断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

42話 その女をわからせて!(脚本)

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〇結婚式場の前
◆◆◆「見てレバノスタン家の馬車よ」
◆◆◆「帝国から逃げてテルヌンドへ引っ越したらしいわ」
◆◆◆「逃げた? 見放されたのは帝国でしょうね」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま、今日のお昼はいつもの場所で食べましょう。お兄様の婚約者候補にエントリーしたワヌゥレン卿もくると思うわ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうだな。また3人で食べよう」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ええ! お兄さまの婚約者候補にエントリーしたワヌゥレン卿も来ると思うわ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あ、アゥルペロ・・・そう何度も言わなくても聞こえてる・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄様の婚約者候補にエントリーしたワヌゥレン卿も──」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「わああああわああああああ──ッ!! やめろやめろ!! 何大声でプライベートなこと叫んでんだよッ!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ふふふ・・・見ましたお兄さま? 校門の前に立っていた女性、学園のゴシップを狙っていた記者なのよ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「今の話が明日には新聞に載って、お兄様の婚約者を探していることがきっと帝国中に広まるわね!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「宣伝に俺を使うなッ!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あら? 婚約者候補から外されたいのかしら?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「うぐ・・・な、なんて女だ。弱みを握ったつもりかよ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「また消極的な態度を見せたらすぐにでも候補から外しますからね!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「今すぐ覚悟を見せなさい!! もう選考は始まっているようなものよ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「覚悟って・・・何しろって言うんだよ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまへの愛を囁きなさい」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・・・・」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「お前何言ってんの?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あなた今あの女と噂されてるのよ!! そんな奴にお兄さまを任せることなんてできません!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「あのなあ・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ぐえ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま!? 大丈夫ですか・・・!?」
エウレット・ヘヌシアン「ワヌゥレン、待ってたわ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「エウレット!? お前なんでルゥラッハを──」
エウレット・ヘヌシアン「”なんで”ですって?」
エウレット・ヘヌシアン「”婚約者候補”って何よ? 私、そんなこと聞いてないわよ? あなたとこの男が”友達”だから私はあなたを憎めなかったのよ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「振られたくせにお兄様の婚約者候補に付き纏わないでくださる!?」
エウレット・ヘヌシアン「うるさいわよ! アンタは婚約者を人から奪っておいて、ドブ扱いして捨てるなんてね・・・!」
エウレット・ヘヌシアン「しかも何? マレオッサ会長とも親しいそうじゃない? 私や私の友人を退学に追い込んで楽しい?」
エウレット・ヘヌシアン「しかもアンタの兄まで私の恋人を奪ったのよ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「恋人ですって!? 婚約者がいながら浮気してたのね!」
エウレット・ヘヌシアン「人の婚約者を浮気させてたのはアンタでしょ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「浮気なんてしてないわ! キャラバスティン様はあなたが婚約破棄を許さなかったから浮気しているみたいに見えてただけよ!」
  それは違うぞアゥルペロ
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「違う。あいつはそう言って色んな女に手を出してたんだ。お前もその一人だよ」
  よく言ったワヌゥレン!
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あなたどっちの味方なの!?」
エウレット・ヘヌシアン「私の味方に決まってるでしょ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「エウレット、俺お前の敵になるって言ったよな?」
エウレット・ヘヌシアン「それって、あの男のせいなんでしょ? 私は相手が”友達”だからだと思ってるのよ?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「そ、それは・・・」
エウレット・ヘヌシアン「なのに”婚約者”ってなんなのよ! あなたが男を好きだったなんて! この女に奪われた方がマシよ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「男は関係ないだろ! 俺はお前のことも好きになりかけたんだし・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「悪趣味ね」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「アゥルペロ、お前だってあのドブを好きになってたんだからいい加減俺のことを許せよ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「う・・・」
エウレット・ヘヌシアン「ワヌゥレン、私も好きよ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「聞いてたのか? 好きになりかけてたって言ったんだ、そもそも俺たちは恋人じゃない」
エウレット・ヘヌシアン「私は好きなの!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「うわっ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「え、エウレット落ち着け!」
エウレット・ヘヌシアン「いやよ! 私のワヌゥレン! 帰ってきて! 私が目を覚させてあげるわ!」
  ワヌゥレンも大変だな・・・
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄様の婚約者候補から離れなさい変態女!」
エウレット・ヘヌシアン「ワヌゥレン、好きよ・・・」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「わわわわ、悪い俺は──」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「こう言うことは、ルゥラッハとしたい──ッ!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「・・・・・・」
エウレット・ヘヌシアン「・・・・・・」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「あ・・・」
  大声で何言ってるんだワヌゥレン・・・! って言うか俺と・・・そんなことをしたかったのか!?
エウレット・ヘヌシアン「わ、ワヌゥレン・・・本気なの?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・そ、その、俺が好きなのは今も昔もルゥラッハだから」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「よく言ったわワヌゥレン卿!! これは加点ね!」
エウレット・ヘヌシアン「嘘よ・・・嘘よそんなの!」
