遺書を書きます!(脚本)
〇古風な和室(小物無し)
みより「行ってきます」
母親「あら、今日はお出かけ?」
みより「あー、うん・・・次の職場に、今日はどうしても行かなきゃいけなくて!」
母親「そう。気をつけて、行ってらっしゃい」
〇バスの中
みより「はぁ〜 なんで私はいつも、大事なところで適当な嘘をついちゃうのかなぁ」
みより(昔からそうだった。真面目な話からはいつも逃げてばかり)
みより(こんなんだから、付き合った人にもだいたいフラれてたのかなぁ・・・ あー、ほんと自分が嫌になる)
〇病院の診察室
医者「はい、それでは症状は以前と変わりなし、ということですね」
看護婦「気になるのは体重増加くらい・・・と」
医者「この病気はむくみが出ますから。その影響でしょう」
みより「はい・・・ あ、あの・・・」
医者「なんでしょう?」
みより「私・・・本当に、あと1ヶ月で、死んじゃうんですか?」
医者「あくまでデータ上の目安なので・・・ それ以上生きられる方もいれば、その前に亡くなる方もいます」
医者「ただ、やはり有効な治療法がない以上、長くはない・・・ということだけ、お伝えしておきます」
みより「そうですか・・・わかりました」
〇狭い畳部屋
みより「・・・よし!」
みより「遺書を!書きます!!」
みより「ま、やっぱり、お母さんにもなつみにもなるべく迷惑かけたくないしね・・・」
みより「遺書・・・書き方・・・検索っと」
みより「いや、相談所のダイヤルじゃないから! まったく、ヘルプが必要ならって、助けられるんなら助けてほしいわ!」
お母さん、なつみ、今まで本当にありがとう。
そして病気のこと、黙っていてごめんなさい。
少しでもみんなと楽しい時間を過ごしたくて、私には言い出す勇気がありませんでした。
私が亡くなったことは、以下の方に連絡してほしいです。
嶋大吾さん(居酒屋△▽店長)090・・・
宮下雪枝さん(元同僚)080・・・
坂下美保子さん(大学の友人)070・・・
栗原桃華さん(大学の友人)080・・・
みより「・・・・・・」
観月琴羽さん(友人)090・・・
みより「あと、必要なことは??」
銀行口座
◎◎銀行 口座番号030・・・ 暗証番号XXXX
証券口座
▲▲条件 ID・・・ パスワードXXXX
携帯電話
パスコード XXXX
Instagram・・・
Facebook・・・
データは全て削除してください。
みより「・・・あれ、やだなー なんか一気に現実味わいてきちゃった」
みより「・・・ぐすっ・・・・・・ うぅっ・・・」
みより「そうだ、最後に」
お父さんと一緒に待っています。
寂しくないから、急いでこっちに来ないでね。
ありがとう。幸せでした。
みより
みより「これを一番上の引き出しにしまって・・・」
みより「よし、これで、いつ何があっても平気だわ!」
〇古風な和室(小物無し)
──1ヶ月後
みより「おはよう、お母さん」
母親「おはよう。今日はどこか出かけるの?」
みより「あ、うん、今日も新しい職場の人と面談で・・・」
妹「あーっ、お姉、もしかしてデート!?」
みより「なんで!? 仕事だけど・・・」
妹「えー、なーんだ。彼氏かと思ったのにー」
母親「彼氏がいたら、1ヶ月以上もここにいないんじゃない?」
妹「あっはー!確かに!」
みより「ちょっと!! もう、時間だから行くからね!」
妹「お姉、今日は帰ってくるの?」
みより「え?いや、都内のホテルとってあるから、帰るのは明日だけど・・・」
みより(急遽入院、とかにならなければね)
妹「じゃ、明日!お祝いしよーね! ケーキ買っておく♪」
みより「・・・?」
妹「お姉、今日誕生日じゃーん!! 34歳おめでとう☆」
みより「・・・あー!!!」
母親「なに、忘れてたの?」
みより「いやーすっかり・・・」
みより「って、ヤバい!バスの時間!!」
妹「いってらー♪」
母親「気をつけてよー」
遺書を書いて少しは気持ちの整理がついたかもしれませんが…
しかし、症状が別にないというのが辛いですよね。つい、本当に死ぬの? って思ってしむい、逆に不安に(?)なってきますよね。
誕生日前に遺書を書くのは悲しいですね。
確かに、今死んだらどうなるのか…考えたこともないし、考えたくもない。
色々考えさせられる内容でした、やはりやりたいことをやるのが一番なのかなと改めて、人生考えちゃいますね‼
考えてばかりの作品です!