声優 イン ポッシブル〜アラサー女が演技未経験で声優を目指したら〜

星名 泉花

voice14「声優になれる? 私の声、私とあなたの言葉」(脚本)

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〇小劇場の舞台
  きっと、奥さんは明るい人でありたかった。
  夫の前では朗らかであいらしく。
  すべては願望のために──。
  表と裏。顔は一つじゃない。
  それが私が思う『奥さん』という役だった。

〇Bunkamura
「おつかれさまでしたー!!」
近藤 悠太「まぁなんとか無事に終わったということで!」
近藤 悠太「みんなで飲みに──って」
近藤 悠太「未成年ばかりだ」
木嶋 萌奈「お酒ばかりだと喉が焼けますよ!」
七海 さくら「九条さん、噛まんかったね。 お兄さん、めっちゃ怖かった」
九条 大志「よよ、よかった」
九条 大志「な、七海さん、二回も死んで迫真の演技だった」
七海 さくら「ひとつの舞台で二回死ぬんは貴重な体験やんな」
宇野 聖羅「鏑木さん、めっちゃ辛口だった」
宇野 聖羅「でもこれが運命のはじまりってやつで〜! キャーッ♡♡♡」
廻 心春(代打ビジュアル)「宇野ちゃん、本当に好きなんだ」
石動 凛子「好きに勝るものはないからね!」
廻 心春(代打ビジュアル)「私、これからも頑張れそうです。 石動さんの初・奥さんと向き合ってたら 若奥さんになれた気がしました」
木嶋 萌奈「そっちの班、全員サイコパスだった。 こわーって」
近藤 悠太「それな」
「凛子さんっ!!」
石動 凛子「紫亜くん」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「あの、オレすぐにでも凛子さんに会いたくて」
石動 凛子「えっ・・・えっと・・・」
廻 心春(代打ビジュアル)「私、他の子と話してますね」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「えっと・・・舞台、よかったです・・・」
石動 凛子「ありがとう」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「・・・カフェでも行きます?」
石動 凛子「甘いものが食べたいな」
宇野 聖羅(えっ!? 石動さんの彼氏イケメン! 年下!?)
宇野 聖羅(鏑木さんの方がイケメンか♡ 年上がいい、絶対!)

〇レトロ喫茶
穴星 紫亜(代打ビジュアル)(着替えちゃった。見えるものが見えない)
石動 凛子「今日はありがとね。 アナに観てもらえてよかった」
石動 凛子「・・・やってみてわかった。 私、声優になりたかったわけじゃないって」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「な、なんで・・・。 だって、俺は本当に凛子さんの演技が・・・」
石動 凛子「私は他人の代弁者になれない。 ましてや作りかえるなんて最低なことをした」
石動 凛子「正直ね、楽しいより苦しいが多かった」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「もう声は出さないってことですか?」
石動 凛子「・・・違うよ」
石動 凛子「私、見失ってたの。 何を伝えたいかって」
石動 凛子「私は言葉に傷つき、言葉に救われてきた」
石動 凛子「私ね、アナに救われてた。 いつもアナは私をほめてくれて、 好きだと言ってくれた」
石動 凛子「それに応えたいって思ってたの。 私はあの仮想の世界に心から楽しんでた」
石動 凛子「・・・いつのまにか、それを忘れてた」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「・・・ずっと考えてたんです。 正直、テキトーにやってた時もありました」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「でもサーシャに出会って、 言葉が声になったとき めちゃくちゃ恥ずかしかった!」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「サーシャを褒めてましたけど、 俺はなんのために書いてるのか わからなくなって」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「・・・俺の言葉でちゃんと書こうと決めました。それっぽい文章はやめようって」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「それで本気でやろうと。 だから凛子さんに声をかけました」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「俺の言葉、拾ってくれるのは 凛子さんだけだ──って」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「えっ!? な、なんで泣いてるんですか!?」
石動 凛子「声優になるって、まだわからないの。 だけど私はアナが・・・紫亜くんが好きだから」
石動 凛子「紫亜くんが迷ってても、 私は楽しかった」
石動 凛子「文章じゃなくても、 言葉の端々に私は惹かれたの」
石動 凛子「紫亜くんが私を見つけてくれた。 私にたくさんの言葉をくれた──って」
石動 凛子「紫亜くん!? わっ・・・私なにかマズイこと言った?」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「いえ、俺も・・・」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「俺も凛子さんが好きです。 大っっ好きッス!」
石動 凛子(ズルいよね、この笑顔。 紫亜くんって本当にアナなのかしら? ギャップが・・・)
石動 凛子「チャンス、もらえるかな?」
石動 凛子「私は一般的な声優にはなれない。 だけど私の声で、伝えたい言葉がある」
石動 凛子「紫亜くんとなら言葉が見つける自信があるの!」
石動 凛子「私は、紫亜くんが考えて見つけていく 言葉を伝えたい。 紫亜くんの物語を伝えていける人になりたい!」
石動 凛子「サーシャとして、私は声優になる。 アナは私に言葉をくれる」
石動 凛子「・・・チャンス、くれるかな?」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「はいっ!!」

