リボーン・メモリー

南実花

3.真相(脚本)

リボーン・メモリー

南実花

今すぐ読む

リボーン・メモリー
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇テレビスタジオ
キャスター「ここで速報です!」
キャスター「先日20代女性が殺害された事件で」
キャスター「その夫が重要参考人として取り調べを受けていましたが」
キャスター「新たに犯人が捕まったようです」
キャスター「犯人はカカオ100%のチョコを売りにしている店の店主だと」
キャスター「息子さんが証言したようです」
キャスター「繰り返します──」

〇空っぽの部屋
  (刑事)それではお話をお聞かせ願えますか?
  真紀 紗栄子さん
真紀 紗栄子「はい」
  まず被害者との繋がりは?
真紀 紗栄子「高校の同級生です」
真紀 紗栄子「クラス会で再会しました」

〇大衆居酒屋
同級生「それでは皆様の今後のご健康と更なるご活躍を願って」
同級生「一本締めをとらせていただきます!」
「パパパン、パパパン、パパパン、パン」
  私と彼女は高校時代 仲が良く
  クラス会が終わった後もゆっくり話したいと思っていたので
  私の店で飲み直さないかと誘いました
  すると彼女は息子がいるから、今日は帰るかな と言いました
  話を聞くと、7歳の息子と優しい旦那さんに恵まれたそうですね・・・

〇空っぽの部屋
  私とは真逆
  私の旦那は他の若い女と頻繁に遊びに行く男でした
  挙句の果てには私との離婚を迫ってきました
  その時私のお腹には赤ちゃんがいました
  だから別れられないと言ったら
  今度は暴力です
  私はこんな人に父親の役を任せられないと思い直し
  離婚に同意しました
  離婚が正式に決まったのは春でした
  私が花粉症に苦しめられる季節です
  知ってますか?
  赤ちゃんに花粉症の薬は毒になることを
  私はそれを忘れて、薬を服用し続けました
  それから1週間たった頃、異変が起きました
  すぐに病院に搬送され
  そこで検査が一通り終わった後、医者は私に流産を言い渡しました
  最低ですよね・・・
  花粉症の薬の件はちゃんと説明されていたはずなのに
  自分のことで手一杯になって 忘れていたんです
  そんな中クラス会に参加して、彼女の生活を聞き・・・
  (刑事)逆恨み・・・ですか?
  そうです、彼女も私と同じ目に合えばいい
  いや私よりももっと辛い目に合えばいいと思いました
  だから彼女を殺して、家族をバラバラにしようと思いました
  旦那を犯人に仕立てあげ
  そしてその子供を私のものにしようとしました
  そのために憎い彼女を私の店に何度も呼んで・・・
  息子さんと仲良くしよう
  そう計画しました
  だからあの子が私の犯行を見ていたのは誤算だった──
  もちろん見られたのだから殺そうと考えました
  でも出来なかった・・・
  2度も子供を殺せない・・・
  (刑事)なるほど・・・では犯行は認めるということで
  はい
  それではこれから逮捕するにあたって、いくつか書類を────

〇黒

〇殺風景な部屋
警察「いや〜お手柄だったよ! メタバース治療」
医者「荒治療なだけでなんの意味もない思っていたけど」
医者「意外といいヒントを我々に与えるのかもしれないね」
警察「ヒント?」
医者「少年はこの世界でカカオ100%のチョコにこだわっていた」
医者「この世界で変なこだわりを見せたら、それが現実世界でのヒントになる」
医者「もし次があるのなら、そう考えるようにするよ」
警察「でもこんなことはなるべく」
医者「うん・・・ない方がいい」

〇黒

〇警察署の入口
ゆうた「!!」
ゆうた「お父さん!!」
お父さん「ゆうた!!」
ゆうた「良かった・・・お父さんが帰ってきて」
お父さん「お前のおかけだぞ!ありがとうな」
ゆうた「うん・・・」
お父さん「・・・」
お父さん「帰るか」
ゆうた「うん!おうちに帰りたい!」
お父さん「ここからだとおうち遠いから、タクシー捕まえてくる」
お父さん「ここを離れるんじゃないぞ?」
ゆうた「はーい!」
ゆうた(あの夢の声の人・・・結局誰だったんだろ)
ゆうた(なんで僕の願いを知っていたんだろう)
ゆうた(家族が幸せになりますように)
ゆうた(僕が毎日神社でお願いしてること)
ゆうた(だから神様しか知らないはずなのに・・・)
  ~fin~

コメント

  • いやあ……まずは、お疲れ様でした! まさかあの脈絡のないお題から、ここまでストーリーを構築するとは! 私も三題噺には挑戦したことがありますが、とても難しかったので……お見事でした! 次の機会も楽しみにしています!

成分キーワード

ページTOPへ