ」
まいな「お姉さんがそれ言う?」
まいな「デタラメばっかり言って、 男の人騙してたんでしょうに」
女性客「おっおだまり!」
〇シックなバー
まいな「あ〜むっ!」
まいな「んん〜〜ほっぺ落ちちゃう♪」
鬼童「そうかそうか♪よかった、 まいなが幸せそうな顔してるのが お兄ちゃんの癒しだ」
詐欺師「相変わらず、素のおめえは キモい兄ちゃんだな」
詐欺師「腕は確かだがな、今回もお手柄だ うんうん」
鬼童「おっさんから褒められても 嬉しくねえっての」
まいな「次の依頼は無いの〜?」
詐欺師「ん〜〜そうだな」
詐欺師「闇バイトのガキに接触して、親玉特定して根こそぎ金を巻き取るってのが高額になるが・・・?」
詐欺師「可愛い妹をおとりにでもすりゃ 楽勝なんじゃねえのか?あ?」
まいな「良くわからないけどやってみたい! どんな内容なの?闇バイトって」
鬼童「だめっ!めっ!」
鬼童「手を染めたらやべんだから、 まいなが手を染めるの」
鬼童「お兄ちゃん許さないんだから!めだよ!」
まいな「もう!びっくりさせないでよ!」
鬼童「ごっごめん・・・」
詐欺師「あっははは、憎めない兄妹だな」