〇おしゃれな廊下

〇女性の部屋
「うっ・・・ぅあ・・・!! うあああああああああああんっ!!!!」
  私は一番になることしか考えてなかった
  たくさん練習した。
  たくさん考えた。
  だけど私が何を伝えたいか。
  どんな想いで、
  どんな風に相手に届けるかを見失っていた
  何のために声優になりたかった?
  ・・・そんなの
  私の声で、伝えたい言葉を届けたかった。
  私は一番になりたかったんじゃない。
  私は声と言葉の表現者
  「声優」になりたかった。
「あっ・・・うぅ・・・ぅぅううう!!!!」
  それでも
  努力した日々、報われない現実
  年齢なんて関係ない。
  やり方次第で夢を叶えることは出来る。
  その答えにたどり着いたから
  私の「声優道」は終わらないけれど
  それでも・・・心は抉られるんだ

〇レトロ喫茶
石動 凛子「生命の樹、何かが種まきをしてあなたがここにいる。種のない場所に芽は出ない」
石動 凛子「種さえあればいつか花が咲く。 そして僕らは次の僕たちのために種をまくんだ」
石動 凛子「・・・種がなかったら咲かないの?」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「うん。 なにもないところから芽は出ない」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「だけど花を咲かそうとする。 それはそこに芽があると知ってるから」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「育つのが大変な種かもしれない。 でも人は育てる生き物だから」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「種を咲かせて生きていく。 そして次のための種まきをして、何が僕らの幸福なのかを探す旅」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「生命の樹は種まきをたくさん見てきた。 祈りは今か、次か、いつまきなさいと道を示すのが生命の樹なんだ」
石動 凛子「そっか。そうだね、私もそう思う」
石動 凛子「私にも種はある。 だから育てたい。咲かせたい。 想いが私に種をくれたから」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「・・・うん」
石動 凛子「紫亜くんの言葉を借りて、 私は想いを重ねて声にする。 それが私の声に優れた人の道」
石動 凛子「次にまく種を探しながら、 私は声で、紫亜くんとの言葉を伝える」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「たくさんの人に届けましょう。 俺、もっとがんばります。 凛子さんが伝えたいと思える言葉を」
穴星 紫亜(代打ビジュアル)「俺の表現に、凛子さんが色を添えるんだ」
近藤 悠太(むっつりピュア野郎め。 石動さんもド真面目だし)
近藤 悠太(コイツらを羽ばたかせるのが俺の役割。 それから声を引き出すために、 世界観をしっかり持ってないと)
近藤 悠太「忙しいなぁ。 だけど最高でもある」
  この二人を一番近くで応援して、
  声と言葉を届ける道を作れるんだ。
  これは俺の最高の推し活であり、
  種もつ人を枯れさせないための循環者だ。
  音響監督が夢だった。
  でもやりたいことはどんどん増えたんだ。

〇配信部屋

〇仮想空間
まもりん☆両声類「サーシャさーん!!」

〇雑踏

〇レトロ喫茶
「がんばれ、石動さん!」

〇オフィスビル
永山さん(代打ビジュアル)「がんばれ、サーシャちゃん」

〇幻想空間
サーシャ「地上に祝福をもたらすステラの子が誕生しました。皆で慈しみ、育てましょう。この子たちは選ばれた特別な子なのです」
サーシャ「ステラは12の友達がいなくなるとわかり、 静かに声を押し殺して泣きました」
サーシャ「一番目の星、レオはステラに語ります」
サーシャ「僕たちはたくさんの願いを背負って 大地に星をまとって降り注ぐんだ」
サーシャ「種はね、星になった僕らが次の僕らのために 準備を整えるんだ」
サーシャ「さぁ、もう泣かないで。 一番目の星として、みんなに勇気をみせるよ」
サーシャ「そして12の星が地上に種をまき、 残ったのはステラだけでした」
サーシャ「ステラはまだしばらくは地上に降りません。 なぜならステラこそ、地上そのものなのですから──・・・」

〇黒背景
  声優になれる?
  Impossible(不可能)
  
  in possible(可能であれば)
  
  I’m possible(私にはできる)
「あなたはどう読む?」
  【声優◆ポッシブル】
  アラサー女が演技未経験で声優を目指したら
  完

次のエピソード:voice14.5【スチル一覧公開話③】

コメント

  • 完結お疲れ様でした!
    タイトル、インポッシブルの意味にはそんな意味もあったのですね!
    せんかちゃんがいつも言っている「言葉に傷つけられ、言葉に救われてきた」
    とても勇気がもらえるお話でした!!
    ありがとうございます!!
    凛子に幸あれ〜✨✨✨

  • せんかちゃーん!完結お疲れ様でした!!!!!!!✨紆余曲折あったかと思いますが、まず完結したことも素晴らしいですし、素敵な言葉や身に染みる言葉ばかりでした✨☺️凛子さんのことが好きなのは、自分の凹んだ気持ちや、マイナスな部分もしっかり見つめて、素直にその感情のままに表現できるところや、迷いながらも自分の道を見つけていくところが、私は大好きなんだろうなって思います✨🥰素敵な作品感謝です✨☺️

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