ミツルの守護者 (没)

鶴見能真

第二部 黒翼との決着か(脚本)

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鶴見能真

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〇豪華な社長室
キース「ようミツル! コロしに来たぜー?」
  ・・・
キース「ありゃ? ここに居ると思ったんだがな・・・」
キース「おい後輩。ミツルはどこだ?」
ロクロ「ははは。後輩とは私の事か? 我が妻ならば”この世界”にいないいないぞ」
キース「妻? この世界に居ないってどういう事だ?」
ロクロ「この一年色々あってだな・・・精神壊して異空間に自分から封印されて閉じこもってしまったんだ」
キース「訳わかんね。会うにはどうするんだ?」
ロクロ「ストーカーの殺人鬼に教える訳ないだろ?」
キース「・・・まあアイツの考えそうな事は大体察しがつくな。おれも奴の守護者(別人格)だったからな」
ロクロ「ほんと厄介だな、元恋人や同級生みたいな昔馴染みのストーカーは」
キース「──そういう訳だ。手筈通り頼んだぜ”お前ら”」
ロクロ「誰に言ってるんだ?」
キース「おれの仲間だ。お前ら現在のミツルの守護者を殲滅させる手筈になっている」
ロクロ「僕等全員すら把握しているのか」
キース「おれが知っているのは初期の8人だけだ、おれを除いてな」
キース「それから10年以上が経って月に数人新しい奴が増えたり減ったり、全部で現在30人は居そうだが」
キース「そいつらの事も10人も知らねえと思う」
ロクロ「なるほどねー。僕を含めて最初の8人以外の10人以下の奴の事はどれ程知ってる?」
キース「何も知らねえって、ミツルの守護者な事しか」
キース「表向きの素性なんぞ興味無えからな。知りてえのはミツルに与えられた、人格としての”使命(能力)”だ」
キース「その能力も、判ってんのは”毒を使う奴”がいる事くらいだ」
ロクロ「俺の能力、ここで見てみるか?」
キース「いや・・・まずは大将として、部下共の戦闘を拝見しようじゃないか?」
ロクロ「別に俺大将じゃないんだがな」
キース「お前がおれにかかってくるのは勝手だぞ」
ロクロ「それだとすぐ終わってつまらないな」
キース「・・・笑えねえ皮肉だな」
ロクロ「まあいい。たまたま君とここに居る者として、ミツル側の代表で共に観ようじゃないか」
ロクロ「我々と君達の勢力によるミツルを賭けた戦いを」
  部屋のモニターにいくつかの場面が映し出される
キース「どうでもいいが、お前一人称全く定まらないな?」
ロクロ「出来たばかりでまだ人格の設定が定まって無いんだ。俺が出来てもう5年前後は経つと思うが」
ロクロ「たまに俺みたいに雑な創りの奴がいるんだよ、そしていつの間にか消えてたりな」
キース「おれへの当てつけか?」

〇神社の本殿
  ある神社
トーマ「すっかり秋ねー」
サクヤ「そうねー・・・」
トーマ「焼き芋作ろうかしら!」
サクヤ「火事にならない様にねー」
トーマ「サクヤもたべる?」
サクヤ「ええ。頂こうかしら」
トーマ「よっしゃー! 落ち葉集めるぞー!」
シュウ「すみませーん」
サクヤ「あ、はーい」
サクヤ「いかがなさいましたか? お賽銭は本殿に、おみくじ売店はあちらでございます」
シュウ「いえいえー。本日お越しになったのは・・・」
トーマ「えりゃー! とりゃー!」
シュウ「あの方を打ち取りに来たのです」
サクヤ「はい?」
トーマ「ん、なんじゃい?」
  突如発砲を受けるトーマだったが彼女の皮膚を覆う氷の膜のお陰でダメージは無い

