異世界還りの聖女様!

檸檬桃緑茶

【番外編】楽しい楽しい夏がきた!-海編-⑤(脚本)

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〇綺麗なリビング
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ 2人ともだいぶ疲れていたのね!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「ご飯食べたらすぐ寝ちゃった・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ 本当、地球だからって油断も隙もなかったよ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・どういうこと??」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ 俺が蓮達を見つけた時・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「変な生き物が、『自分はザリガニだ!』 といって蓮達を騙そうとしてたんだ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・え? あの蓮くんと杏奈ちゃんが?!?!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ あの虫・・・ コホン」
吉沢 奏楽(ソラ)「あの世界から勝手に着いてきた妖精は一体何してたの???」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ 近くにいた小さいカニのハサミに挟まれて・・・ 泣いてた・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・・・・・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・小さいカニってアレだよね? 手のひらに乗るくらいの小さいヤツ・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・あぁ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ そんな小さなカニのハサミに挟まれてたの・・・!?」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ あぁ・・・ めちゃくちゃ泣いてたぞ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・マジか・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・蓮くんたちは?」
吉沢 拓磨(タクマ)「そんな妖精を見向きもしないでザリガニと名乗る生き物を質問攻めしてた・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ その変な生き物って一体なんだったの??」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・俺も初めて見るが・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「虫・・・ いや。妖精と同類なんじゃないかな?」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・あぁ。 可哀想な生き物がいたんだね・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「杏奈ちゃんが飼いたい! と言った時は絶句したよ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ 杏奈ちゃんは引き寄せちゃう系だからなぁ~」
吉沢 拓磨(タクマ)「なんとか杏奈ちゃんには飼うのは無理だと説得してたら・・・・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「ハサミに挟まれる妖精を見て、泣きながら悪態をついてどっかいってしまったよ・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・うーん・・・ よく分からないけど・・・ なんともなくて良かったのかな??」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・まぁ、そうだな・・・」
  奏楽と拓磨は知らない・・・。
  
  ザリガーニと名乗った妖精(?)は、ハサミが欲しいことを・・・
  そして・・・
  
  自身を1度も挟んでくれない小さなカニが・・・
  杏奈についてきた妖精が挟まれていることに嫉妬しすぎて、逃げ出してしまったということを・・・
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・ 地球にも、変わった生き物はいるんだね・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「まぁ、突然ゾンビが現れるぐらいだしな・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・確かに!!!!!!!!」
高野 裕翔(ヒロト)「ふぅ・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「シャワーと寝間着、ありがとうな!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「お、ようやく来たな!!」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・あと、今日は世話になるよ!」
吉沢 拓磨(タクマ)「ははは!! 今まで何度も泊まりに来てたじゃないか!」
吉沢 拓磨(タクマ)「今更遠慮するなって!!」
高野 裕翔(ヒロト)「おう!!」
吉沢 奏楽(ソラ)(裕翔さんの寝間着姿かっこいーー!!♡ あぁ、でも眠い・・・ 限界だァ・・・)
吉沢 奏楽(ソラ)「じゃ、私は先に寝るね!! おやすみぃー!」
吉沢 拓磨(タクマ)「おう!」
高野 裕翔(ヒロト)「お、おう!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ 裕翔・・・お前・・・ 何度も奏楽1人にして、絡まれたところを撃退したみたいじゃねぇか・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「な、なぜ知ってる!!!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ お前さぁ・・・ いくらなんでも純情すぎるだろ・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・じ、純情だと?? この俺が?!?!」
吉沢 拓磨(タクマ)「奏楽の水着姿見て、鼻血流すわ・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「奏楽を間近に来ると気が動転して海に走り出すとか・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「そ、そんなことまで知ってるのか?!?!」
吉沢 拓磨(タクマ)「当たり前だろ??? 俺を誰だと思ってる!!!!」
高野 裕翔(ヒロト)「それはもちろん勇者── あぁ、そうか・・・ なんか魔法使ったのか・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「そういうこと!」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・気持ちは伝えねぇのか??」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・うーーん・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「情けない俺の姿見て・・・ 嫌われてないだろうか・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・どうだろうな・・・ 少なくても嫌われては無いだろうな・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・お、俺は決めた!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ん??」
高野 裕翔(ヒロト)「そ、奏楽ちゃんが・・・ 20歳になるまでには・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「こ、こ、こ・・・ 告白・・・!! する──」
吉沢 拓磨(タクマ)「遅せぇよ!!」
高野 裕翔(ヒロト)「なっ!?!?!」
吉沢 拓磨(タクマ)「奏楽が20歳って・・・ あと6年はあるぞ?? そんなに待つ理由はなんだよ??」
高野 裕翔(ヒロト)「も、もし・・・ 断られたら・・・ 俺・・・生きていけない・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「それで後回しにして・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「知らない男を連れてきて、 『彼氏です!』 って紹介されたらどうすんだ???」
高野 裕翔(ヒロト)「な、なんだとっ!!!!!!!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「まぁ・・・ わざわざ20歳まで待たなくても・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「今のうちに気持ち伝えて、 もし万が一! ダメだったとしても、傷は浅いはずだ!」
吉沢 拓磨(タクマ)(振られることは無いだろうが、な・・・)
吉沢 拓磨(タクマ)(・・・それにしてもこいつらみてて焦れったすぎるな・・・ 一番気になるのは・・・ 最近、裕翔が壊れ気味なんだよな・・・)
吉沢 拓磨(タクマ)(正常に戻ってもらうためにも・・・ 気持ちぶつた方がいいだろう・・・)
高野 裕翔(ヒロト)「・・・うーん・・・ ま、まぁ・・・ 確かに・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「よし!!」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ん??」
高野 裕翔(ヒロト)「今告白を──」
吉沢 拓磨(タクマ)「お、おい! 今は寝てるからやめとけ!」
高野 裕翔(ヒロト)「そ、そうだった・・・ 今はダメだな・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ お前・・・ 本当極端すぎるって・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・最近・・・ 奏楽ちゃんのこと考えると・・・ 夜も眠れなくて・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・乙女か!!」
高野 裕翔(ヒロト)「なっ?!?! 拓磨はそういうことないのか??」
吉沢 拓磨(タクマ)「ない!!!」
高野 裕翔(ヒロト)「うぐ・・・!!!!」
高野 裕翔(ヒロト)「な、なら・・・ 好きな人が出来たときどうしてたんだ・・・?」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・ そもそも好きな人出来たことないし・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「えぇーー?!?!?!」
吉沢 拓磨(タクマ)「お、おい!! うるせぇぞ!!!」
高野 裕翔(ヒロト)「あ、すまん・・・ びっくりしたァ・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・俺の方がビックリだわ・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・ マジかぁ・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・なんだよ・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「いやぁ・・・ イケメンの無駄遣いだなと思っただけだ・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・お前だけには言われたくないな・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「奏楽の前ではヘタレなイケメンくん・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「うぐ・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・寝るか・・・」
吉沢 拓磨(タクマ)「・・・だな・・・」
  こうして・・・
  男たちの戦い(?)が終わったのだった。

〇海辺
ザリガーニ「カニーー!!!!!」
ザリガーニ「なんでわしは挟んでくれないんじゃーー?!?!」
  夜の海のそばで、ザリガーニが・・・
  
  カニに未だ挟んでもらえなず嘆いていたことを・・・
  
  誰も知ることは無かった。

次のエピソード:Ⅱ-29.旅の仲間?(side 蒼、根谷)

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