ビンダーパープル

但馬感象

31面 パープルタイム(脚本)

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〇お祭り会場
  拍子抜けってやつですか?
女子高生「・・・そんなことない」
  ・・・もちろん、運命の人ですから
  って、ちょっとうざいか
  さ、なんなりと、何か食べますか?
  高校生の女の子が
  どんな相手かと来てみれば
  こんなおっさんじゃな
  でも、そう言ってくれるなら
  おもてなししますよ
  こっちのお祭り楽しんでって下さい
  ダンボールの切れっぱしまとめながら

〇未来の店
折中珠未「これじゃすぐスカスカしちゃうね」
江藤鉱「そっすねー もっと隙間に置けりゃいいんすけど」
  新商品のお菓子の陳列。
  と、折中さんが、
  お菓子のショーケースを開けようとする。
江藤鉱「どしたんすか?」
折中珠未「中のやつ、あの子がほしいっぽいんで」
折中珠未「キレイなやつ」
江藤鉱(中のキレイかな ちっとへこんでない?)
江藤鉱(倉庫にないかな)
  チョコサンドクッキーの
  紙箱くらいのもの。

〇未来の店
大花歴亜「兄さんしっかりして」
大花歴亜「兄さんが私たちのために してくれてるのはわかってるから」

〇スーパーの店内
  ──九宝さんと九宝さんの彼氏、
  スーパーに入って
  かいがいしくお買いもの。
  何で同じタイミングで
  買いものに来てんだ俺、具合悪いのに
  彼氏、ちりちりドレッドヘアーで
  (九宝さんも前はちりちりやったな)
  あ、この人って俺のこと
  少し気づいたっぽいけど、
  カート転がして下向いて
  物色してるていでやり過ごそう・・・
九宝優梨「江藤くん」
  あ、どうも
  結局気づかれて、
九宝優梨「クリも来てるよ」
九宝優梨「クリはクリの友達と」
九宝優梨「うちの彼氏は彼氏の友達と」
  ああ、じゃあ
  嫉妬することもないっすね
  (それぞれやましくないって)

〇未来の店
葵星羽「はい、いらっしゃいいらっしゃい」
葵星羽「今まさにパープルどきだよ」
葵星羽「真紫だよっ」
  本当に彼女と関わりたいなら
  今言わないと駄目だよってことか

〇ベビーベッドの置かれた部屋
  家にホロがある?
  それで子供が寝てる?
  家にホロがあるところなんてないですよ
  星羽さん、面白いですね

〇未来の店
折中珠未「何それー、いつからー?」
  三月に告白して──
  青Tシャツのコラッコル柄が、
  くまになってる。
  その前に、シフトに
  折中さんの名前がない。
折中珠未「いっぱいいるからじゃないですか?」

〇撮影スタジオ
折中珠未「猫ちゃんがいないっ、紫の」
折中珠未「で、買っちゃいましたっ」
折中珠未「手がハサミ形のエビっぽいの」
折中珠未「ちょっと違う、珍しいですね」
折中珠未「古いのって入ってこないですよね」
  ──箱におさまってる折中さん。
  目が合って。
  折中さんは目をそらして、
  赤くなってる?
江藤鉱(二人だけ、この雰囲気)
江藤鉱(場所違うけど、言わなくちゃ・・・)
  近くに行って、正座して、
  ちょっと左に傾いて・・・
江藤鉱「折中さん」
江藤鉱「俺、折中さんのことが好きです」
江藤鉱「俺と付き合ってもらえませんか?」
  首振られちゃった。
  ダンボールで顔隠してて、すぐ振られた。
  付き合ってもらえませんか?
  縦に振る=もらえません
  横に振る=
江藤鉱(・・・馬鹿だな)

次のエピソード:32面 気持ちそのまま

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