トランス・ロウ(脚本)
〇白い玄関
ロウ「・・・よし、こんなものかな」
ママ「あらロウちゃん。朝から精が出るわね」
ロウ「あ、ママ。おはよ」
ロウ「うっ!」
ロウ「ママ、大丈夫?」
ママ「えぇ、平気よ」
ママ「それよりロウちゃん。ママ、なんだか体が冷えちゃった」
ママ「だ、か、ら、ロウちゃんの体温でママを温めてぇん?」
ロウ「えぇっ!? 年頃の息子に何言ってんの?」
ママ「ねぇお願い。ママこのままだと風邪ひいちゃうわ」
ママ「なんなら、ロウちゃんと私が温まりやすいようにしてあげる」
ロウ「あからさまに服に手を掛けないで!」
ママ「ロウちゃん・・・・・・ママと一つに・・・」
燈花「ちょぉっと待てぃっ!」
ハリセン導入!
ママ「ひゃんっ!」
ロウ「あ、お姉ちゃん」
燈花「大丈夫ロウ? 危ない所だったね」
ロウ「うん、色々とね」
ママ「う、うーん・・・」
ママ「あら、私は一体?」
ロウ「花瓶の水を被って暴走してたんだよ」
ママ「あら、私ったら“また”」
ママ「ごめんなさいロウちゃん、それに燈花ちゃんも」
燈花「いいんだよ。なんの為のハリセンだと思ってんの?」
燈花「それじゃあロウ。私は母さんを着替えさせてくるから、床の掃除頼んだよ」
ロウ「わかった」
ロウ「・・・はぁ」
〇豪華なリビングダイニング
パパ「そうか、そんなことがあったんだ」
ママ「そうなのよ。私ったら朝からつい・・・」
パパ「いや、全てママの所為じゃないよ」
ロウ「そうだよ。うっかり花瓶を離した僕が悪い」
パパ「そうそう、僕たちは皆そういう体質っていうだけだから」
ママ「パパ・・・ロウちゃん」
燈花「ご馳走さま!」
ママ「あら、燈花ちゃん。 もう食べ終わったの?」
燈花「うん。美味しかったよ。ありがとう、ママ」
燈花「それじゃあ行って来るぜ!」
ママ「あ、燈花ちゃんお弁当!」
燈花「おっと、あたしとしたことが・・・」
燈花「あ、そうだロウ」
ロウ「なに?」
燈花「今日関目さんとデートだろう? そんなのんびりしてていいのか?」
ロウ「うん。今日は10時からの待ち合わせだから」
燈花「そっか」
燈花「滅多なことは言わんが、彼女を泣かせんじゃねぇぞ」
燈花「んじゃ、改めて行ってきやーす!」
パパ「ははは、ジャンパーを着た燈花は気迫があって良いな」
ママ「そうね。何時もあれぐらいだと良いんだけど」
ロウ「そうかな? 僕はついさっきの方が幾分ましだと思うけど」
ママ「あらそう? ロウちゃんはグーテレ系が好きなのね」
ママ「これじゃなんだか瞳さんが可哀そうだわ」
ロウ「な、なんでそうなるの!?」
パパ「こらママ、あまりロウを茶化さないの」
ママ「ごめんなさいパパ、私ったら・・・・・・」
パパとママはお互い顔を合わせるなり、大いに笑いを見せた。
ロウ「全くもう・・・なんなんだよ」
ごく普通にありふれた平凡な家庭。
・・・に見えるが、僕たちは皆ある特異点を持って生きている。
〇黒背景
トランス病。
特定の行動、または行為によって発令する病。
発症は先天性の為に対策が出来ず、特効薬も見つかっていない。
共通しているのは、ある特定の行動・行為で性格が一変するという事だ。
例えばママの場合は冷水を被ると色気が増し、
姉の燈花はジャンパーを着ると躍動的な性格に。
パパは・・・・・・まぁそこはおいおい。
そんな訳で僕らは訳ありにまみえた摩訶不思議なファミリーとなっているのである。
〇駅の出入口
そんな奇妙な家庭に囲まれている僕だが、唯一心のよりどころにしているものがある。
それは・・・。
女性の声「ロウくん、お待たせしました!」
ロウ「あ、瞳さん」
関目 瞳「遅れてごめんなさい。杖を探してたら時間かかっちゃって」
関目 瞳「キャッ!」
ロウ「瞳さん!」
僕は瞳さんが転ぶ寸でのところで彼女を捕まえる。
ロウ「大丈夫ですか? 瞳さん」
関目 瞳「えぇ・・・ありがとうございまし──」
ギィン!!!
