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あとりポロ

エピソード41『勇気、ひと握りの言霊』(脚本)

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〇タンスの置かれた部屋
  2015年、イバラキ。『柊なゆた』
  ──孤高の戦士が求めるは風。一際澄んだ気の流れ。
  
  それは少女が起こした愛しい微笑み。
  
  少年が残した尊い歓声。
  人の心に宿る純粋な想いの形。
  
  それは己《おの》が味方に求めるもので無く、
  
  生けとし生きる全てに見たいと思うもの。
  隻腕の騎士『ジョーカス・オリファー』は、
  
  そんな人々の生き方を愛しく思っていたのかもしれない。
「『なぅ』~。ご飯でしゅよ~。 今日の夕食はカレーなんでしゅって! 『まいたん』はほんと、お料理上手でしゅよね~」
柊 モカ「『なぅ』?」
柊 モカ「・・・・・・」
柊 モカ「・・・『ジョーカー様』のお話、読んでたんでしゅね」
柊 なゆた「そか、 知ってるんだ、このお話」
柊 モカ「はい!」
柊 モカ「耳が腐っちゃうぐらい、いっぱい、い~~っぱい、」
柊 モカ「・・・ママに読んでもらいました」
柊 なゆた「・・・そっか、」
柊 モカ「けど、」
柊 モカ「もう、ダメなんでしゅ!」
柊 モカ「何度やっても、何度戦っても、」
柊 モカ「ボクは、『正義の味方』に勝てないんでしゅ!」
柊 モカ「『正義』を掲げる人に勝てない」
柊 モカ「チカラ、その強さの前で、」
柊 モカ「何度も、 何度も何度も!!」
柊 モカ「・・・・・・が、死んでいく」
柊 モカ「ボクは、 ボクは!」
柊 なゆた「・・・・・・」

〇タンスの置かれた部屋
  泣き続ける『モカちゃん』を抱いて、
  
  ・・・その日は眠った。
  何も言えなかった。
  何を言っても、
  私の言葉じゃ、
  
  ・・・・・・軽いと思った。

〇タンスの置かれた部屋
「昨日、『モカちゃん』が持ってきてくれたカレー、」
柊 なゆた「アレ、すごく美味しかったね!!」
柊 モカ「はい! だって、『真衣たん』の作ったカレーでしゅもん!」
柊 なゆた「・・・・・・そか! そうだったね!!」
  これが、
  
  一般人『柊なゆた』の出来る、
  究極ギリギリ、精一杯の、
  
  ・・・・・・言霊だった。
  𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭

次のエピソード:エピソード42『憧れ』

コメント

  • 続き嬉しいっ❗(ᐠ ᐛ )ᐟ♡ワーイ
    もうほんとモカちゃんとなゆちゃんの2人が尊すぎるよー😭︎💕︎︎
    2人に平穏が訪れて何気ない日常を過ごしてほしいなーって思う❗(ღ*ˇ ˇ*)。o♡

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