スイーツ🍰ラブ

草加奈呼

スイーツラブ🍰 (配信可能用)(脚本)

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〇ゆめかわ
幼い頃の圭樹「ショウコちゃん、 お誕生日おめでとう!」
幼い頃の祥子「わぁ〜っ、ケーキだ!」
幼い頃の祥子「これ、ケイちゃんが作ったの!?」
幼い頃の圭樹「お、おう、まぁな」
幼い頃の圭樹(おかあさんに手伝ってもらったけど・・・)
幼い頃の祥子「すごーい!」
幼い頃の祥子「将来は、パティシエさんだね!」
幼い頃の圭樹「ショウコ、ケーキ好きだもんな」
幼い頃の祥子「うん、ケーキ大好き!」
幼い頃の圭樹「お、おう・・・」
幼い頃の祥子「どうしたの、ケイちゃん?」
幼い頃の圭樹「なんでもない・・・」
幼い頃の圭樹「それより、 たくさんあるから食べようぜ!」
幼い頃の祥子「こんなにたくさん!」
幼い頃の祥子「いただきまーーす!」

〇可愛い部屋
「うぅ〜ん、圭ちゃん、 もう食べられないよぉ・・・」
「・・・ハッ」
加藤祥子「なんだぁ・・・ 夢か・・・」
加藤祥子「懐かしい夢だったな」
加藤祥子「あれから圭ちゃん、毎年ケーキを 作ってくれるようになって・・・」
加藤祥子「今年も楽しみだな♪」
加藤祥子「え・・・ な、なに・・・!?」

〇広い厨房
名取圭樹「いってぇ〜」
  ※洋菓子店風のコックコートの立ち絵がないため、心の目でコックコートを補完してください😇
加藤祥子「ちょっと、圭ちゃん大丈夫!?」
名取圭樹「だいじょばない」
名取圭樹「うわっ、祥子 なんてカッコで来てるんだよ!」
加藤祥子「・・・へ?」
名取圭樹「『・・・へ?』じゃないよ。 そんなカッコで男の前に立つなよ」
加藤祥子「ごめん。 でも、圭ちゃんだし」
名取圭樹(えぇ──)
名取圭樹(がんばれ、俺)
「け〜〜い〜〜き〜〜〜〜」
  ※洋菓子店風のコックコート(以下略
加藤大福「この忙しい日に何やってんだ!」
名取圭樹「すみません、師匠」
加藤大福「祥子、おまえも着替えて手伝え!」
加藤祥子「は、はーい」

〇ケーキ屋
加藤祥子「いらっしゃいませー」
婦人「予約していたクリスマスケーキを」
加藤祥子「ご予約のお客様ですね!」
加藤祥子「こちらのケーキで お間違えないでしょうか?」
婦人「そうそう、これよ」
婦人「やっぱりここのケーキが一番だわ」
加藤祥子「ありがとうございました!」
加藤祥子「さすがクリスマス。 ケーキも完売しちゃった」
加藤祥子「そろそろ閉店の準備しなきゃ」
名取圭樹「お疲れ、祥子」
加藤祥子「圭ちゃんも、お疲れ様!」
名取圭樹「あ、あのさぁ、祥子・・・」
加藤祥子「ん?」
名取圭樹「これ──」
加藤祥子「あれ? まだひとつ余ってた?」
名取圭樹「祥子のだよ」
加藤祥子「えっ?」
名取圭樹「黙ってろって言われてたんだけどさ・・・」
名取圭樹「師匠が作ったんだ」
加藤祥子「お父さんが!?」
加藤祥子(今まで、忙しくて作ってくれたこと なかったのに・・・)
加藤祥子(急にどうして?)
名取圭樹「おまえさ、卒業したらこの家出るんだろ?」
名取圭樹「だからじゃね?」
加藤祥子「お父さん・・・」
加藤祥子「えへへ」
加藤祥子「圭ちゃんも、一緒に食べよ?」
名取圭樹「サンキュ! 片付け終わったらな!」
「すみませんっ!」
男の子「クリスマスケーキ、 まだありますかっ!?」
加藤祥子「も、申し訳ありません、 たった今完売しまして・・・」
男の子「そんな・・・」
男の子「ばあちゃんが、ここのケーキ、 好きで・・・」
男の子「そのケーキは!?」
加藤祥子「あっ、こ、これは・・・」
加藤祥子「クリスマスケーキじゃないんです」
男の子「なんでもいいです! 売ってください!」
加藤祥子(ど、どうしよう・・・)
加藤祥子(お父さんがせっかく作ってくれた ケーキなのに・・・)
???「売って差し上げなさい、祥子」
加藤祥子「おと・・・店長!」
加藤大福「どうやら、何か事情がおありのようで」
男の子「ばあちゃんが・・・天国へ行く前に ここのケーキ食べたいって言ってるんだ」
男の子「本当はダメなんだけど」
男の子「実物だけでも見せてやろうって」
加藤大福「そうでしたか」
加藤大福「祥子、急いで箱に入れて」
加藤祥子「は、はい!」
名取圭樹(・・・)
加藤大福「お代は結構です」
男の子「えっ!? いや、ちゃんとお金はあります・・・!」
加藤大福「実はあれ、売り物じゃないんですわ・・・」
加藤大福「私が試作で作ったものでして」
加藤大福「なので、お代はいただけません」
男の子「そ、そうですか じゃあ・・・」
加藤祥子「お待たせいたしました」
男の子「すみません、無理言って」
加藤祥子「いいえ。 また来てくださいね」
男の子「はい!」
加藤祥子「・・・」
加藤大福「すまんな、祥子」
加藤祥子「ううん」
加藤祥子「私は、いつでも食べられるし」
加藤祥子「お父さん、片付けまだでしょ? お店の方は私がやっておくから」
加藤大福「そうだな・・・ 圭樹、行くぞ」
名取圭樹「・・・はい」
加藤祥子(・・・仕方ないよね)
加藤祥子(お客様第一だし)