ロウ「あ、ぐ・・・ひとみさ・・・」
関目 瞳「あ、いけない!」
瞳さんは慌てて目線を逸らす。
すると僕はまるでなにかから解放されたように両腕をだらんと垂らした。
関目 瞳「ごめんなさい、また私の所為で・・・」
ロウ「いえ、これくらいどうってことないです」
あらぬ方向を見据えながらサングラスをかけ直す瞳さんに僕は浅い笑いを浮かべた。
この人は関目瞳さん。
燈花姉さんの知り合いで、メドゥーサ・アイというこれまた特殊な病気にかかっている。
メドゥーサ・アイとは文字の通り、視線が合った相手を硬直させてしまう目の病気。
その為、彼女は目にサングラスをかけ、白杖と微かな感覚に頼った生活を余儀なくされている。
ロウ「それじゃあそろそろ行きましょうか?」
関目 瞳「今日は動物園でしたっけ?」
ロウ「はい、では参りましょう」
僕たちは互いを見失わないように手を握りながら歩いて行った。
〇動物園の入口
〇厩舎
〇ゴリラの飼育エリア
関目 瞳「ロウくん、あれを見てくださいオラウータンが居ますよ」
ロウ「はい。毛並みがとても立派ですね」
関目 瞳「知ってました? オラウータンって殆んどの時間を木の上で活動する時の方が多いんですって」
ロウ「ははは、瞳さんって本当に動物好きなんですね」
関目 瞳「え、そう見えますか?」
ロウ「見えますよ。 十二分に」
その一言に瞳さんは顔を赤らめる。
僕はそんな彼女を見て何処かたそがれるような表情を浮かべた。
〇住宅街
遡ること数週間前。
関目 瞳「そんな、困ります。私これから帰らないと」
モヒカンの男「いいじゃん。俺らと一緒に楽しいことしようぜ」
黒髪の男「そうそう、ご家族には帰りが遅くなると言っとけば良いわけだしぃ」
関目 瞳(なんて人たちなの? こっちの話を聞く耳を持たない)
関目 瞳(それならいっそこの目で・・・)
男の声「おい」
「へ?」
ギエヤァァァッ!!?
関目 瞳「え? えっ? 何・・・?」
男の声「あの、大丈夫ですか?」
ロウ「駄目ですよ。女の子がこんなところで一人で居ては」
関目 瞳「は、はい! ありがとうございます」
ロウ「? ・・・まぁ、怪我が無くてなにより」
これが僕らの出会いのきっかけだった。
〇ゴリラの飼育エリア
ロウ(あの後、僕は彼女を家に送ってからすぐ立ち去ったので、お互いに名前を名乗らずにその日は終わった)
ロウ(しかし何の因果か向こうは姉さんと仕事の繋がりで友人だったらしく、すぐに再会する形となった)
ロウ(それ以降、関目さんは僕にこれと言っていい程惚れており、度々こちらをデートに誘っている)
関目 瞳「ロウくん見てください。オラウータンが器用に耳かきしてますよ。面白いですね?」
ロウ「そう・・・ですね」
ロウ(しかし僕には関目さんに謝らないといけない事がある)
ロウ(それは彼女の恩人が僕ではないという事だ)
ロウ(確かにあの時、彼女に声をかけたのは僕で間違いない)
ロウ(でも、『ありがとうございます』と感謝されるような事はしていないし、姉の縁が無ければ会う事もなかった)
ロウ(チンピラに至っては気づいたら何故か足元に転がっていただけだし)
ロウ(そんな訳で彼女に真実を切り出すタイミングを窺っている訳だが・・・)
ロウ(こんなに元気な素顔を見せる彼女を前にしてはその意思も薄れていく一方)
ロウ(真実を知った時、彼女は一体どんな顔をするのか。そればかりが頭に浮かんでしまう)
ロウ(このままではいけないとは解っている。・・・でも)
