〇テントの中
エミ「タカシ君？」
タカシ「・・・・・・・・・・・・！」
エミ「その紙に描いたの・・・・・・」
エミ「私のお祖父様・・・・・・？」
タカシ「・・・・・・・・・・・・（コクン）」

〇体育館の舞台
タカシ「???」

〇葬儀場

〇テントの中
エミ「『箱から出た時に、亡くなった筈のお祖父さんを見たんだ』」
エミ「『だから、あの時慌ててしまったんだ。ごめん』」
エミ「タカシ君・・・・・・」
エミ「その・・・・・・お祖父様は私のショーを楽しんでたかな？」
エミ「『うん。手品を心から楽しんでいたよ』」
エミ「『終わった後、何処かに行ってしまったけどね』」
エミ「お祖父様・・・・・・私の事を見ていたんだね」
エミ「ううっ・・・・・・」
タカシ「・・・・・・・・・・・・！」
エミ「ありがとう・・・・・・」
エミ「『僕ね、団長が何か悩んでる様に感じるんだ』」
エミ「『ライオンを手放した以外に、何かあったと思う』」
エミ「『これから団長に会いに行こうと思う』」
エミ「・・・・・・・・・・・・」
エミ「タカシ君。私も行く」
タカシ「・・・・・・・・・・・・！」
エミ「だって・・・・・・タカシ君には沢山助けてもらったから」

〇駅前広場
エミ（またマジックに失敗しちゃった・・・・・・！）
エミ（もう帰りたい・・・・・・！）
タカシ「・・・・・・・・・・・・」
エミ「え、これを私に？」
タカシ「・・・・・・・・・・・・（コクン）」
エミ「えっ、棒が花束に!?」
エミ（周りの人達が拍手してくれた・・・・・・）

〇テントの中
エミ「広場で挫折していた私を救ってくれた事。今でも私の大事な思い出なんだよ」
エミ「『あの時、何か手伝えると思ったんだ』」
エミ「『誰かが悲しむ姿を見たくないからね』」
エミ「優しいね・・・・・・タカシ君」
エミ「『君に伝えたい事があるけど、それは団長の悩みを解決してから』」
エミ「うん。２人で団長さんの力になろう！」
タカシ「・・・・・・・・・・・・」

〇野営地
ショウイチ「昨日、とある僧侶に霊について聞いてみたんだ」
ショウイチ「そしたら、俺が調教師だから動物の霊が見えるようになったって・・・・・・」
ショウイチ「・・・・・・未だに信じられないが、こうして話せてるから事実だろう」
ルナ「私を見てくれる人が見つからなかったのは、それが原因なんだね・・・・・・」
ショウイチ「ああ・・・・・・」
エミ「・・・・・・・・・・・・」
ショウイチ（まずい。今の会話聞かれてたか・・・・・・!?）
エミ「団長さん、包み隠さず話して下さい」
エミ「ライオンの件以外にも、まだ何かお悩みなのでしょう？」
タカシ「・・・・・・・・・・・・」
ショウイチ（腹を括るしかないか）
ショウイチ「笑わずに聞いてくれよ・・・・・・」

〇野営地
ショウイチ「・・・・・・という訳だ。タカシには亡くなられたエミのお祖父さんの姿が」
タカシ「・・・・・・・・・・・・」
ショウイチ「俺には兎の幽霊ルナが見えるって訳だ」
エミ「私には何も見えてない状態なんですね・・・・・・」
ショウイチ「その方が普通だろう」
ショウイチ「動物や人間の幽霊が見える、見えないの不可解な現象は整理出来た」
ショウイチ「問題は・・・・・・」
ルナ「・・・・・・・・・・・・」
ショウイチ「ルナが小学校と関係あるか・・・・・・だな」
ショウイチ「小学校に直接聞きに行くのも、怪しまれるし・・・・・・」
ショウイチ「何か良い方法があれば・・・・・・」

〇綺麗な一人部屋
タカシ「・・・・・・・・・・・・」
タカシ「・・・・・・・・・・・・」

〇広い公園
小学生A「あっ、あの時のお姉さんだ！ 箱から出てきたクラウンも！」
小学生B「風船を膨らませて何か作ってるぞ」
小学生C「ちょっと見ていこう！」
エミ「みんなー！ 今日はタカシ君と一緒にバルーンアートをやります！」
エミ「風船で作って欲しい物があったら教えてね！」
小学生D「じゃあ・・・・・・ウサギを！」

〇テントの中
ショウイチ（バルーンアートの芸を披露すれば、小学生から何か聞き出せるかもしれない）
ショウイチ（タカシのアイデアが上手くいくと良いが・・・・・・）
ルナ「・・・・・・・・・・・・？」
ショウイチ「ん？ どうした？」
ルナ「・・・・・・・・・・・・!!」
ショウイチ「どうした!?」
ルナ「悲鳴が・・・・・・聞こえた」
ルナ「動物の悲鳴が・・・・・・」
ショウイチ「何だって・・・・・・!?」
ショウイチ（兎は聴覚に優れた動物だ。音が何処でしたのか分かる筈だ）
ショウイチ「悲鳴が聞こえたと思われる場所まで連れて行ってくれないか」
ルナ「うん・・・・・・」

〇駐車スペース
ショウイチ（くそっ、また動物が犠牲に・・・・・・！）
ショウイチ（犯人はどうしてこんな事を・・・・・・！）
ショウイチ（それより、警察に連絡しなくては）