ペルソナの微笑

鳳条

第16話(脚本)

ペルソナの微笑

鳳条

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〇教室
  翌日───
  ───3年A組
凛「───香穂ちゃん!おはようー!」
香穂「おはよう、凛ちゃん」
凛「・・・はぁ・・・ 昨日寝るの遅かったから寝不足ー・・・」
香穂「遅くまで勉強してたの?」
凛「そのつもりだったんだけど・・・」
凛「結局、見たかったドラマ見てたり、スマホで動画見てたりしてて」
凛「あんまり勉強しなかったんだよねー・・・」
香穂「あ・・・そ、そうだったんだ・・・」
今井「───ホームルーム始めるわよ みんな席に着いてー」
凛「・・・あれ?」
凛「香穂ちゃん、今日って美月ちゃんに会った?」
香穂「ううん、会ってないよ」
凛「まだ来てないみたい・・・珍しいね」
香穂「本当だ・・・今日はお休みなのかな?」

〇教室
  ホームルームが始まり、今井が出席を取る。
今井「─── 一ノ瀬さん」
  一ノ瀬からの返事はない。
今井「あら・・・? 一ノ瀬さん、来てないわね・・・」
今井「私は連絡を受けていないのだけど・・・ 誰か、何か聞いてる?」
「・・・・・・・・・・・・」
凛「・・・何も聞いてないよね?」
香穂「うん・・・」
今井「・・・うーん、珍しいわね・・・」
今井「大丈夫かしら・・・────」

〇散らかった職員室
  ホームルーム後───
  ───職員室
今井「・・・・・・」
  今井は職員室に戻ってくると、どこかへ電話をかけ始めた。
今井「・・・・・・」
今井「───・・・あ、お世話になっております」
今井「星ノ森学園の今井と申します 一ノ瀬さんのお家でお間違いないでしょうか」
美月の母「・・・はい、そうですが」
今井「お忙しいところすみません 美月さん、今日は欠席でしょうか・・・?」
今井「まだ学校に来ていないようでしたので 大丈夫か、確認したくて───」
美月「・・・え? どういうことですか?」
美月の母「あの子、まだ学校に着いていないんですか?」
今井「・・・え?」
美月の母「美月は今朝、学校で勉強するからと・・・ 朝早くに、家を出たはずですが・・・」
今井「・・・え・・・?」

〇おしゃれな食堂
  昼休み───
  ───食堂
凛「・・・大丈夫かな、美月ちゃん・・・」
香穂「・・・結局、学校来てないもんね・・・」
凛「さっき、電話してみたんだけど・・・ 電源切れてるみたいで繋がらないんだ」
香穂「・・・心配だね・・・」
凛「変なこと、続いてるし・・・ 美月ちゃんが巻き込まれてないといいけど」
「・・・・・・・・・・・・」

〇散らかった職員室
  ───職員室
久保田「・・・はぁ・・・ そろそろ試験問題を作らなくては・・・」
久保田「今回は平均点が高くなるといいが────」
今井「───久保田先生!!」
久保田「・・・ん? なんですか今井先生、そんなに慌てて」
今井「大変です・・・!! 今、警察から連絡があって───」
今井「A組の一ノ瀬美月さんが・・・ 川で、遺体で発見されたと・・・!!」
久保田「・・・な・・・!?」
今井「今朝、一ノ瀬さんが登校してこなかったので お家に連絡を入れてみたら」
今井「お母様は『朝早く家を出た』とおっしゃって ・・・一応警察に連絡したんです」
今井「そうしたら・・・こんな・・・」
久保田「・・・・・・・・・・・・」
  今井の言葉に、職員室が騒然とする。
小野「・・・・・・・・・」
浅川「・・・・・・・・・」
浅川(・・・来栖、市村・・・一ノ瀬・・・?)
浅川(そんな・・・まさか・・・────)

〇土手
  放課後───
  河川敷は規制線が張られ、騒然としていた。
住民「───・・・ちょっと、これ何の騒ぎ?」
住民「川で人が亡くなったんですって」
住民「高校生らしいわよ」
住民「ええ・・・また? ついこの間も高校生が亡くなったわよね?」
住民「しかも、同じ学校の生徒さんみたいよ」
住民「ほら、そこにある星ノ森学園の子よ」
住民「嫌ねぇ・・・ こんなに立て続けにここで亡くなるなんて」
住民「これで3人目らしいわ ・・・呪われてるって言われてるくらいよ」
  人が集まり、ざわつく河川敷を───
一花「・・・・・・」
  一花は、離れたところから眺めていた。
一花「・・・はぁ・・・」
一花「・・・だから言ったのに────」

〇教室
  翌日───
  ───3年A組
今井「────・・・みんなに、残念なお知らせがあります」
今井「一ノ瀬美月さんが・・・昨日亡くなりました」
生徒「え・・・なんで一ノ瀬さんが・・・!?」
生徒「ねぇ、やっぱり呪いだよ・・・ この学校呪われてるんだよ・・・!!」
今井「みんな落ち着いて・・・! 一ノ瀬さんのことについては、今調査中──」
生徒「もうやだ、私怖い・・・!!」
生徒「みんな殺されちゃうんだよ、きっと・・・」
生徒「次は誰が死んじゃうの・・・!?」
今井「・・・大丈夫よ みんなのことは、私たちが守るから」
今井「どんな小さなことでもいいわ ・・・何かあったら、すぐに相談して」
今井「そして、何か知っていることがあったら 誰でもいいから、大人に話してほしい」
今井「不安にならないで・・・といっても 難しいと思うけれど・・・」
今井「辛い時は無理せず相談してね────」

〇教室
  ───3年B組
生徒「───うそでしょ・・・ なんで一ノ瀬さんが・・・」
生徒「一ノ瀬さんが呪われる理由なんてある? 美人で性格良くてさ・・・」
結衣「・・・・・・・・・」
葵「・・・一ノ瀬さん・・・」

〇教室
  ───3年A組
凛「───・・・なんで・・・」
凛「なんで美月ちゃんが・・・」
香穂「・・・凛ちゃん・・・」
凛「だって美月ちゃん・・・ なんにも悪いことしてないじゃん・・・」
凛「あんなに優しくて良い子で・・・ なのになんで・・・」
香穂「・・・・・・・・・」
  涙が止まらない凛に、香穂はどう声をかけて良いか分からなかった。
  そんな二人を───
蘭「・・・・・・・・・・・・」
  蘭は、教室の隅の、自分の席から
  どこか悲しそうな目で見つめていた───

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