【第29話】ゾウオの本気、です。(脚本)
〇古めかしい和室
ここまでのあらすじ
とうとう感情をむき出しにしたゾウオ。
彼を突き動かす感情は、『憎しみ』。
〇シックなカフェ
そんなゾウオの心の闇を解くため、結葉と修はコレールと共に幹部最強たるゾウオの戦いを見届けることに。
幹部最強の男、ゾウオの本気とは・・・?
〇荒廃した遊園地
ゾウオが襲来したのは宮ヶ峰遊園地。
人が多く集まるこの地で感情の回収を行っているらしい。
ゾウオ「憎しみを以て、総てを荒れ果てさせよ コレール様の思うままにならぬ世界に慈悲はいらぬ」
ゾウオ「・・・扇動せよ、バッドエモーター。 人々を憎しみ合わせるのだ」
バッドエモーター「・・・・・・」
ゾウオの声に答えるように、
バッドエモーターは力を放つ。
辺りでは喧嘩や暴動が起こり始めた。
ゾウオの使役するバッドエモーターが作り出した黒い力が雨のように降り注ぎ、人々に憎しみを植え付けているのだ。
相模 望「なんだこれは!?」
風三原 悠「恐らくエモーショスの仕業だろう」
風三原 悠「こんなに荒れ果てた遊園地・・・ 思い出が沢山のはずなのに、許せない」
「変身!!」
エルピス・キング「エルピス・キング!!」
エルピス・ナイト「エルピス・ナイト!!」
エルピス・キング「エルピスレンジャー、ここに参上!!」
何故かエルピスレンジャーの背後が爆発した。
ゾウオ「現れたか、エルピスレンジャー」
ゾウオ「待ち侘びていたぞ・・・さぁ 我が憎しみを受け止めてみよ」
ゾウオは刀を鞘から抜くと軽く振るう。
エルピス・キング「うわっ!!!?」
エルピス・ナイト「落ち着けキング!!必ず隙が・・・」
エルピス・ナイト「ぐっ!?」
エルピス・キング「ナイト!!」
ゾウオ「まずは一人」
ゾウオ「案ずるな。我はアングストやアーロゲントとは違う」
ゾウオ「憎しみを注いで同士討ちを狙うようなことはせぬ」
ゾウオ「そんなことをする必要がないからな」
エルピス・キング「ぐっ・・・近づけない!!」
ゾウオがエルピスレンジャーを追い詰めている間にもバッドエモーターは感情の回収を進めている。
負の感情を溜め込むアイテムにも、沢山の負の感情が注がれていった。
エルピス・キング「くっ・・・なんとかして皆の感情を取り戻さなくては・・・」
ゾウオ「無駄だ。諦めろ」
ゾウオ「失意の底で絶望に身を任せると良い!!」
ゾウオ「唸れ・・・『妖刀 悲憤慷慨』!! すべての邪魔者を恨み辛みで染め上げよ!!」
エルピス・キング「うわああああ!!」
〇シックなカフェ
甘咲 結葉「これが・・・ 最強幹部の力・・・」
四島 修「あのレンジャーが手も足も出ないなんて・・・」
コレール「これがゾウオの本気・・・だよ」
コレール「彼はずっとずっと昔から僕と一緒にいた」
コレール「トーインと同じくらい、古参のメンバーなんだ」
コレール「だから僕が背中を預けられる数少ない人・・・」
甘咲 結葉「じゃあ、コレールさんが相談に乗る、ということは」
コレール「できない・・・いや、してくれないんだ」
コレール「彼は僕に一切の弱みを見せようとしない」
四島 修「弱みを・・・!?」
コレール「・・・僕ではどうしようもないんだ」
コレール「・・・今更、従いたくないと思うかもしれないけれど・・・」
コレール「ゾウオの悩みを、解決して欲しい」
甘咲 結葉「・・・・・・」
四島 修(結葉・・・きっと思うところ、あるよね)
四島 修(あんなに突っかかられて、たくさん口論していた)
四島 修(それでも・・・結葉は そして僕も)
四島 修(困っている、悩んでいる人を見過ごすわけにはいかないんだ)
甘咲 結葉「もちろん! 私達に・・・お任せください!!」
続く