エピソード33『ファーストコンタクト』(脚本)
〇タンスの置かれた部屋
【2015年、イバラキ。『柊《ひいらぎ》なゆた』】
柊 なゆた「ジョーカー様、やっぱりいいな」
柊 なゆた「類まれない剣の技! そして、その、 鋼のようなココロの強さ!」
柊 なゆた「有りだぞ! なゆちゃん的には有り!」
柊 なゆた「とゆか、続き続き♪」
〇森の中
本の中の英雄、剣士『ジョーカス・オリファー』が、
森の闇へ、剣の切っ先をかざす。
隻腕の剣士『ジョーカス・オリファー』「ボクはここに残す者を、悲しむ人々を、これ以上創りたく無い!」
闇カラス「コイツ、勝手にイキリやがる。 やっちまえ! 残った腕も落としちまえ!」
手下『キノシタ』「イクぜ!」
手下『ヤマグチ』「オラァ!!」
隻腕の剣士『ジョーカス・オリファー』「これも、この世界のほころび、なのか」
手下『キノシタ』「ガッ!」
手下『ヤマグチ』「アリエヘン」
隻腕の剣士『ジョーカス・オリファー』「・・・」
闇カラス「この、ク〇が!!」
隻腕の剣士『ジョーカス・オリファー』「・・・」
〇タンスの置かれた部屋
柊 なゆた「やっぱりいいなぁ、『ジョーカー様』♡」
「なゆちゃーーん」
柊 なゆた「・・・・・・」
「お願い、出来ないかなー?」
〇一階の廊下
〇ダイニング(食事なし)
柊 真衣「ごめんね、なゆちゃん。 ちょっとお願いしていーい?」
柊 なゆた「明日、もしくは今すぐ! デザートを1つ追加!」
柊 真衣「了解♪」
柊 真衣「ちょっと、ゴミが多く出ちゃってね。 腰痛めそうだから、 お願い! 『なゆちゃん』のチカラを貸して!!」
柊 なゆた「1往復で行ける?」
柊 真衣「当然。 私の娘なら、ね?」
柊 なゆた「デザート、ほんと頼んだからね?」
柊 真衣「任せておきたまえ♪」
柊 真衣「あと。夜道、ほんと気をつけてね。 最近、変なの多いみたいだから」
柊 なゆた「大丈夫! 『なゆちゃん』に任せなさい、って!」
柊 真衣「うん! 任せた!」
〇一階の廊下
柊 なゆた「起こしてごめんね、『しまちゃん』 すぐ帰ってくるから」
柊 なゆた「じゃあ。 『なゆちゃん』行ってきます!」
〇開けた交差点
柊 なゆた「むっちゃカラス居る。 なんか縁起わる!」
柊 なゆた「早く済ませよっ!」
〇桜並木
柊 なゆた「あ、」
柊 なゆた「昔、よく通ったなぁ、この桜並木」
柊 なゆた「昔、・・・か、」
柊 なゆた「・・・ん?」
柊 なゆた「や、やけに大きなゴミ箱。 ・・・中にいったい何が?」
柊 なゆた「お家のない猫ちゃんか犬くんなら、 お母さんも喜ぶだろうなぁ。 わたし的には、猫ちゃんを希望!」
柊 なゆた「さて、どっちだ? そのお顔を見せておくれ♪」
柊 モカ「ババーン! でしゅ」
柊 モカ「ボク、『モカ』って言いましゅ。 見てのとおり捨てられてましゅので、 そこのアナタ、ひ、拾ってくだしゃい!!」
柊 モカ「わ、何事も無かったように帰っていく! さすが、上級者でしゅ!!」
柊 モカ「ま、待ってくだしゃい!💦💦」
〇開けた交差点
柊 なゆた「なんで付いてくるの?」
柊 モカ「アナタが、好きだから!」
柊 モカ「あ、ボク、『モカ』って言いましゅ! ボクを拾うといい事ありましゅよ? だから、」
柊 モカ「ボクを、 拾ってくだしゃい!! あわよくば、住むところもお願いしましゅ!」
この子の指が震えていた。
寒いのだろうか?
けどその顔は、嬉々として笑っている。
柊 なゆた「・・・私でいいの? キミ、すごく後悔するかもしれないよ?」
柊 モカ「それは、 ・・・無いでしゅから」
柊 モカ「後悔なんて・・・、 1度だって、した事ありませんから!」
柊 モカ「・・・あ、今ボク、嘘をつきました。 後悔は、きっと星の数ほどしました!」
柊 モカ「けど。この瞬間、この言葉は本物でしゅ! 嘘つきましぇん! だからお願いしましゅ!」
柊 モカ「ボクを、・・・拾ってくだしゃい!!」
結論から言うと、
わたしは、この子『モカちゃん』を拾った。
拾わなかったら、
わたし、『柊なゆた』の紡ぐ物語が
・・・今ここで終わってしまう気がしたから。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹
モカちゃんとなゆちゃんのやりとりにキュンキュンしちゃったヾ( 〃∇〃)ツ キャーーーッෆ
とても心が暖かくなるね🍀
こんなにも素敵な作品にかかわれるなんて私って幸せものだよ(∩˘ω˘∩ )♡