44話 最有力候補よ!(脚本)
〇神殿の門
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「やっぱりテルヌンドの魔法は凄いですねお兄さま! こんなにたくさんの人を転移魔法で移動させていたなんてびっくりしたわ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「この魔法陣のおかげで学園に通うのが楽でいいな」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「テルヌンドの生徒たちはみんなここから通っていたのね!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「レバノスタン領ごと引っ越せるくらいの魔法大国だからな。まだまだいろんな魔法がありそうだ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「今日はあの美しい方が借りている屋敷に招かれているんですよね!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ああ。テツナとフィガロさまが待ってる。そうだ! マレオッサ令嬢も呼ぶか? アゥルペロの話し相手になるだろ?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「マレオッサ会長? 仲良いのか?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「別に呼ばなくてもいいわ。仲は良くないし」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「でも友達になってくれるらしいわ。呼んだらすぐ来るって」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「すぐ来てくれるなら呼ぼう。テツナに呼んでいいか後で聞いてみる」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「エレエレとベラが待ってるぞ。まずは屋敷に帰ろうぜ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「そうね! はやく帰りましょう!」
〇西洋の城
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ただいまエレエレ」
エレエレ・テンテンポム「おかえりなさいませ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ただいまベラ!」
ハグスタリ・ベラ「おかえりなさいませお嬢さま」
ハグスタリ・ベラ「お着替えの準備はできていますよ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ええ、行きましょうお兄さま! ワヌゥレン卿も!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ああ今行くよ」
ナーヤ・ガーヤ「ルゥラッハ〜!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うわあああああああッ!?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・? ルゥラッハ? 誰だこの人?」
ナーヤ・ガーヤ「ルゥラッハ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ひ! なんでお前がここにいる! ここはテルヌンドだよな!?」
ナーヤ・ガーヤ「知ってるよ引っ越したことくらい。自分でポロッとかわいく言ってただろ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「かわ・・・!?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「か、帰ってくれ」
ナーヤ・ガーヤ「俺の家すぐそこだから気にしないで」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「は?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「きゃああ・・・! まさか引っ越してきたんですか!? お兄さまのために!?」
ナーヤ・ガーヤ「うん。テルヌンドに引っ越す前に帝国に残るレバノスタン領の人たちが空けた宿屋があるでしょう? そこにギルドのみんなで」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「なんて行動力のある人なの! 素晴らしいわ!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「帰れよ! ストーカー!」
ナーヤ・ガーヤ「どこに逃げても俺には筒抜けだからなルゥラッハ。逃がさない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(こわっ!!)
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「お、おいお前何なんだよ。ストーカーって」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまの婚約者候補の一人でナーヤさまとおっしゃるそうよ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「え・・・ こ、婚約者候補!?」
ナーヤ・ガーヤ「そう言うアンタは?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ワヌゥレン卿です!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ルゥラッハの婚約者候補って・・・お前ルゥラッハのことが好きなのか!」
余計なこと聞かなくていい
ナーヤ・ガーヤ「うん! めっちゃ好きだ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「きゃああ! 聞いたベラ!?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「この方は王さまと並ぶ最有力候補よ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「なっ! お、俺はアゥルペロ! 俺!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「この方に比べたらまだまだね」
エレエレ・テンテンポム「待ってください! この男は情報屋ギルドの長ですよね・・・!」
エレエレ・テンテンポム「ルゥラッハさまを襲ったと言う・・・! そんな奴が近くに引っ越してきたなんて危険です!!」
エレエレ・テンテンポム「今すぐ排除しましょう!!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「賛成!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「エレエレ頑張ってるわね・・・」
落ち着けお前たち・・・
排除って・・・そんなことしないよ。テルヌンドの敵ってわけじゃないんだし
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「帝国の情報ギルドだろ?」
ナーヤ・ガーヤ「別に帝国に属してるわけでも依存してるわけでもないけどな」
ナーヤ・ガーヤ「俺は将来ルゥラッハの専属の情報ギルドになりたい」
いらない!!
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあまあ。落ち着いてくださいお兄さま! フィガロさまたちが待っているのよ! ナーヤさまも一緒にみんなで行きましょう!」
え・・・こいつも!?
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「行きましょうベラ」
ナーヤ・ガーヤ「くく・・・婚約者候補たちの顔を拝んでやるいい機会だな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「な、なんでそんなこと知ってるんだ? 言ってないよな?」
ナーヤ・ガーヤ「あれから大急ぎで調べたぜ♪ アンタのことだからな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うう・・・」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「行こうぜルゥラッハ! そんなやつ置いていこう!」
ナーヤ・ガーヤ「ワヌゥレン卿・・・ルゥラッハの幼馴染だったな。キスしようとしたのもむかつく。絶対負けねえ・・・」