〇可愛い部屋
加藤祥子「今日はお店の手伝いで疲れたぁ〜」
加藤祥子「・・・」
加藤祥子(・・・もうすぐ24日が終わっちゃうな)
加藤祥子「・・・寝よっと」
「祥子〜 圭樹くん、来てるけど・・・」
加藤祥子「圭ちゃん!?」
加藤祥子「えっ、もうパジャマだよ!」
「祥子、そのままでいいから聞いてくれ」
「誕生日おめでとう」
「さっき、言いそびれてごめん」
加藤祥子「わざわざ、それを言いに?」
「いや、あと・・・ ケーキ作ってきた」
加藤祥子「ケーキ!?」

〇部屋の扉
名取圭樹「うぉっ!?」
加藤祥子「圭ちゃん、ケーキは!?」
名取圭樹「だぁかぁらぁ・・・」
名取圭樹「はぁ・・・」
名取圭樹「ま、いっか」
名取圭樹「これ、即席で悪いけど」
加藤祥子「わぁ・・・」
加藤祥子「ありがとう、圭ちゃん」
名取圭樹「いいってことよ」
名取圭樹「・・・じゃ、俺、帰るわ」
加藤祥子「うん、おやすみ」
「あら、帰るの?」
「はい、夜分遅くにすみませんでした」

〇可愛い部屋
加藤祥子「うーん・・・」
加藤祥子「考えてみたら」
加藤祥子「今食べたら確実に脂肪フラグじゃんね!?」

〇ケーキ屋
  ── 翌日 ──
加藤祥子「ありがとうございましたー」
加藤祥子「ふぅ、今日も忙しかったぁ」
加藤祥子「そろそろお店閉めなきゃ」
加藤祥子「あっ・・・」
加藤祥子「いらっしゃいませ!」
女性「昨日は息子が無理を言って すみませんでした」
加藤祥子「いいえ、 おばあさまには喜んでいただけましたか?」
女性「はい、それはもう!」
男の子「ばあちゃん、あのケーキ見るなり 目を輝かせちゃってさ!」
女性「昨日が峠だと言われていたのに 持ち直したんですよ!」
加藤祥子「ええっ!?」
加藤祥子「それは良かったです!」
女性「今日は、こちらのケーキをください」
男の子「お母さん、オレはこれがいい!」
女性「はいはい」
加藤祥子「ありがとうございました!」
名取圭樹「やっぱり、師匠のケーキはすげぇな」
加藤祥子「圭ちゃん」
加藤祥子「圭ちゃんも、昨日はありがとね」
名取圭樹「おう」
加藤祥子「ねぇ、圭ちゃん」
加藤祥子「私、圭ちゃんの作るケーキ好きだけど」
名取圭樹「う、うん」
加藤祥子「さすがに、ずっとってわけには いかないよね?」
名取圭樹「・・・え?」
加藤祥子「私、卒業したら家を出るし」
加藤祥子「圭ちゃんのケーキも卒業した方が・・・」
名取圭樹「しなくていい!」
名取圭樹「俺がパティシエを目指してるのは、 祥子のためでもあるから!」
名取圭樹「俺は、ずっとずっと祥子のために ケーキを作り続けるから!」
名取圭樹「だから、ずっと俺のケーキ食べてくれよ!」
加藤祥子「・・・いいの?」
名取圭樹「いいんだよ!」
加藤祥子「ありがとう、圭ちゃん!」
「け〜〜い〜〜き〜〜〜〜」
加藤大福「今のはなんだぁ? プロポーズか?」
「お父さん!          師匠!」
加藤大福「そんなセリフは、一人前になってから 言いやがれ!!」
加藤大福「ほれっ、今からパイピングの練習!」
名取圭樹「お、押忍っ!」
加藤祥子「・・・・・・」
加藤祥子「・・・・・・え?」
加藤祥子「プ、プロポーズ〜〜〜〜!?」
  お し ま い

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