〇大学の広場
「きゃーアカツキくんこっち向いてー!」
  瞬き青年に多くの黄色い声援が放たれる
トクノリ「ふっ──」
「アカツキくん一緒にお昼たべよー わたしお弁当作って来たの わたしは美味しお茶淹れたわ わたしのをたべて わたしをたべてー」
トクノリ「(色々食うに困らないのはいいが、ミツルと手料理が食えないのは困ったものだな)」
スズ「相変わらず、憎たらしい程モテるわね?」
トクノリ「やあ姉さん、一緒にどうだい?」
「きゃー! アカツキくんのお姉さんよー 弟さんをくださーい! わたしのアカツキくんよー ひっこめぶ──!」
スズ「そうね。学食行こうと思ったけど、こっちにするわ」
フユキ「あたしもいいかしらー?」
「誰?」
フユキ「あたしフユキちゃーん」
  秋になったばかりだというのに突然校庭に大雪が降り出す
「きゃー! 早く校舎に! アカツキくん達も早く!」
トクノリ「先に行ってろ」
  トクノリを囲む女学生達と校庭にいた生徒達は校舎に避難する
フユキ「ま、所謂人払いって奴ね」
スズ「ううーっ寒!」
トクノリ「ほら」
  トクノリは肩にかけてた上着を姉に被せる
スズ「あらありがとう。 薄手だけど無いよりマシかしらね」
フユキ「あらあら見せつけるわねー、美男美女カップルめ」
トクノリ「俺達は姉弟だぞちびっ子」
フユキ「誰がチビだゴラ! 凍らすぞ人間風情が」
トクノリ「何を言って──!?」
スズ「え、何! どこ行ったの!?」
  突如トクノリの姿が消える

〇白いアパート
  ピンポーン
「はーい」
ノエル「ようミツル! 久しぶりだな」
ノエルの娘「こんにちはー はじめましてー おじゃましますー」
AN「あら、あなたは確か・・・ノエルくん?」
ノエル「──びっくりした! ・・・誰だっけ?」
ノエルの娘「知人ておんなのひとか? おとうさまうわきか?」
ノエル「待て待て待て、お前からも何か言ってくれ」
AN「大丈夫! 私はただの知人だから」
ノエルの娘「ほんまかー?」
ノエル「そーなんだよ、わかったか?」
ノエルの娘「ほなそーいうことにしといたるわ」
ノエル「えーっと、あんたは確かミツルの浮気相手の、”アン”って言ってたか?」
AN「違う違う! 浮気じゃなくて飲み友達の”AN”よ」
ノエル「まあどっちでもいい。ミツル居ねえのか?」
AN「え? ミツルがいないのは守護者(わたしたち)の共通事項じゃないの?」
ノエル「俺は知らないが、・・・まあいい。ここに俺の刀があるだろ、持ってくがいいか?」
AN「刀? ああ、そういえばミツルから預かってたわね」
AN「はい」
ノエル「おお、すまねえ。急に有り様になってな、本当はこっちに住む身内に頼むつもりだったが・・・」
ノエル「連絡が取れねえんで家族旅行がてら直接来たわけだ」
ノエルの娘「おとーさまー、よーがすんだなら、はようおかーさまとおひるごはんたべいこうやー」
ノエル「おう、そうだな。じゃ、ミツルや他の奴らによろしくな」
AN「おっけー」
ノエルの娘「おなかぺこぺこやわー」
「・・・」
ノエル「ん?」
AN「あら?」
ノエルの娘「殺気!?」
  ノエルは突き刺す刃物を指で挟みANは飛んで来た鋭い木の枝をフライパンで受け止める
???「くっ!?」
ノエル「全く危ねえなー。”当主様”を暗殺したけりゃもっと気配を消さねえと、ウリュウちゃんにもバレてるじゃねえか」
ノエルの娘「なんやとー! それじゃうちがちちうえよりよわいみたいやないか!?」
ノエル「そうだな、お前は”父親であるトウセンタツミ”より強いぜ。”父親”と違ってお前は天才だからな」
ノエルの娘「なにいうてんねん。さいきょうのひいじいさまでもかてへんものにかったちちうえのほうがうちよりすごいやろ」
ノエル「はっはっは。それは気にするな、関係無いから」
AN「知り合い?」
青子「・・・」
ノエル「おう、さっき話したこっちに住む親戚だ」
実茅「すっごーい。わたしの小枝ちゃんだけじゃなくて青子の刀も止めちゃった!」
ノエル「こっちは知らないな。青子お前の友達か?」
青子「お久しぶりでござるタツミ様。こちらは拙者の友、実茅殿でござる」
実茅「みかやちゃんて呼んでねー そうじゃないとチクッとして血しぶきぶしゃーだよ」
ノエル「こらこらお子様の前で怖い事言うんじゃないよ」
ノエルの娘「子供扱いするなやー」
  ※東川龍(とうせんたつみ)の物語 SAMURAI RYU公開中

〇個人の仕事部屋
レッカ「お初にお目にかかる」
チヒロ「えーっと貴女は・・・。確かキースさんのお仲間でしたね」
レッカ「はい。レッカと申します」
チヒロ「どういう訳かセキュリティの万全なこの建物の部屋に突然現れるだなんて、魔法でもお使いになられたのでしょうか?」
レッカ「・・・」
チヒロ「トーマやミツルさんがいつでも入って来られる様に魔法の警備は全くなかったのですよね」

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