96番(脚本)
〇砂漠の基地
1ヶ月後・・・
21番「はあああああ!」
21番「こっちだ!こっち!」
21番「うおおおおおおお!!!」
21番「ぜぇ・・・はぁ・・・」
試験官「そこまで!」
試験官「・・・合格だ。これなら他のZ隊隊員にも引けを取らない」
21番「・・・ヨシ!」
試験官(それにしても、本当に彼は凄い)
試験官(1ヶ月前まで避ける事すらままならなかった者が、今ではギリギリだがちゃんと避けている)
試験官「21番・・・才能の塊だ」
91番「おーい、21番!」
試験官「・・・呼ばれてるぞ、21番」
21番「あー、またか・・・」
試験官「『また』?」
21番「ここの所毎日なんだよ。 雑用に付き合わされて・・・」
91番「おーい、何してんだ? 強くなりたいなら、俺に付いてこないとなれないぞ?」
21番「はあ・・・」
21番「はいはい、行きますって」
21番(相談する相手、間違えたかな・・・)
〇廊下のT字路
91番「なんだ?話って」
21番「俺を・・・俺を、強くしてください!!」
91番「・・・・・・俺が?お前を?」
21番「はい」
21番「97番から聞きました。あんたは強いって」
91番「・・・まあ、否定はしない」
21番「だから俺も、あんたみたいに強くなって──」
91番「ダメだ」
21番「・・・え?」
91番「俺は、誰かに戦いを教えた事がない」
21番「そうなんスか?」
91番「だから、お前に教える事はできない」
21番「そうスか・・・・・・」
91番「・・・俺は教えるのが下手だから、教えられない」
91番「だが、お前の事は嫌いじゃないし、想いを無碍にもしたくない・・・」
91番「うーむ・・・・・・」
21番「・・・・・・あの・・・」
91番「・・・よし、俺に付いてくる事位は許そう」
21番「それって・・・」
91番「遅れんなよ、21番。 俺は気ままだからな。 遅かったら置いてくぜ」
21番「・・・・・・・・・」
21番「はい!!!」
〇オフィスの部屋の前
21番「それで、どこに行くんスか?」
91番「・・・」
21番「俺たち、そもそも『規則』でここから出る事を許されてないじゃないっスか」
91番「・・・・・・」
21番「・・・あの、話聞いてます?」
91番「・・・着いたぞ」
21番「え?」
〇山奥の研究所
〇オフィスの部屋の前
21番「・・・あそこは?」
91番「あれは、『伊吹研究所』。 超人を作るには打ってつけだぜ」
21番「『研究所』!? って事は、まさかドーピングか!?」
91番「いや、俺たちは何もしない。 ただ、会うだけだ」
91番「研究所の、常連にな・・・」
21番「常連、って・・・」
91番「お察しの通り、ヤバい奴だ。 だが──」
91番「・・・いや、会ってからの方がいいな」
21番「・・・・・・・・・」
21番「とんでもねえな・・・」
〇化学研究室
伊吹研究所・・・
96番「よっ、91番」
91番「・・・久しぶりだな、96番──」
91番「その誰彼構わず殴るの、いい加減やめろよ。大人だろ?」
96番(咄嗟の突きを、片手で受け止めるか)
96番「・・・は。腕は衰えてねぇようだな」
91番「・・・そっちもな」
96番「まあな。ところで──その『雑魚』は?」
21番「っ雑──!?」
91番「こいつは、21番。T隊から移籍した新人だ。 可愛がってやってくれ」
96番「ハッ。そういう事か。 よろしくな、雑魚」
21番「聞き捨てならねぇな。 誰が雑魚──」
21番「もうここまで接近してきた!?」
21番「やべぇ、殴られ──」
96番「・・・チッ」
91番「・・・今の打は、21番には防げなかった」
91番「やりすぎだぞ、96番」
96番「・・・ハッ。弱い者を守るのにご苦労なこって」
21番「こいつ・・・さっきから、俺を弱いだの雑魚だの、好き放題言いやがって!」
96番「事実なんだからしょうがねぇだろ。 それとも、ここで俺と戦って訂正させてみるか?」
21番「・・・上と」
91番「やめろお前ら。こんなとこで本気で戦ってどうする」
96番「安心しろ。こいつじゃ俺の本気は出せねぇよ」
21番「こいつ・・・!」
91番「やめろやめろ!・・・ったく、お前はいつもこうだな。96番」
96番「・・・で?やんのか?」
21番「・・・や」
91番「やらせねぇっつってんだろ! いい加減にしろ二人共!」
96番「・・・まあ、やりたくなったらいつでも来いよ。 お前もな、91番」
91番「・・・・・・」
???「本当、弱者を守るのが好きだね~。 お前らは♡」
96番「誰だ!」
サヴォイア「お・れ♪」
(・・・・・・・・・)
(いや、誰?)