ペルソナの微笑

鳳条

第4話(脚本)

ペルソナの微笑

鳳条

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〇教室
  ───2週間後
  定期テストの最終日。
  最後の科目を終え、生徒たちは解放感に包まれていた。
凛「香穂ちゃーん!」
香穂「凛ちゃん、テストお疲れ様」
香穂「どうだった?」
凛「うーん、全然ダメ!」
凛「もうなんか、点数良くても悪くても、頑張ったからいいかなって思ってきちゃった!」
香穂「あ・・・そ、そうなんだ・・・」
凛「香穂ちゃんは?どうだった?」
香穂「うーん・・・私もあんまり、自信なくて」
香穂「特に数学・・・ あんなに難しいと思わなかったから・・・」
凛「ほんとそれ、数学難しすぎだよねー」
凛「小野のテストって毎回難しいんだよね ほーんと意地悪」
美月「───凛ちゃん、香穂ちゃん」
凛「あ、美月ちゃん!」
美月「テストお疲れ様、やっと終わったわね」
凛「ほんとほんと!すごい解放感!」
香穂「美月ちゃん、数学どうだった?」
美月「数学・・・ 結構難しかったわね」
美月「入試問題を想定しているんだと思うけど ・・・平均点も低いんじゃないかしら」
凛「やっぱりそうだよね~・・・ 入試問題なんて解ける気しないよ・・・」
美月「そんなことないわ コツコツ努力していけば大丈夫よ」
美月「一緒に頑張りましょう」
凛「なんか、美月ちゃんにそう言われると頑張れる気がする・・・!」
香穂「私も、次のテストは頑張ってみるね」
美月「そうね、必要なら皆で勉強会をしてみてもいいかも」
凛「お、それ楽しそう〜!」

〇美術室
  その後────
  ───美術室
  勢いよくドアを開け、凛と香穂が美術室に入ってくる。
凛「───よーし、テストも終わったし、コンクールの絵に専念するぞー!」
香穂「うん、そうだね!」
結衣「────あ、凛ちゃん・・・」
凛「あれ・・・結衣ちゃん!?」
結衣「ひ、久しぶり・・・」
凛「久しぶり〜〜〜!! 来てくれたんだ〜〜!!」
結衣「う、うん・・・ テストは・・・別室受験してて・・・」
結衣「しばらく来てなかったから・・・ 部活、来てみようかなって・・・」
凛「そうだったんだ! 来てくれて嬉しいー!」
香穂(・・・もしかして、この子が・・・)
結衣「・・・あ・・・」
香穂「あ、えっと・・・」
凛「紹介するね! 新しく入ってくれた相澤香穂ちゃん!」
凛「ちょっと前にA組に転校してきた子なんだ!」
結衣「そ、そうだったんだ・・・ 初めまして・・・」
結衣「B組の・・・佐藤結衣です よろしくお願いします・・・」
香穂「初めまして、相澤香穂です、よろしくね」

