田舎者 渋谷漫遊記(脚本)
〇村の眺望
私は田舎で生まれ、育った。
〇SHIBUYA109
常々思っていたのだ。
都会へ行きたいと。
〇田園風景
一方向しか無い道よりも
〇渋谷フクラス
空に近い所を歩けばトリになり、
〇空港のエスカレーター
地下に潜ればモグラに為れる
〇SHIBUYA109
毎日新鮮な情報を捌き切れない程
体に浴びて
私はきっと
何か を手にする
〇駅のホーム
そんな気性が私を東京へ
渋谷 へと向かわせ、
〇SHIBUYA109
現在の私になる
〇SHIBUYA109
完全に予想外であった。
コロナである。
人は関わりを持つことを否定され、
他県に行けば ウイルス 扱いである。
〇村の眺望
田舎に居れば良かった。
〇SHIBUYA109
でも、私は選んだのだ
ここに居る事を。
〇SHIBUYA109
渋谷は今日もひっそりとして
私の思い描いていた顔ではない。
〇SHIBUYA109
自分が憧れた町が
悲鳴を上げて苦しんでいる。
〇走行する車内
何か力になれればと
私は運送の仕事に就いた
〇マンションの共用廊下
各家庭にはルールがあり、
〇整頓された部屋(ハット、靴無し)
1つの世界が形成され
〇CDの散乱した部屋
それはコロナに依り、
少なからず影響を受け、
善悪に振れやすくなっていた事を
私は学んだ。
〇走行する車内
これはきっと
私の今後に多大なる影響を与えるであろう・・・
そんな風に思いながら今日も荷物を運ぶ
〇青(ライト)
楽しい事は無い。
気を使って
更に気を使う世の中だ。
〇走行する車内
しかし必要とされる限り
私は仕事を続ける。
〇クリスマスツリーのある広場
仕事中、
ふと、イルミネーションや看板に
季節を知る自分に笑った。
〇SHIBUYA109
忙しいのだ
渋谷は。
〇マンションの共用階段
上にも下にも道があり、
〇超高層ビル
情報は数限りなく飛んでいるが
それは忙しく、せわしない結果、
生まれただけの物なのだ。
〇オフィスのフロア
関係ある人だけが利用するだけであって
〇村の眺望
元々田舎者であった
私には関係無い物が多い。
〇SHIBUYA109
それでも今や立派に渋谷の人である。
〇SHIBUYA109
何かに憧れて渋谷に来た田舎者は
今や少しだけ物の見方が変わっていた。
〇走行する車内
結局の所、
本人が頑張るかどうか
そこに尽きるという事である。
〇村の眺望
田舎でも大成功する人はするだろうし、
〇SHIBUYA109
都会でも芽の出ない人は居る。
〇風
いつの世も
頑張る人が芽が出る。
〇SHIBUYA109
コロナは理由にされがちだが、
それに甘んじてはいけない。
〇走行する車内
やる人はやっていて
やはりそれがかっこいいのだ。
〇走行する車内
田舎者の私も頑張ればカッコいいし、
〇走行する車内
頑張らなければどうなるかは
仕事柄よく知っている。
〇玄関内
私は再び明日の仕事の準備をする。
〇SHIBUYA109
明日も私を必要としてくれる人がいるだろう
その為にきっと私は
今渋谷にいて・・・
〇SHIBUYA109
誰かがそんな私を見て
ちょっとでもカッコいい!
頑張っているな!
と思ってくれればと思う。
〇玄関内
いや、
それさえも要らない。
だって私は私が頑張っていることを
知っているからだ
それでいい。
〇走行する車内
人の役に立って仕事上の問題もなければ
それでいい。
〇キラキラ
私は何かになれたのかな?
と一瞬思ったが
〇玄関内
いやいや答えはまだわからない。
〇走行する車内
1つ1つなのだ結論なんてまだ早い。
〇SHIBUYA109
その内コロナも収まって
あの賑やかな渋谷が帰ってくるだろう、
〇玄関内
その時私はまだ渋谷にいるのだろうか?
それさえも分からない。
1つ1つなのだ。
〇走行する車内
私は今頑張って足踏ん張って
他に何も考えられない位に
仕事をしている。
そんな私 が最近私は好きだ。
〇玄関内
そうだ!
趣味にもちょっと手をかけてみようかな?
もっと仕事をしようかな?
〇黒背景
私はこの暗い世の中で
まだまだ輝き足りない気がした。
〇風
明日からもっと頑張ろう!!
そう強く思った。
心に響くお話でした。
田舎の良さは離れてみてわかるものですし、逆に都会のよさもそうなんだと思います。
旅行先が素晴らしく見えるのもその一種なのかな?と個人的に思っています。
なんだか心に刺さりました。
私は必死に仕事を頑張っているので、割と上から認められますが、頑張っていない人からは疎まれてしまいます。
それが割と苦痛に感じていたので、周りも頑張っているんだと思い、前向きに捉えようと思えました!
田舎育ちの人は都会に憧れる。都会育ちの人は田舎に憧れる。人はその場所に何かしらの退屈と憧れが輻輳し悩んでいるのでしょう。