Ⅱ-32.元魔王の過去(脚本)
〇闇の要塞
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ ついたわね・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ なにか異様な魔力を感じるな・・・ おそらくもう戦いが始まっている!」
高野 裕翔(ヒロト)「急ぎ中に入ろう──」
高野 蓮(レン)「!!! 魔物の大群が!」
田所 蒼(アオイ)「姐さん!! 先に進んでください!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・蒼・・・」
田所 衛(マモル)「俺も残るぜ!!! マオをよろしく頼むぞ!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・衛・・・ わかったわ!!」
高野 蓮(レン)「師匠!! 僕も残るよ!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ 蓮君!! ここを任せるわ!」
高野 蓮(レン)「はい!!!」
高野 蓮(レン)「蒼!! 行くぞ!!」
田所 蒼(アオイ)「はい!!!兄貴!!! 兄ちゃんも!!」
田所 衛(マモル)「全員始末して合流するぞ!!」
〇要塞の廊下
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ 遠くで戦闘音が聞こえるわ・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「マオ君が戦っているのだろうか・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・」
「お待ちなさい!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「誰??」
魔王の手下「侵入者!!!発見!!! おいらがお前たちを倒して魔王様に褒めてもらうんだ!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・へぇ・・・」
魔王の手下「おい! おいらが倒しに来たのになんでそんなやる気がなさそうなんだ!??!?」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ ねぇ・・・ 君・・・」
魔王の手下「なんだ??!?! やっぱりおいらのことが怖いのか??」
吉沢 奏楽(ソラ)「男の子? それとも女の子??」
魔王の手下「ふぎゃ~~?!?!?!??!」
魔王の手下「ど・う・み・て・も!!」
魔王の手下「女だーーー!!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・え? そうなんだ!」
魔王の手下「ふぎゃーーー?!?!?!?!?!?!?」
高野 杏奈(アンナ)「・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「あ、杏奈ちゃん??」
高野 杏奈(アンナ)「いけ!!」
魔王の手下「???」
妖精「妖精様ーーー!!!! ミラクルスマーーーーッシュ!!!!!」
魔王の手下「な、なんだ?!?!」
魔王の手下「ぬおおぉぉおぉ?!?!?!?!」
高野 杏奈(アンナ)「ふふ♪♪」
妖精「ぬふふ♪♪ ぐぬふふふ♪」
妖精「ほめて~♪ 褒めて~♪」
妖精「痛ッッッ!!! 辛辣すぎるーーーッ!!!」
高野 杏奈(アンナ)「うふふ♪♪」
妖精「でも・・・ そういうのもあり・・・ ですな~~♪♪」
妖精「痛ッ!!! 痛ッ!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「さぁ・・・ 先に進もう・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ そうだな・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)(完全に・・・ 奏楽の影響を受けている・・・ 更生は可能だろうか・・・)
高野 裕翔(ヒロト)「・・・ うん・・・」
高野 裕翔(ヒロト)(杏奈・・・・・・ 強くなったことはうれしいが・・・ 笑顔のまま敵を倒すのは・・・ お兄ちゃんどうかと思うぞ・・・)
突如現れた魔王の手下を・・・
笑顔で屠る杏奈の姿を見て・・・
心でツッコむ者はいたが、面と向かってツッコむことはなかった。
〇魔王城の部屋
元魔王「グハッ・・・・!!!」
魔王部下「本当・・・弱いわ・・・」
元魔王「ぐはっ!!」
新魔王?「僕チンのこと倒すって息巻いた割に・・・ 弱すぎるんですけど~~!!!」
元魔王「くそっっっ!!!」
〇魔王城の部屋
──マオが魔王だったころ──
元・魔王「この世界はいつになっても争いが絶えんな・・・」
???「お兄様!!! 先に争いを起こしたのは人間です!!」
???「私たちを捕まえて奴隷にする者もいるようです!! 人間なんて滅びればいいのに!!!」
???「相変わらずだな~~・・・ まぁ、聖女とか勇者を召喚して女神の加護持ちを送り込んでくる人間のズルには腹立つけどな・・・」
元・魔王「まぁ、きっかけはどうであれ・・・ 世界征服の為に、人間を殺しているんだ・・・ 女神の怒りに触れても文句は言えん・・・」
???「まぁ・・・ それでも、俺は魔王の指示に従うぜ!!!」
元・魔王「・・・ 妹と幼馴染のお前たちが一緒ならば、世界征服という野望もなしえるだろう!!!」
???「はい!!! 私もお兄様の為にお仕えしますわ!!」
???「もちろん俺もだぜ!!!」
元・魔王「二人とも・・・ よろしく頼むぞ!!」
???「はいっ!!!!」
〇魔王城の部屋
マオは・・・
前世の記憶を思い出していた。
元魔王「・・・」
魔王部下「本当、早くくたばればいいのに・・・」
元魔王「ぐほっ」
新魔王?「も~・・・ 僕チンあきちゃった・・・」
新魔王?「そいつ・・・ 殺しちゃいなよ?」
魔王部下「・・・ わかりましたわ!!」
前世の記憶でマオの妹だった女性が・・・
マオにとどめを刺そうとしていた。
元魔王(くそっ!! 今の魔王を止めようと思ったのに・・・ 俺・・・今世はそんなに強くなかった・・・)
その時だった──
突如・・・
壁の破壊音が鳴り響いた・・・
〇寂れた村
一方そのころ──
寝ている間に・・・
蒼たち一行が魔王討伐に向かった時かされた勇者たちは・・・
大パニックに陥っていた。
根谷 忠司「え?俺弱いから、かなり頼れると思ってたのに・・・ 寝てる間に先に行っちゃったってなに??」
根谷 忠司「もしかして・・・ 俺が弱すぎて呆れられちゃった!??!」
根谷 忠司「で、でも~~!!! 俺たちだけで先に進むのはーーーーー! 命がいくつあっても足りないよ~!」
騎士「い、いける・・・ 俺たちだけでも・・・ いける・・・」
騎士「きっと、ネヤ様も・・・できる!! やればできる子・・・」
根谷 忠司「・・・え?? なんかその言葉、逆に傷つく・・・」
魔法使い「なんで、使えないヤツが残ってるの? また死ぬ可能性が上がったじゃん!!」
魔法使い(ふふ♡ ここにきて・・・ 『ウッカリ同衾大作戦』 ができそうな予感♡)
根谷 忠司「それは普通に傷つく・・・」
勇者一行は、お昼近くまで大混乱を起こし・・・
魔王討伐に出発するのは、日が傾きだしてからしばらく後のことだった。