第七話、過去!(脚本)
〇学校の校舎
体育館を出た後、グラウンドや他の場所を一通り2人に案内してから外は夕方となっていた・・・。
彩町彩果「これで学校案内は終わりですね。・・・どうでしたか、この学校は?」
天空寺姫花「私達が通っていた学校にないものがたくさんありましたし、とても興味深いです!」
天空寺姫乃「特に食堂がね。あたし達の学校って、あちこちから色んなシェフを雇っているから豪華な料理ばかり出るんだけど、」
天空寺姫乃「あそこの食堂は好きなメニューを自分で選べるからいいよね」
彩町彩果(色々なシェフを雇っているって・・・、さすがお嬢様学校だな・・・?)
彩町彩果(だが、他の事も含めて興味を持ってくれたようでよかった)
天空寺姫花「それより、彩果さん。先ほど仰っていた『ある場所』とは・・・どこへ向かわれるのですか?」
天空寺姫乃「そうそう、あたしも気になってたの!」
彩町彩果「・・・・・・」
彩町彩果「そうですね、では今からこちらに一緒に来てもらえますか?少し遠い所にありますから」
俺の言葉に2人はゆっくり頷くと、『ある場所』へ向かって歩き出す・・・。
〇並木道
天空寺姫乃「・・・ねぇ、彩果。一体、どこに向かってるの?」
彩町彩果「・・・・・・」
天空寺姫乃「彩果ってば──!!」
天空寺姫花(彩果さん、先ほどから答えようとしない・・・)
天空寺姫花(・・・もしかして、私達に言えない”理由”でもあるのかしら?)
天空寺姫乃「彩果・・・」
彩町彩果「・・・・・・」
〇山奥のトンネル
30分後──。
天空寺姫乃「っ!?ここって、トンネル?」
天空寺姫花「あ、あの彩果さん・・・?ここに一体、何が──?」
彩町彩果「目的場所はこのトンネルの中に入ってから、もう少し歩きます」
彩町彩果「あと、この中は少し匂いますが・・・それまで我慢してくださいね?」
天空寺姫花「は、はい──!!」
天空寺姫乃「わ、分かった・・・」
彩町彩果「・・・では、入りますよ?」
「・・・・・・」
俺達はゆっくりとトンネルの中に足を運んでいく・・・。
〇暗いトンネル
天空寺姫乃「うぅっ!暗い、怖いよぉ・・・」
天空寺姫花「物凄く不気味な所ですね・・・。何か出そうな気がします・・・」
天空寺姫花「それに、確かに先ほどから鼻が曲がりそうなくらい変な匂いがします・・・」
天空寺姫乃「くっさーい!!」
天空寺姫花「ひぃっ!!」
天空寺姫乃「い、今なんか聞こえたよ・・・!?」
彩町彩果「2人共、僕から離れないでくださいね。もう少しですから」
「・・・・・・」
姫花さんも姫乃さんも俺にしっかりとしがみついたまま首を縦に振る。
彩町彩果「ちなみに先ほどの不気味な声の正体ですが・・・」
彩町彩果「あれは僕が飼っている”ペット”の鳴き声なので気にしなくても大丈夫ですよ」
天空寺姫花「ぺ、ペット──!?」
天空寺姫乃「ね、ねぇ?一体、なに飼ってるの・・・?」
彩町彩果「えっ?普通に犬ですよ」
彩町彩果「見た目はかなり大きくて怒らせたら凶暴ですが、言う事をしっかり聞くよう躾けていますので人を襲ったりは絶対にしません」
「・・・・・・」
天空寺姫乃「あっ、ドアが見えてきた!!」
彩町彩果「ええ、そうです。そのドアから入れば、やっと目的地まで着きますよ」
彩町彩果「では、開けますね!」
ドアをゆっくり開け、俺達は中に入っていく・・・。
〇墓地
彩町彩果「着きました。ここですよ!」
天空寺姫花「こ、ここって・・・」
天空寺姫乃「お墓、だよね・・・?」
彩町彩果「・・・ええ、そうです。ある人にお願いして作ってもらった墓場ですよ」
彩町彩果「ここには僕が今まで出会った人や仲良くなった人がたくさん眠っている場所であります」
俺はある2つのお墓の前まで歩き、そこで足を止める。
彩町彩果「”父さん”、”母さん”。また来たよ・・・。今日は紹介したい人達を連れて来たんだ」
天空寺姫花「えっ・・・!?」
天空寺姫乃「お、お父さんと・・・お母さん!?ま、まさかこの2つのお墓って・・・!!」
彩町彩果「はい、そうです。両親はここで眠っているのです」
彩町彩果「僕が3歳の誕生日の時、旅行から帰る途中で両親を交通事故で亡くしました」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)