エウレット・ヘヌシアン「みんな違うのよ! ワヌゥレンは私のことを好きなのよ!!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ち、ちが・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「この女どうかしてるわ・・・」
エウレット・ヘヌシアン「私のワヌゥレンなのよレバノスタン卿ッ!! ワヌゥレンは私のことが好きなのあなたじゃないわッ!!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「違う!! 俺はルゥラッハが大好きだッ!!」
エウレット・ヘヌシアン「それは友達だからでしょ! 勘違いしてるのよ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「俺はルゥラッハにキスしたいしされたいし触りたいし、していいのならそれ以じょ──とにかくずっと一緒にいたいんだッ!!」
  もうやめてくれ・・・!
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「いいスイッチが入ったわね。あの女珍しくグッジョブだわ!」
エウレット・ヘヌシアン「信じないわ・・・信じないわよ!」
エウレット・ヘヌシアン「ワヌゥレン、私はあなたを信じてるのよ・・・だから」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「だから俺はルゥラッハとしかしたくないんだって」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「素晴らしいわ! その女をわからせるのよ! 見せつけてやりなさいワヌゥレン卿!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「る、ルゥラッハ・・・」
  え・・・
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ご、ごめんな?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「きゃあああああ!」
  ま、待って待って待って待って!!
  気持ちは嬉しいけど俺は好きな人としかそう言うことは──
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「俺は好きだよ」
  ひええええええ!
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「うぐっ・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あ、危なかった・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ま、まあお兄さま・・・後もう少しだったのに。手加減を知らないのね」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロ、いい加減にしなさい。言っただろ、俺のことは後回しでいいんだ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あら、後回しはダメよお兄さま! 私が幸せになるためにはお兄様も一緒じゃなきゃダメだもの!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうか。じゃあ一緒に・・・」
エウレット・ヘヌシアン「ちょっと待ちなさい。私を無視してその女の幸せの話をするの? いい加減にするのはそっちよ!」
ペルゼシア・マレオッサ「いいえ。いい加減にするのはあなたよ。ヘヌシアン公爵令嬢」
エウレット・ヘヌシアン「ま、マレオッサ会長!? どうしてここに!!」
ペルゼシア・マレオッサ「”どうしてここに”? ええ。あなたのご友人は私の足止めに失敗したわ。あんな人に興味はないの」
ペルゼシア・マレオッサ「それにあの程度の足止めで私が止められるはずもないわね」
エウレット・ヘヌシアン「確かにマレオッサ家は名家ですわ。でも私の方があなたより権力は上のはずよ」
ペルゼシア・マレオッサ「でもあなたは生徒会長じゃないわよ?」
エウレット・ヘヌシアン「何ですって!?」
ペルゼシア・マレオッサ「私は学園の代表だけでなく他国の使者でもあるんですよ? もしかして戦争を起こす火種になるくらい偉いとでも言うのかしら?」
エウレット・ヘヌシアン「火種!? こんなことが火種になるわけないでしょ!」
ペルゼシア・マレオッサ「なりますよ? なんて言ったって、ルゥラッハ・オル・レバノスタン様は私の国の王の”婚約者候補”ですから」
エウレット・ヘヌシアン「・・・・・・」
エウレット・ヘヌシアン「・・・え?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ! 王さまがお兄さまを守ってくれてるんですね!」
ペルゼシア・マレオッサ「ええ。国王はルゥラッハ様を糸くず女から守れと命令されたわ」
ペルゼシア・マレオッサ「手を出した者がいたら許さないと帝国にも既に警告しているわ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ・・・やっぱり王さまは最有力候補だわ!」
ペルゼシア・マレオッサ「ふうん・・・ああ言う人が好みなのね?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「え?」
ペルゼシア・マレオッサ「ちなみに私はあなたのためにここへ来たのよ? 私はただの使者で国王の直接の僕ではないもの」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「そ、そうなんですか?」
ペルゼシア・マレオッサ「だから足止めをくらっていてもよかったのだけど、あなたが心配で助けにきたのよ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「そ、そうなんですね?」
ペルゼシア・マレオッサ「あら? また”ありがとう”とは言ってくれないの?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あ、ありがとうございます・・・」
ペルゼシア・マレオッサ「ふふ・・・本当にかわいいわね」
エウレット・ヘヌシアン「ま、マレオッサ会長?」
ペルゼシア・マレオッサ「ヘヌシアン公爵令嬢、まだいたのね。あなたはもう退学候補よ?」
エウレット・ヘヌシアン「な、何ですって!?」
ペルゼシア・マレオッサ「あなたはたった今問題を起こしたから退学通知が実家へ送られたはずよ」
エウレット・ヘヌシアン「なんですって──し、失礼します!!」
ペルゼシア・マレオッサ「じゃあまたね、レバノスタン侯爵令嬢」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「押し付けがましい人だったわね。助けてなんて言ってないのに」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「でも素敵な人だな」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「え!?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あ、ああ言う人好きだったんですか!? 私あの人に・・・私ったらなんてことを・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「いや・・・そう言うわけじゃないけど」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「で、でも素敵って・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロを何度も守ってくれてるからな」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「・・・・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「そ、そうね。確かに。押し付けがましいけど」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あの人がいてくれればアゥルペロのことは心配ないな」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「私、まだお兄さまに甘えていたいですけど・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「も、もちろんだ! 離れて欲しいわけじゃなくて──!! 仕事とかで常にそばにいてやらないからで──!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ふふ・・・私、お兄さまがいなくても大丈夫になるために頑張るわ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「それは・・・寂しいような」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「冗談です! 私とお兄さまを引き離そうとする人とは私結婚しないし、お兄さまの婚約者候補からも外すわ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(レバノスタンに婿入りしてくれる人がいいってことかな?)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「それはいいな」

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