91番(脚本)
〇砂漠の基地
21番「げぇ、マジかよ・・・」
91番「おーい21番。怖気づいたか?」
21番「怖気づいてねえよ!」
21番「・・・畜生、やってやる!」
試験官「今回は試験ではないが、立ち会わせていただく」
21番「試験官がただの訓練に付き合ってくれんのか!?」
試験官「・・・Z隊は暇なんだ」
21番「そ、そうか・・・」
試験官「試験用砲撃機、起動!」
21番「さっきの改造試験機か!」
試験官「・・・訓練、始め!!」
21番(あの機械、T隊より2回りは速ぇ・・・! ちゃんと軌道を読まねえと──)
21番「ぐあっ!?」
21番「っ痛ぇ!」
91番「おいどうした21番! 動け動け!」
21番「・・・わかってるよ!」
91番「そうだ!良いぞ21番!」
21番「どこだ・・・次はどこから来る・・・」
試験官「上だ!!!」
91番「21番!!」
21番「・・・・・・・・・」
21番「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
91番「ようし良いぞ!」
21番「・・・クソぉ──」
21番「・・・痛え!」
91番「油断すんな!避けろ! これ以上直撃したら死ぬ!」
21番「・・・油断してねえんだよ!」
21番「ぐあああ!!!」
91番「21番!!!!」
21番「ぐあ・・・」
91番「しっかりしろ!狙われてるぞ!」
21番「っ!」
91番「いかん!間に合わ──」
試験官「大丈夫か!?」
21番「はい、なんとか──」
試験官「頭を守れ!!」
21番「・・・!!!」
21番「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
試験官「くっ!『停止』!」
試験官「よし、なんとか間に合ったな」
21番「・・・・・・なんだよこれ・・・」
試験官「怖じ気付いたか?」
21番「・・・怖気づいてはねぇよ」
21番「ただ、こんなん続けてたら死ぬぞ?」
試験官「・・・誰も死んでないぞ?」
21番「俺がだよ!!俺が死ぬって言ってんだ!!」
91番「じゃあ、休憩したらもう1回だな」
21番「・・・話聞いてたかアンタ」
91番「お前の傷が回復するまでは、俺が訓練しているから安心しろ」
21番「いや、既にそんな簡単に治る傷じゃねぇんだけど・・・」
91番「先輩の事を思うなら、さっさと回復させて戻ってきてくれよ?」
21番「人使い荒いぞこのオッサン・・・」
91番「オッサンじゃないぞ。俺はまだ29だ」
21番「マジかよ・・・」
〇廊下のT字路
21番「やべえ・・・これはやべぇ!」
21番(キツすぎる!!)
97番「お疲れ様です。21番」
21番「ん?おお、お疲れ。 タメ語で良いぞ」
21番(てかこいつ・・・さっき試験受けてた奴だ!)
97番「どうでし・・・どうだった?初めての改造試験機は」
21番「え?どうって・・・」
21番「・・・しんどい」
97番「・・・ぷっ」
21番「な・・・」
21番(笑いやがった、こいつ・・・!?)
97番「いや、やっぱり皆、『最初はそう』なんだなって」
21番「・・・え?」
97番「・・・僕も初めてここで回避訓練をした時は、本当にしんどかった」
21番「そうだったのか・・・」
97番「でも、今の僕ならあれも避けられる。 まあ、1発当たっちゃったけど・・・」
21番「つまり、訓練次第で俺もお前みたいになれんのか!?」
97番「1年は掛かるかな」
21番「げぇ、そんな差があんのか・・・」
97番「まあ、あの人とはもっと差があるけどね」
21番「『あの人』?」
97番「ほら、さっき君が会った彼だよ。91番」
21番「あのオッサン、そんな強ぇのか?」
97番「・・・」
〇砂漠の基地
97番「・・・強い」
91番「♪」
試験官(・・・流石だ)
試験官(試験機の連撃を、紙一重でかわしている)
試験官(恐らく、91番にとっては、これですらまともな相手になっていない)
試験官「Z隊・・・本当に底が知れないな」