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あとりポロ

エピソード53『最後の闘い』(脚本)

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〇美しい草原
  ????年、『導きの園』『柊なゆた』
柊 なゆた「『ブラック・ダド』って、何処だろ? 何処に居るんだろ?💦💦」
柊 なゆた「ええぃ、儘(まま)よ!!」

〇立派な洋館
柊 モカ(フリーシー装着)「ここは・・・」
柊 なゆた「『モカちゃん』知ってるの?」
柊 モカ(フリーシー装着)「以前、『ルークしゃん達』が住んでいた所でしゅ。 彼らの大事にしていた場所でした」
柊 モカ(フリーシー装着)「おそらく『ブラック・ダド』は、 ここに居ましゅ!」

〇城壁
桜 壱貫(さくら いっかん)「──貴様と闘えて、本当に良かった。 ・・・願わくば、 『なゆた』を守って、・・・逝きたかった」
柊 なゆた「『いっくん』!!」
柊 モカ(フリーシー装着)「『いっか』ぁああ!!」
柊 モカ(フリーシー装着)「よくも、 ・・・よくも!!」
柊 モカ(フリーシー装着)「こんな幼い『いっか』まで、 コ〇す事、ないじゃないでしゅかぁぁあ!」
柊 モカ(フリーシー装着)「『フリーシー』! 時の硬化を!!」
柊 なゆた「ま、待って、モ、」
柊 モカ(フリーシー装着)「あ、」
柊 モカ(フリーシー装着)「あはは、 あははは、」
ブラック・ダド「我に立ち向かい、敗れしキミ達よ 敗れ去ったキミ達は、世界の正義たりえない 後の世に遺(のこ)ることも無い」
ブラック・ダド「・・・・・・決して、ね」
ブラック・ダド「キミが、『柊なゆた』か」
柊 なゆた「・・・・・・」
ブラック・ダド「・・・無駄に散った彼らだが、」
ブラック・ダド「私は、この2人のチカラを どうにか、活かしてやりたいと思っている」
柊 なゆた「・・・・・・」
柊 なゆた「・・・・・・無駄、とか、」
柊 なゆた「・・・・・・活かしてやる、とか、」
柊 なゆた「後の世に遺るとか、遺らないとか!!」
柊 なゆた「そういう事じゃないだろ!!」
柊 なゆた「・・・アナタ、 この世界で、いったい何を見てきたの?」
柊 なゆた「この子、『モカちゃん』は、」
柊 なゆた「アナタの娘、 『マァサ・バッハ』なんだよ!!」
ブラック・ダド「・・・何を言うかと思えば、」
ブラック・ダド「そこを退きたまえ!」
ブラック・ダド「・・・・・・ありえない」
ブラック・ダド「そ、そんなバカな事が、」
  『ブラック・ダド』は声なき声で泣き、
  
  床を、地を打ち続けた。
  そこには、
  
  王者の風格なんて、これっぽっちも無い。
  
  ・・・ただ1人の父親の姿があった。

〇城壁
柊 なゆた「この中で、1人だけ、 1人だけなら、この薬?で生かす事が出来る、みたいなの」
柊 なゆた「化け物の彼、 『フォーチュンさん』が言うには」
ブラック・ダド「ほ、本当かね?!」
ブラック・ダド「頼む! それが事実なら、」
ブラック・ダド「『マァサ』を、 『マァサ』を救ってくれ! キミの言う事なら、どんな事にでも従う! だから、どうか『マァサ』を!!」
  言われるまでも無い。
  
  私は急いで、その薬?を『モカちゃん』に撃ち込んだ。
  けれど、
  
  片腕を失い、胸に剣を突き立てられ、血の抜けていった『モカちゃん』に、
  
  温もりが帰ってくることは、
  当然、
  
  ・・・・・・ありえなかった。

〇城壁
柊 なゆた「あたし、バカだから、 バカだから、よく分からないけど、」
柊 なゆた「何で、 何で、みんなみんなもバカなの!」
  ──その時、空が光った。
  その光が、
  
  『モカちゃん』の身体を打った。
  
  その死すら、戒(いまし)めるように。
  恐る恐る、
  
  『モカちゃん』に近づく。
  その、黒い血で染まった胸に、
  
  ────自身の耳を近づけた。
柊 なゆた「『モカちゃん』! 心臓が動いてる!! おじさん早く来て!!」
ブラック・ダド「本当かい!!」
ブラック・ダド「・・・・・・」
ブラック・ダド「退きたまえ!」
ブラック・ダド「大丈夫だ! 『マァサ』、パパが絶対、キミを救ってみせる!」
  『ダドさん』が、
  
  心臓マッサージと、人工呼吸を繰り返した。
  『フォーチュンさん』の薬のおかげだろうか?
  
  深い切り傷からの出血は、完全に止まっていた。
ブラック・ダド「痛くしてごめんな! 『マァサ』 起きて、起きてパパを叱っておくれ」
  そして、
  
  1人の少女に、──奇跡が起こった。
  𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭

次のエピソード:【最終話】エピソード54『私たちは、駆逐する』

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