〇魔王城の部屋
高野 裕翔(ヒロト)「魔王に洗脳されてたってことは・・・ 元々争いは起こす気はなかったってことだよな??」
吉沢 拓磨(タクマ)「そうだな・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「先代魔王を倒した際・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「奏楽が調教・・・ コホン 言い聞かせていたみたいだからな・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「調教って・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・調教の部分は聞かなかったことにしろ・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「は?? 今さらだろ？」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ 杏奈ちゃんや蓮君の教育に悪いだろ？」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「今さらなような・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「それより・・・ このおっさん・・・ どうするんだ？」
魔王部下「こいつは私が殺ります!!!!」
魔物1「いや!!! 俺が!!!!!」
魔王部下「こいつのせいで!!! あの聖女を怒らせてしまったじゃないか!!!」
魔王部下「くそっ!!!!! あの笑顔!!! 笑顔で現れた時の恐怖!!!」
魔王部下「許さない!!!」
元魔王「お前たち・・・ お前たちを残したまま先に行ってしまい・・・ 申し訳なかった・・・」
魔王部下「・・・ ん?? 君は・・・」
魔物1「・・・ なんだ?? 坊主??」
魔王部下「・・・ ん?? なんか懐かしい魔力・・・・」
魔物1「・・・ 懐かしいオーラ・・・」
魔王部下「お兄様!??!?!?!?」
魔物1「主か?!?!?」
元魔王「お、おう・・・」
魔王部下「す”み”ま”せ”ん”－－－－－－－!!!!!」
魔王部下「わ、私!!! お兄様になんてことを・・・!!!」
元魔王「いや・・・ 殴ったりけられたりしただけ」
魔王部下「ダメですーーー!!!! 手を挙げたことが許されないのですーー!!!!!」
魔王部下「びえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!」
魔物1「あ”る”し”－－－－－－－－－－－－－－!!!!」
魔物1「い、生きて・・・ ぐすっ・・・」
魔物1「ごりゅぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
元魔王「お、おい!! 話を──」
魔王部下「びえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!」
魔物1「ごりゅぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
元魔王「ま、まぁ・・・・ 仕方ないか・・・」
　　”洗脳”で気づけなかった元魔王の存在にようやく気付いた元魔王の妹と部下たちは・・・
　　元魔王に抱き着きながら、しばらく泣き続けていた・・・。

〇魔王城の部屋
魔王部下「ズビィィィィィーーーーーーーーー」
魔王部下「異世界に・・・・ 転生されていたのですね・・・」
魔王部下「ズビィーーーーーーーーー」
魔物1「ぐすん・・・」
魔物1「魔力も姿容姿も・・・ 小さくなられて・・・ おいたワシや・・・・」
元魔王「おい!!! 事実ではあるがお前に言われるとグサっとくるぞ！」
魔物1「も、申し訳ございません!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「そろそろ本題に入っていいかな？」
元魔王「・・・あぁ」
吉沢 奏楽(ソラ)「マオ君・・・ いえ。魔王様・・・」
元魔王「聖女様・・・ 俺はもう魔王ではない・・・」
魔王部下「お兄様!!! もうどこにも行かないでください!!」
魔物1「そうです！主!! 私たち魔族には！ あなたが必要なのです!!!」
元魔王「だが・・・ 今の俺は人間だ・・・ お前たちのもとにいる訳には・・・」
魔王部下「どんな姿になっていようとも!! 貴方は私のお兄様で!! 魔王様です!!」
魔物1「主!!!! その通りです!!」
魔物1「主が戻れば、あのような輩に騙されることは無いでしょう!!」
元魔王「・・・」
元魔王「その話はあとだ！ とりあえずお前たちは、あのおっさんの”洗脳”魔法を封印し、投獄しろ!!」
「はっ!!」
元魔王「そして、他に”洗脳”魔法を習得している者がいないかを徹底的に調査するんだ!!」
「はっ!!!!」
魔王部下「びえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!」
魔物1「ごりゅぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
元魔王「・・・」
元魔王「聖女さま・・・」
元魔王「洗脳されていたとはいえ、今回は僕の元部下たちが人間たちに多大な迷惑を──」
吉沢 奏楽(ソラ)「大丈夫よ・・・」
元魔王「・・・え？」
吉沢 奏楽(ソラ)「マオ君は、蒼と衛の大事な友人だからね・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「だから、魔王領と人間の国とのいざこざは・・・ 女神になんとかしてもらうわ・・・」
元魔王「・・・女神に???」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・女神に丸投げだぁ・・・・・・」