Ⅱ-33.”洗脳”(脚本)
〇魔王城の部屋
元魔王「っくっ」
魔王の部下・・・
もとい・・・
マオの前世の妹が・・・
魔王の命令により、
魔王の部下がマオにとどめをさそうとしたその時だった・・・
魔王部下「な、何事?!??!」
魔物1「グハーーーーーッ!!!!!!」
魔王部下「なっ!?!?!? 壁を突き破ってきたのか!??!」
魔王部下「お、おい!! 大丈夫か?!?!」
魔物1「ぐほっ!!!!」
魔王部下「き、気絶してる・・・!??!?!」
その時だった・・・
吉沢 奏楽(ソラ)「みぃ~~つけたぁ~~~~~!!!」
魔王部下「ひっ!!!」
魔王部下「そ、その顔・・・・・ その魔力・・・!!!」
魔王部下「も、もももももももしかして・・・」
魔王部下「せ、聖女様であらせられ──」
吉沢 奏楽(ソラ)「おい!!」
魔王部下「ヒッ!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「私がこの前(?)・・・ お前の主人を倒したときの約束を・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「まさか・・・ 忘れたのかな?」
魔王部下「あ・・・・ いえ・・・・ その・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「どうなの??!??!」
魔王部下「ヒッ!!!!!!」
魔王部下「今後人間界に手を出さなければ!! 残った魔族の命を見逃していただけると!!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「そうだよね~!? そう約束したよね~!!??」
吉沢 奏楽(ソラ)「じゃ・・・ 最近のお前たちの行動・・・ あれなに?」
魔王部下「ヒッ!」
吉沢 奏楽(ソラ)「滅びたいの??!?!?」
魔王部下「い、いえーー!!! 申し訳ありませ~~~ん!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ で、お前が新しい魔王・・・??」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・」
新魔王?「・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「その着ぐるみ・・・ 脱げ!」
新魔王?「ひゃッ・・・・・!!」
新魔王?「はい~~~!!!」
〇魔王城の部屋
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・」
高野 杏奈(アンナ)「・・・」
妖精「・・・」
元魔王「・・・」
???「ぼ、僕チン!! 実は魔王ではない──」
吉沢 奏楽(ソラ)「誰だー!!!!!!」
魔王の遠い親戚「ぐはーーーー!!!!!」
???「ゆ、許してくだせぇーー!!」
高野 裕翔(ヒロト)(何をどうツッコんで良いかわからないな・・・)
吉沢 拓磨(タクマ)(着ぐるみの中から・・・ 小さいおっさん・・・)
高野 杏奈(アンナ)「ちょっと・・・ キモ──」
妖精「杏奈ちゃーん!!! 皆言葉を選んでるから!!!!」
妖精「ねぇ?!? 杏奈ちゃんも選んで──」
妖精「痛っ!!! 辛辣すぎます~!!」
妖精「でも・・・ ちょっと気持ちよ──」
妖精「痛ッッッ!!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「本当・・・ あんた誰なの? ちょっとキモすぎない?!?」
妖精「言ったー!!!!! こいつも言葉選ばない系だったーー!!!!」
???「お、おいら・・・ おいらは・・・」
魔王部下「聖女様・・・ 彼は・・・ 元魔王様の・・・」
魔王部下「遠い遠い・・・ 親戚の方・・・なのです」
魔王の遠い親戚「ふふん!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・遠いってどのくらい??」
魔王部下「え・・・? あ・・・はい!」
魔王部下「魔王様の母親の長男の養子の婚約者の学生時代の隣の席だった男性の初恋の女性の──」
吉沢 奏楽(ソラ)「まて!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「ねぇ・・・ 母親の長男の養子の時点で、魔王との血の繋がりないから親戚か怪しすぎるよね?」
吉沢 奏楽(ソラ)「それになに? 婚約者の学生時代の隣の席だった男性の初恋の女性って・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「他人じゃん!!」
魔王部下「た・・・ たしかに・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「遠い親戚でもなんでもないじゃん・・・ 逆になんでそれで遠い親戚になったの?」
吉沢 奏楽(ソラ)「意味が分からなさすぎるんだけど・・・」
魔王部下「・・・」
魔王部下「何度も・・・ 魔王様の後をおって死のうと思いました・・・」
元魔王「・・・」
魔王部下「・・・だけど・・・ そのたびに、こいつに止められながら死んだように生きてる日々だった・・・」
