エピローグ・世界に灯火を(脚本)
〇地下室
五年後──第六階層
ベリル・オークランド「なぜ、君がここに?」
「ここにあなたがいるって聞いてたから」
ベリル・オークランド「そうだ。俺は、ずっとここにいる」
「子どもたちの面倒を見てるって聞いたわ」
ベリル・オークランド「ああ」
「ねえ、ベリル」
「この国は、少しずつ変わり始めてるわ」
「〈トモシビト〉であれば地上でも活動可能なことが分かった」
「地上をめちゃくちゃにした〈トモシビ〉を、片付ける計画が動き始めたのよ」
「皮肉ね、あの時私の父が増やした〈トモシビト〉のおかげで地上に戻れることになりそうなんて」
ベリル・オークランド「でも俺はもう、〈トモシビト〉じゃない」
ベリル・オークランド「君の役に立てることは何一つない」
「関係ないわ、そんなこと」
「〈トモシビ〉研究機構の研究員としてじゃなくて、私個人としてあなたに会いに来てるの」
ユーラ・スノーヘル「久しぶりね、ベリル」
ベリル・オークランド「ユーラ」
ユーラ・スノーヘル「約束、守ってくれてありがとう」
ユーラ・スノーヘル「統制会議も、なるべく階層による格差をなくす動きが出ているわ」
ユーラ・スノーヘル「若い評議員の先生が頑張ってくださってるのよ」
ユーラ・スノーヘル「ニール・ハウルゼン評議員がね」
ベリル・オークランド「ニールが、評議員に・・・・・・」
ユーラ・スノーヘル「ベリル、来て」
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