〇美術室
凛「───そういえば、テストどうだった?」
凛「数学めっちゃ難しかったよねって、さっき香穂ちゃんと話してたんだけど・・・」
結衣「・・・私も、数学難しかったな・・・」
結衣「あんまり、解けなかったかも・・・」
凛「ひぇー・・・結衣ちゃんでも難しいんだ」
凛「じゃあ私が解けるわけないや・・・ あはは・・・」
香穂「げ、元気だして凛ちゃん・・・」
凛「だって結衣ちゃん、めっちゃ頭良いんだよ 試験順位、いつもトップ3位以内だもん」
香穂「え、すごい・・・!」
結衣「そ・・・そんなこと・・・ないよ・・・ 私なんて・・・」
結衣「・・・・・・」
凛「・・・? 結衣ちゃん、どうかした?」
結衣「・・・あ、ううん・・・なんでも・・・」
結衣「・・・・・・」
凛「・・・どうしたの? 何かあったんなら聞くよ?」
結衣「・・・あ、ありがとう・・・」
結衣「・・・・・・」
結衣「・・・あのね、これはここだけの話にしてほしくて」
結衣「誰にも・・・言わないでほしいんだけど」
凛「・・・うん、分かった、誰にも言わない」
結衣「・・・ありがとう・・・」
結衣「・・・あのね、実は────」
結衣「───来栖さんに、ずっと・・・ ・・・嫌がらせを・・・されてるの」
香穂「え・・・来栖さんって・・・ A組の・・・?」
凛「嫌がらせ・・・って、どういうこと?」
結衣「・・・前回のテスト・・・ 私、初めて学年1位を取ったの・・・」
結衣「でも、それから・・・ 変なことが続くようになって・・・」
結衣「ロッカーに入れてあった教科書が汚されてたり・・・机の中に虫の死骸が入ってたり」
凛「うわ・・・何それキツイ・・・」
香穂「でも・・・ どうして来栖さんの仕業だと思うの・・・?」
結衣「それが何度も続くから、私も辛くて・・・ ・・・一度、帰ったふりをして」
結衣「・・・教室を、見張ってたことがあるの」
結衣「そしたら────」

〇教室
  ───来栖さんが、B組に入ってきて
  私の机やロッカーを、漁り始めて・・・
  手に持ってた絵の具みたいなもので・・・
  私のロッカーの中を、汚し始めたの
  それで私────
結衣「───く、来栖・・・さん・・・?」
綾香「・・・・・・!」
結衣「な、なんで・・・ 来栖さんが・・・やってたの・・・?」
綾香「・・・・・・」
結衣「あ、あの・・・ どうしてこんなこと────」
綾香「・・・はぁ・・・タイミングが悪い」
綾香「なんでまだ学校にいるのよ、ほんとムカつく」
結衣「・・・え・・・?」
綾香「どうするの?先生にでも言うの?」
綾香「言いたきゃ言えば? ───もっと酷くしてやるけどね」
結衣「・・・っ・・・!」
綾香「あんたなんかが私より上に行くなんて ・・・そんなのありえない」
結衣「・・・あ・・・待って・・・」
結衣「・・・・・・」
結衣「・・・どう、しよう────」

〇美術室
結衣「───それで私・・・怖くなっちゃって」
結衣「学校に行こうとすると・・・ 気持ち悪くなって動けなくなっちゃって」
結衣「行きたかったけど・・・来れなかったの」
結衣「また・・・嫌がらせされるかもって」
香穂「そんなことが・・・あったんだ・・・」
凛「ていうか、そんなのめちゃくちゃだよ! 結衣ちゃんは何も悪いことしてないじゃん!」
凛「どう考えたって来栖さんの言ってることがおかしいよ!先生に言ってやろう!」
結衣「で・・・でも・・・ 先生に言ったらもっと酷くなるかも・・・」
凛「そんなの────」
結衣「私も・・・ 何度も、先生に言おうかと思ったけど」
結衣「もっと酷いことされるのも嫌だし・・・ 先生、話聞いてくれるか分からないし」
結衣「だから・・・怖くて言いたくないの」
凛「うーん・・・ 私は言った方がいいと思うけどなぁ・・・」
香穂「・・・私も、そう思う・・・」
凛「でも結衣ちゃんが嫌だと思ってるものを、私たちが無理やり進めるのも違う気がするし」
凛「どうしたもんかなぁ・・・」
結衣「ごめんね・・・こんな話して・・・」
結衣「聞いてくれてありがとう・・・」
凛「全然いいんだよ・・・ むしろ、何もしてあげられてなくてごめん」
香穂「辛かったら、無理しないで言ってね ・・・私たちにできることなら、何でもする」
結衣「うん・・・そう言ってくれるだけで嬉しい ありがとう・・・」
凛「・・・・・・」
凛「嫌がらせ、か・・・」

次のエピソード:第5話

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