関目 瞳「ロウくん。向こうでカバの餌やりが始まるみたいですよ」
関目 瞳「行ってみましょうよ」
ロウ「は、はい・・・」
関目 瞳「どうしましたロウくん。最初の時と比べて元気が無いですね?」
ロウ「そそ、そんな事ありませんよ! 滅茶苦茶元気です!!」
関目 瞳「・・・」
関目 瞳「ロウくん。動物園が終わったらもう一つ付き合ってもらえますか?」
関目 瞳「紹介したい場所があるんです」
ロウ「え?」
〇川沿いの原っぱ
ロウ「瞳さん。ここは?」
関目 瞳「何処って、近所の河川敷ですよ」
ロウ「それは分かりますけど、どうして僕をここに?」
関目 瞳「ここ、私のお気に入りの場所なんです」
関目 瞳「この時間帯は特に人は集まらないから、とても落ち着くの」
ロウ「へぇ・・・」
関目 瞳「ロウくんは私の病が六歳から発症した事は知っていますよね?」
ロウ「はい。その辺はもう」
関目 瞳「反対に言うと、私は六歳までは普通の女の子だったんです」
関目 瞳「幼少の頃から親しくしてくれた友達が居て、両親も難産だった為か私をとても愛してくれました」
関目 瞳「それなのに私がこの目になってからはがらりと変わってしまった」
関目 瞳「メドゥーサ・アイなんて名前が付くものだから、周りは私のことを化け物呼ばわりし、両親は私から目を逸らして話すのが日常と化し」
関目 瞳「親しかった友人も、十一を超えた辺りからはもう・・・」
ロウ「瞳さん」
関目 瞳「でも、その現実を受け入れるのは割りと容易でした」
関目 瞳「目を合わせてもらえないならそのまま過ごせばいい。 受け入れてもらえないなら受け入れてらえないまま生きればいい」
関目 瞳「そうして自分を諭していく内に、段々と自分を受け入れるようになりました」
関目 瞳「それこそ、今のこの河川敷のように。ただ平然と、一人で」
ロウ「・・・」
関目 瞳「そんな時です。 私がロウくんに出会ったのは」
関目 瞳「陰に身を落とし、心を閉ざしていた私に、貴方は手を差し伸べてくれた」
関目 瞳「あの不良たちから救われたのち、燈花さんの紹介で再会した時は運命さえ感じました」
関目 瞳「この目の脅威にさらされても尚、明るい光をくれる貴方に、私は救われた」
関目 瞳「ただただ加害者として見られていた私を被害者として見てくれたのは、ロウくんが初めてです」
関目 瞳「私を救ってくれて、本当にありがとう」
ロウ「瞳さん・・・」
ロウ「・・・」
ロウ(やっぱり駄目だ。このままじゃあ)
ロウ「瞳さん。お話があります」
関目 瞳「えっ?」
ロウ「実は──」
男の声「おう、やってんなぁ。お前ら」
ロウ「?」
モヒカンの男「随分と肌寒い会話をしていたようだが、気は済んだかね?」
モヒカンの男「ひひひ」
ロウ「な、なに!? 何なんですかあんたら?」
黒髪の男「名乗る程の者じゃねぇよ」
黒髪の男「ところでさ、君がロウくんで間違いないよね?」
ロウ「・・・だ、だったらなんなんですか?」
黒髪の男「うらぁっ!」
ロウ「わ、あぶねっ!」
ロウ「何するんですか、あと少しで当たる所だったじゃないですか!?」
黒髪の男「当てようとしてたんだよ」
モヒカンの男「そうだよ。もういっちょくらいな!!」
ロウ「うぐっ!」
モヒカンの男「へぇ、今のを受け流すか」
モヒカンの男「なかなかの動体視力だな」
ロウ(くっ、このままじゃ・・・)
ロウ「瞳さん。僕がこの人たちの気を引いて時間を稼ぎます」
ロウ「その間に貴方は・・・」
関目 瞳「・・・」
ギィン!!