↑こいつ
魔王部下「その時現れた・・・ 遠い親戚のこのお方に、魔王の仇を打つべきだと・・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・」
魔王部下「死ぬ前に・・・ 魔王様の仇を人間どもに討ってから・・・ 魔王様の元へ行こうとおもっていました・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ へぇ・・・」
魔王部下「で、ですが・・・ 今思えば・・・ なぜ、そう思ったのか・・・」
魔王部下「魔王様は・・・ 聖女であるあなたとの戦いで負けたことを納得しておられた・・・」
魔王部下「私たちも・・・ 仇などは考えていなかったはず・・・ それなのに・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ それはね・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「このおっさんの能力が”洗脳”だからだよ」
魔王部下「なっ!??!?」
高野 裕翔(ヒロト)「”洗脳”・・・だと?!?!?」
吉沢 拓磨(タクマ)「”洗脳”は、かなり昔に抹消されたと聞いていたが・・・」
高野 杏奈(アンナ)「キモいのは外見だけじゃなくて・・・ ”能力”もなのね・・・」
妖精「言ったーーー!!!!! 同感!! 同感だけど!!!」
妖精「痛ッッッ!!!」
魔王の遠い親戚「・・・ なぜ”洗脳”に気づいたのかナ?」
吉沢 奏楽(ソラ)「私は聖女だからね・・・ 状態異常には敏感なの!」
吉沢 奏楽(ソラ)「この魔王城にいる魔物や魔族たちの状態が”洗脳”になっていることにすぐ気づいたわ・・・」
魔王の遠い親戚「く・・・ くそ!!!! あと少しで人間たちとまた戦争を起こして僕チンが玉座でふんぞり返るつもりだったのに!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「はぁ? すでにふんぞり返ってるじゃん! 何言ってんの?」
吉沢 奏楽(ソラ)「”洗脳”を解くには、私の使う”解呪”の魔法でも解けるけど・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「”洗脳”されていると認識することでも解ける・・・ だから、この場にいる魔族たちもすでに解けてるわよ・・・」
魔王の遠い親戚「むむむ!!!」
魔物1「・・・くっ・・・」
魔王部下「目が覚めたのね・・・」
魔物1「あ、あぁ・・・ 話は聞こえていた・・・」
魔物1「俺たち・・・ こいつにいいように使われていたんだな・・・」
魔物1「・・・それに俺・・・ 魔王様との約束を破っちまった・・・」
魔王部下「・・・」
元魔王「・・・」
魔王の遠い親戚「今の魔王は」
魔王の遠い親戚「俺だーーー!!!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「”魔王”であるというならば・・・ ”勇者”である俺の出番だな!」
魔王の遠い親戚「・・・・・・は???」
魔王の遠い親戚「ゆ・・・ 勇者?!?!?!?」
魔王の遠い親戚「さ・・・ 最近召喚された勇者は使えないからここにはまだ来れないはずじゃ・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「今回の勇者は・・・な??」
吉沢 拓磨(タクマ)「俺は・・・・ 150代魔王を討伐した・・・勇者だ!」
魔王の遠い親戚「!!!!!!!!」
魔王の遠い親戚「れ、歴代最強で魔族を滅ぼしかけた・・・・ あの伝説の・・・」
魔王の遠い親戚「伝説の勇者タクマ様ーーー?!?!?!?!?!」
吉沢 奏楽(ソラ)「あ、ちなみに私は・・・ 151代魔王を倒したよ!!」
魔王の遠い親戚「・・・ この世界の勇者よりはるかに強く・・・ 魔王からこの魔王領を乗っ取り支配していた・・・」
魔王の遠い親戚「絶対敵に回してはいけない・・・ 人間だけではなく魔族からも化け物と言われていた・・・」
魔王の遠い親戚「伝説の聖女ソラ様ーー!?!?!?」
魔王の遠い親戚「で、伝説のお二人が一体なぜ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「だって・・・ねぇ??」
吉沢 拓磨(タクマ)「俺ら・・・兄弟だから・・・」
魔王の遠い親戚「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?!?!?!?」
魔王の遠い親戚「終わりだ ・・・ この世界の終わりだ・・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・あ・・・ 気絶しちゃった・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「こいつ・・・ 完全に”洗脳”の能力だよりで・・・ 本体は見るからに軟弱だな・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・」
高野 裕翔(ヒロト)(戦わずに倒したのか・・・ やべぇな・・・)