第十二話、デート!(脚本)
〇繁華街の大通り
天空寺姫乃「うわぁ、賑やか〜!!」
天空寺姫乃「ほらほら、彩果もお姉ちゃんも早く早く──!!」
彩町彩果「はいはい、分かりましたから先に行かないでください!!」
天空寺姫乃「あはははっ!!やーだ!!」
彩町彩果「・・・途中で迷ったりしても知りませんよ?」
天空寺姫花「うふふっ。姫乃、あんなにはしゃいじゃって・・・!子供みたい・・・」
彩町彩果「よほど楽しみにしてたんですね?こうして3人でお出かけするのは・・・」
天空寺姫花「はい。私だって彩果さんとこうして一緒にお出かけするの、とても楽しみにしてたんですよ?」
天空寺姫花「それにこうしていると、何だかまるで”デート”してるみたいですから!」
彩町彩果「・・・・・・」
彩町彩果(・・・そうか。こういうのを”デート”と言うのか・・・?俺にとって”初めて”だからな・・・)
彩町彩果(今までは”面白い事”と”破壊する事”しか興味がなかったから、そういった恋愛というのは俺にはよく分からない)
彩町彩果(俺が恋愛の事を知らないと素直に打ち明けたら、彼女はどう反応するのだろうか・・・?)
天空寺姫花「彩果さん、どうかされました?」
彩町彩果「・・・あの、姫花さん。実はですね・・・」
俺は姫花さんに先ほど考えていた事を話してみる──。
天空寺姫花「・・・なるほど、事情は分かりました。確かに彩果さんは今までの事がありましたからね」
天空寺姫花「それでしたら、私が教えてあげますよ?恋愛とはなんなのか・・・?」
彩町彩果「えっ?」
天空寺姫花「誰かに恋をしたり、誰かを好きになったり、誰かを愛したりなど色々とあるんです」
天空寺姫花「時には好きだった相手に振られたり、付き合っていた者同士が何らかの事情で別れたりもする・・・。それが恋愛なんです」
彩町彩果「は、はぁ・・・。恋愛って色々とあるんですね?」
天空寺姫花「もちろんです!!」
天空寺姫花「・・・とはいえ、私自身も実はそこまで恋愛に関してはあまり詳しくないんです」
天空寺姫花「ですが、こうして彩果さんと仲良くなれた訳ですので私なりに色々と頑張りますね」
天空寺姫花「それに、あなたにはもう2度と辛い思いや悲しい思いをさせたくありませんから・・・」
彩町彩果(こんな俺のためにそこまで考えてくれていたなんて・・・。やっぱり彼女は凄いな?)
彩町彩果「分かりました。では、よろしくお願いしますね?」
天空寺姫花「は、はい!!こちらこそよろしくお願いします!!」
天空寺姫花「ちなみにこの前、私や姫乃が彩果さんにキスしたのは・・・あなたに対する愛情表現の1つなんですよ?」
彩町彩果「えっ、そうなんですか?それは知らなかった・・・」
天空寺姫乃「もう2人共、遅いよ!?早くしないと時間がもったいないよ!!」
「あっ、ごめんなさい・・・」
いつの間にか戻ってきた姫乃さんから注意され、俺と姫花さんは慌てて謝罪するしかなかった・・・。
〇ショッピングモールの一階
天空寺姫乃「着いたよ!」
彩町彩果「確かこのお店にある雑貨屋に行くんですよね?」
天空寺姫乃「うん、そうだよ」
天空寺姫花「実は姫乃と一緒にここの雑貨屋に何度か来た事があるんですよ」
彩町彩果「へぇ〜、なるほど」
天空寺姫花「可愛いアクセサリーやキーホルダーがたくさんあって、私達はそのお店に行くといつも商品を見渡すんです」
天空寺姫花「それで、ですね・・・?”お友達記念”として、彩果さんと私達のお揃いのを買おうと思いまして・・・」
彩町彩果「お揃い、ですか?」
天空寺姫乃「いいじゃん、それ!お姉ちゃん、グッドアイデア!!」
天空寺姫花「どうですか、彩果さん?」
彩町彩果「いいですよ」
「やったぁ!!」
彩町彩果(本当に幸せそうな顔をするな、この2人は・・・)
天空寺姫花「さぁ、早速行きましょう彩果さん!!」
天空寺姫乃「早く早く・・・!」
彩町彩果「ひ、引っ張らないでください!」
〇雑貨売り場
彩町彩果「ここですか?」
天空寺姫花「はい、そうです。特にあれを見てください!」
彩町彩果「へぇ〜?この猫のキーホルダー、小さいボタンを押すと鳴き出す仕組みなんですね?」
天空寺姫乃「うん。今、あたし達の間で流行ってるの!」
天空寺姫乃「他にも犬や鳥とか近くに置いてあるから、見てみてよ!」
彩町彩果「ええ、そうしますね」
天空寺姫花「あっ、彩果さん。こっちです!」
彩町彩果「ん?これですか?」
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