11 旅立ち(脚本)
〇女の子の一人部屋
水樹茜「・・・・・・」
あれから数日が経った。株式会社アクタインは数多の不祥事が原因で倒産して、茜ちゃんはずっと気分が晴れないままだった。
水樹茜「あたし・・・これからどうしようか・・・」
「え?その話本当ですか!?」
水樹茜「ん?」
スマホ「おいおい、ちゃんと聞いてたのか?俺が知ってるアメリカのマフィアにお前の事話したら是非ともお前を雇いたいって・・・」
滝本誠二「ま、待って下さい!そんないきなり言われても!」
スマホ「まぁそりゃ直ぐには決められないよな・・・しかも外国行きとなれば尚更だよな・・・でもこれだけは言わせてもらうが、」
スマホ「向こうのボスはお前の事気に入ってたのは確かだ・・・まぁ良く考えて置けよ・・・今後後ろ盾も必要だったりする事も」
スマホ「あるからな!じゃあ、俺はそろそろ行くわ・・・」
滝本誠二「あぁちょ!北山さん・・・切られちゃった・・・」
滝本誠二「いきなりアメリカだなんて・・・まだ何も決めて無いってのに・・・」
水樹茜「誠二さん・・・一体何の話を?」
滝本誠二「え?あぁ茜ちゃん・・・いや、さっき北山さんからお誘い受けてさ・・・」
水樹茜「北山さん?確か誠二さんの・・・」
滝本誠二「あぁ、俺の殺し屋の師匠だよ・・・何してたか知らないけど、俺の事アメリカのマフィアに話したら是非雇いたいって言われて・・・」
水樹茜「そうなんだ・・・」
滝本誠二「茜ちゃんの仇討ちの手伝いも終わったし、これからどうするか全く決めて無いし、選択肢としては大いにアリだけど・・・」
滝本誠二「茜ちゃん、俺の事殺す気無いよね?」
水樹茜「冗談言わないでよ・・・あたし誠二さんに恨みは無いし、寧ろ感謝しか無いわよ・・・そりゃ最初は強引に勧誘はしたけど・・・」
滝本誠二「そっか・・・でも俺、君と一緒に仕事できて楽しかったよ・・・これからの事じっくり考えて、今日中には北山さんに」
滝本誠二「返事するつもりだから・・・」
水樹茜「そっか・・・」
水樹茜「あたし・・・このままで良いのかな・・・」
〇女の子の一人部屋
それからその日の夜。
滝本誠二「もしもし?北山さん?」
スマホ「よぉ誠二!電話して来たって事は答えは決まったか?」
滝本誠二「はい!俺、アメリカに行こうと思います!」
スマホ「おぉマジか!ボスも絶対喜ぶぜ!」
滝本誠二「ありがとうございます!それで、これからどうしたら良いか指示もらいたくて・・・」
スマホ「おぉそうか・・・今後の段取りはキチンと教えないとな・・・良く聞けよ?」
俺は、北山さんからこれからの事を教えてもらい、後は自分が準備するだけになった。
スマホ「で持って、出発は3日後だ・・・向こうに着いたら仲間が案内してくれるから、そいつに従えば間違いねぇ・・・」
滝本誠二「分かりました・・・」
スマホ「そう言う事だ・・・今度会った時は、また一緒に飲もうな!じゃあな!」
滝本誠二「良かった・・・取り合えずやる事は決まったけど、殺しの仕事は当分辞めない方が良いかもな・・・」
水樹茜「誠二さん、お疲れ様・・・」
滝本誠二「あ、茜ちゃん、戻って来たんだって・・・」
滝本誠二「あ、あれ?どうしたの!?どうしてそんな格好・・・」
水樹茜「ちょっと!何そんな風に驚いてるの?男なら喜ぶ格好でしょ!」
滝本誠二「い、いやいや!どう言う風の吹き回し?」
水樹茜「誠二さん、これからどうするか決めたの?」
滝本誠二「え?あぁ、俺、殺し屋は辞めずにアメリカに行こうと思うんだ・・・」
水樹茜「そっか・・・決めたんだ・・・」
滝本誠二「あぁ、3日後にはここを出るから、それでお別れだな・・・」
水樹茜「うん・・・ねぇ、誠二さん・・・」
滝本誠二「え?」
滝本誠二「え?茜ちゃん!?」
水樹茜「あたしも一緒して良いかな・・・あたし、誠二さんになら何されても大丈夫だから・・・」
滝本誠二「・・・!本気なの?」
水樹茜「あたしは本気だよ・・・だから・・・」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)