【第28話】最強幹部のお出ましです。(脚本)
〇シックなカフェ
前回までのあらすじ
アーロゲントの孤独を癒やし、初めての友達になった結葉と修。
〇洋館の廊下
しかし、その一部始終はゾウオに知られてしまうのであった・・・
〇シックなカフェ
翌朝
甘咲 結葉「おはようございます!!今日も一日張り切って頑張りましょう!!」
四島 修「そうだね、また忙しくなるね!」
二人はカフェの清掃をしていた。
と、その時。
ゾウオ「失礼する」
甘咲 結葉「うわっ!?」
四島 修「何ですか!?まだ開店前で・・・」
ゾウオ「まだ立場を弁えていなかったか」
ゾウオ「言ったであろう。コレール様は良き感情を望んでおられない」
ゾウオ「はっきり言って邪魔だ。 ここ最近、コレール様もカフェの方に意識を向けがちになっている」
ゾウオ「幹部も、戦闘員も、腑抜けになってしまった」
ゾウオ「何のつもりで、士気を下げるような真似を」
甘咲 結葉「・・・っ」
甘咲 結葉「でも、あのまま放っておいていたら、 皆つらい気持ちを抱えたままだったんです」
四島 修「邪魔・・・は、言い過ぎではないでしょうか」
ゾウオ「・・・問答は無駄か」
甘咲 結葉「・・・」
甘咲 結葉「やっぱり、嫌な感じ・・・」
〇洋館の廊下
ゾウオ「・・・やはり、奴らは危険分子だ」
ゾウオ「コレール様は何をお考えになって奴らをここに呼ばれたのか・・・」
ゾウオ「・・・我だけが、コレール様を理解出来るというのに」
〇シックなカフェ
甘咲 結葉「トーインさーん・・・あの冷血幹部にまた嫌味言われましたぁ」
トーイン「あいつ変わらないな・・・」
トーイン「まぁでもゾウオは最近少しピリついているところがあるからな 周りに辛く当たるのもそのせいだろう」
甘咲 結葉「ピリついている・・・んですか? いつもと変わらなく見えますが」
トーイン「あいつは最古参の幹部だからな なにか思うところがあるんだろう」
トーイン「それにあいつもコレール程じゃないが 抱え込んでしまう悪癖があるんだよ」
甘咲 結葉「抱え込んでしまう悪癖・・・」
トーイン「あいつは基本他者を信用していない。 それが仇になっているんだろうな」
甘咲 結葉「そんなの良くないです!! 腹を割って話せる相手は必要ですよ!!」
トーイン「そう言ってくれる人がいてくれて嬉しいよ あいつもきっと心の中では理解者を欲しがっているだろう」
〇古めかしい和室
ゾウオの自室にて
ゾウオ「・・・・・・」
ゾウオは考え事をしていた。
一介の音も無く、張り詰めた静寂がそこにある。
ゾウオ「・・・」
ゾウオ(・・・コレール様に、ずっとついていく。稚児の時より、そう決めた・・・)
ゾウオ(故に、甘さは必要ない。 憎悪の名を冠する者として、人々から憎しみを回収しコレール様へ捧げる)
ゾウオ(・・・迷いはない。私欲も、疾うの昔に捨て去った・・・)
ゾウオ(・・・それに、コレール様には恩がある)
ゾウオ(他の幹部も同じはず。滅びゆく故郷を救う為と手を差し伸べて下さった)
ゾウオ(・・・だというのに、 だというのに・・・!!)
〇シックなカフェ
〇古めかしい和室
ゾウオ「・・・腹立たしい」
ゾウオ「人の気も知らないで、へらへらと・・・」
ゾウオ「・・・憎い」
ゾウオ「嗚呼、何もかもが憎たらしい!!!!」
ゾウオ「ならばいっそ・・・この手で全てを・・・」
ゾウオ、出番だよ
エルピスレンジャーを完膚なきまでに
心の赴くまま叩きのめしてくると良い
コレール
ゾウオ「・・・御意」
ゾウオ「・・・エルピスレンジャー・・・ 八つ当たりは好まぬが、この果てしない憎しみのはけ口になってもらおうか」
〇シックなカフェ
甘咲 結葉「お客さん沢山で繁盛してますね」
四島 修「忙しいけど楽しいね」
甘咲 結葉「・・・そういえば、あの時以来コレールさん来ませんね」
四島 修「・・・なにか思うところがあるのかもしれない」
と、その時。
噂をすれば影がさすとでも言うように
コレールが姿を表した。
コレール「・・・やぁ」
「うわぁ!?」
コレール「・・・今となってはその反応すら嬉しく思えるよ」
コレール「久しぶりだね」
四島 修「そ、そうですね」
甘咲 結葉「どうしたんですか?」
コレール「・・・」
コレール「ゾウオについて、言っておきたくて」
コレール「その前に、彼の本気の戦いというのを、 二人に見せてあげたくてね」
「本気の・・・戦い・・・?」
続く