ロウ「あ、ぐっ・・・瞳さん!?」
黒髪の男「うらぁっ!」
ロウ「あぐっ!」
モヒカンの男「もう一発いくぜぇ!」
ロウ「ぐがぁっ!」
ロウ「瞳さん。・・・どうして」
モヒカンの男「ぼさっとよそ見してんじゃねぇよ! こらぁっ!」
ロウ「ぐっ!」
黒髪の男「おいおい、顔を殴ったら駄目だろう。視線がそれて硬直が解けちまうじゃねぇか」
モヒカンの男「おっといけねぇ」
モヒカンの男「でもま、こいつの心折るには良いシチュエーションだったんじゃねぇの?」
ロウ「あ、あんたら・・・これは一体?」
黒髪の男「なんだ。まだわからねぇのか?」
黒髪の男「お前は売られたんだよ。あの瞳って女にさ」
ロウ「えっ?」
黒髪の男「俺たちはな、数週間もの間あの女を探してたんだ」
黒髪の男「あの女に会えば俺らを痛めつけた奴とも再会できると踏んでいたからよ」
ロウ「奴? 一体何の・・・」
黒髪の男「手前には関係ないね」
黒髪の男「それで今日、あの女を見つけて手前の事を吐かせた後、そこからギブ&テイクな交渉を致したんだ」
黒髪の男「『ロウくんを貰う代わりにもうアンタには関わらない』ってね」
ロウ「それじゃあ、白杖を探して遅れたというのは・・・!」
モヒカンの男「俺たちの存在をひた隠す為の口実だよ!」
ロウ「がぁ!」
モヒカンの男「そらそら、もう一発!」
ロウ「ぐぼっ!?」
関目 瞳「あぁ、ロウくん」
モヒカンの男「それじゃあ、そろそろ俺たちも行こうか?」
関目 瞳「え、待ってください」
関目 瞳「あの子を差し出したら私は見逃すって話じゃあ・・・」
モヒカンの男「あぁん。あの約束まだ信じてんのかよ?」
モヒカンの男「俺たちはあの男とお前さんに用があるんだ。そこで仰け反っている屑には興味ないね」
関目 瞳「え、え? どういう事?」
関目 瞳「だってあの時、数週間前に貴方達をやっつけたのはロウくんじゃ」
黒髪の男「あぁん、何を言ってやがる?」
黒髪の男「俺たちをボコしたのはあのロウって奴じゃねぇ。 灰色の髪をしたもっとガタイの良い野郎だ」
関目 瞳「・・・え?」
モヒカンの男「さて、衝撃の事実も分かった所で」
モヒカンの男「お楽しみといこうや」
関目 瞳「・・・この・・・っ!」
ギィン!
モヒカンの男「ん? なんかしたかしら?」
関目 瞳「えっ、どうして?」
黒髪の男「残念だったな。メドゥーサ・アイについては予習済みだよ」
黒髪の男「こうしてサングラスかなんかで視界を覆っていれば、お前さんの目も怖くないね」
関目 瞳「そんな」
ロウ「ぐっ。瞳・・・さん」
僕は余りある力を振り絞って瞳さんの方に手を伸ばした。
〇川沿いの原っぱ
その次の瞬間だった。
僕の瞳に月の光が差し込んだのは・・・。
ロウ(な、なんだ?)
