抜け穴(脚本)
〇砂漠の基地
1週間後、Z隊試験場・・・
21番「はあああああ!!!」
97番「くっ!」
97番「はっ!!」
絶崩
21番「ごおおっ!?」
97番「そのまま、トドメ──!」
21番「ごふ・・・」
97番「・・・ふぅ」
試験官「そこまで。勝者、97番」
97番「お疲れ様でした」
試験官「21番は軽い気絶だと思うが、念の為医務室に連れて行ってくれ。『アイツ』に診てもらう」
97番「わかりました」
試験官「・・・・・・」
試験官「どうだ、21番は」
97番「どう・・・とは?」
試験官「最近の彼は、本当に目覚ましい成長を遂げている」
試験官「同じ『新入り』としては、気掛かりなんじゃないか?」
97番「『気掛かり』ですか? まあ、凄いなとは思いますが・・・」
試験官「うかうかしてると、追い抜かれるぞ」
97番「・・・ですね」
〇地下の部屋
97番「負けてらんないなぁ・・・」
21番「・・・・・・」
21番「うぐっ!」
21番(・・・まだ痛ぇ。 一応治療してもらったってのに・・・)
???「起きたのかい?」
21番「・・・善明さん」
善明「大きな外傷はなし。 好きなだけ暴れておいで」
21番「暴れるって・・・ 暫くは安静にしてなきゃいけないんじゃねえのか?」
善明「勿論、本当はその通りだ」
21番「『本当は』?」
善明「君らはまだ細胞が若いから、多少暴れてもすぐに回復する。 もし過度に動いて壊してもちゃんと後で直すから、存分に壊れておいで」
21番「医者とは思えねえ台詞だな・・・」
21番「留守電・・・?」
〇非常階段
21番「・・・」
91番「お、来たな。21番。 こっちだ」
21番「どこに向かうんスか・・・?」
〇秘密のアジト
21番「うお!?なんだここ!」
91番「ここが、俺たちの抜け穴だ。 びっくりしたろ?」
21番「・・・良いんスか?俺たち仮にも実験体なのに」
91番「良いんだ。この場所はアイツら公認だからな」
21番「『アイツら』って・・・司令官たちの事っスか?」
91番「ああそうだ。 アイツらはその気になれば、俺たちの大半は取り押さえる事ができる」
91番「・・・あの『魔獣』もいるしな」
21番「・・・・・・・・・」
91番「ま!鉢合わせねえだけ良いって事さ。 気楽に行こうぜ」
21番「・・・・・・ウス」
〇モヤモヤ
???「§〇Α¶Δ°ΦΩσωΓΠοШВЁα・・・」
???(・・・こいつが、例の!)
???(噂通り、人とは到底かけ離れているな。だが──)
???(だが、この力さえ再び扱えれば・・・!)