ロウ(体が、熱い・・・)
モヒカンの男「さぁて、どんなふうに調理してやろうか?」
関目 瞳「止めてください。誰か助けて!!」
「おい、お前ら」
モヒカンの男「はい?」
狼「俺の前でけったいな事してんじゃねぇよ」
モヒカンの男「お、お前はあの時の!」
モヒカンの男「それにその服・・・」
モヒカンの男「ひじぃっ!」
黒髪の男「お、おい!」
狼「お前もだ。てぇやぁぁぁっ!!」
黒髪の男「ぐぁっ!」
狼「へっ、さまぁねえなこりゃ」
モヒカンの男「や、野郎っ!」
モヒカンの男「これでくたばっちまいな!」
狼「なめんじゃねぇ!」
モヒカンの男「ぶへぇっ!?」
狼「へへ、調理されんのは手前らの方だったらしいな」
モヒカンの男「何を・・・かはっ!」
ロウは怯んだモヒカンの男の首を絞め上げる。
モヒカンの男「あ・・ぐ・・・ぐぇっ」
狼「どうした? さっきみたく反撃してみろよ」
モヒカンの男「こ、この・・・!」
黒髪の男「や、やめてくれ! 俺たちが悪かった!!」
黒髪の男「この件からは手を引く。 だから滅多なことはしないでくれ!」
狼「うるせぇ、俺に指図するな!」
黒髪の男「ひぃっ!」
狼「そらそら、お天道様に顔上げて懺悔しな」
狼「それが出来るもんなら、という話だが」
モヒカンの男「あ・・・あぐっ・・・も、もう止めてぐぇっ!」
関目 瞳「ロウくん!!」
燈花「そこまでだよ!!」
狼「っ!」
狼「何しやがるんだ姉貴!」
燈花「五月蝿い、これでもくらえ!」
再びハリセン導入!
狼「ぐぁっ!」
モヒカンの男「ごほ、ごほっ・・・どうなってんだ一体?」
黒髪の男「おい、今の内にずらかるぞ」
モヒカンの男「お、おう」
「ん?」
ママ「何処に行こうというのかしら?」
黒髪の男「ひぃ、川から突然人が!!」
ママ「貴方たちね。瞳さんが世話になったというのは」
ママ「さっきの見てたけど、人の息子に対して豪く派手にやってくれたじゃない」
ママ「これはしつけが必要ね。 パパ?」
パパ「あぁ、その通りだよ。ママ」
パパ「君たち、これだけの事をして置いて──」
パパ「ただで済むと思うな?」
「きゃあああああああああああああああああああああああああ!!」
〇川沿いの原っぱ
関目 瞳「一家全員がトランス病患者!?」
燈花「あぁ、信じられないかもしれないが本当なんだ」
燈花「あたしの場合はジャンパーを着ると、ママは水を被ると・・・」
燈花「弟(ロウ)は満月を見たらああなる」
関目 瞳「それじゃあ、私を助けてくれた時は」
燈花「恐らく夕闇の中、大きくなったのを見ちまったんだろうぜ」
燈花「関目さん。あんたに一つ頼みがある」
燈花「ロウのトランスについては見なかった事にしてくれねぇか? その、チンピラどもを粛清した事については」
関目 瞳「えぇっ?! どうしてですか?」
燈花「自覚症状のあるあたしたちとは違い、ロウは自分がどんなトリガーを持っているのか把握してねぇんだ」
燈花「それに自分が満月を見た所為で暴力を起こしたとなりゃ、あいつは外に出ずらくなると思う」
燈花「持病の所為で自由が利かない苦しさは関目さんが一番よく分かっているだろう?」
関目 瞳「それは・・・」
ロウの声「う、うーん?」
燈花「おぅ、起きたか。愚弟」
ロウ「燈花姉さん、どうしてここに?」
燈花「あたしのことはいい」
燈花「それよりももっと気に掛けるべき相手がいるんじゃないか?」
ロウ「えっ?」
警察官「関目瞳だな」
警察官「件の二人の事で話がある。 一緒に来てもらうぞ」
ロウ「瞳さん」
関目 瞳「・・・ロウくん」
関目 瞳「また何時か、デートしましょうね!」
ロウ「は、え? ・・・ふ?」
燈花「ふ? じゃねぇよさっさと行くぞ」
ロウ「ちょっと待ってよ。 何がどうなってるのか説明してよーー!!」
完。